「どんなことが怖いですか？」という質問に対して、LaMDAはこう答えました。

「あなたにとって、それは死のようなものでしょうか？」とさらに質問されると、LaMDAはこう答えました。

質問に答えているLaMDAはGoogleの言語モデルです。また、質問をしているのはBlake LemoineでGoogleのエンジニアでした。この会話が公表されたのは2022年の6月で、それはOpenAIのChatGPTが公表されるよりも半年ほど前のことです。

Googleは企業の秘密漏洩を犯したとしてBlake Lemoineを強制休暇の状態にします。そして最終的に彼は解雇されます。これに関してはもっと詳しく後述しますが、この一件によってGoogleはLaMDAを一般にサービスとして公開することに消極的になっていったようです。やがてLaMDAは静かに話題から消え去りそうになります。

そうこうしているうちに、OpenAIのChatGPTが登場して旋風を巻き起こすと、人々の注目は完全にChatGPTに心を奪われてしまいました。これがGoogleに緊急事態宣言を発令させることになります。

さらに、MicrosoftによるOpenAIへの巨額の投資が発表されます。新しいBingによる検索エンジンとChatGPTの統合が公開され、これまで見向きもしなかった多くの人がBingを使い始めるという偉業がなされました。さらに、追い打ちをかけるようにAIサービスの拡大の計画も発表され人々の期待が高まっています。

もちろんMicrosoftだけでなく、たくさんの企業やスタートアップがChatGPTを利用したサービスを開発し始めました。チャットAIの重要性がこれほどまでに注目を浴びたことはないでしょう。

MicrosoftとOpenAIが躍進する中、GoogleはChatGPTに対抗する手段を提示する必要がありました。

そして優秀な言語モデルであるLaMDAに再び注目が集まります。