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抱えた思いは、みな同じ。だから、伝えることを諦めない。

8月も終盤に差し掛かり、まだまだ陽射しの強い日々が続いていますが、皆様体調など崩されていませんか。

5月から始まった、『ことばの日をつくろう』のレポートも、もう4回目になります。
今回は、参加しているみんなの思いが少しでも伝わればいいなあと思い、筆をとりました。
今までの進捗報告とは少し毛色を変えて、言葉の企画生 河地真里がお送りします。

「ことばの日をつくろう」プロジェクトは、コピーライターの阿部広太郎さんが開講している『言葉の企画2019』の1回目の課題で、立山紫野(たちやま しの)さんが考案した企画を、みんなで実現しよう!というもの。
『言葉の企画』第1回の日であり、みんなが初めて集った5月18日を、『ことば(5+10+8)の日』という記念日にしよう!という企画です。


「日本記念日協会に申請書を提出し、最終日である10月5日にみんなで『ことばの日』の登録証と一緒に写真を撮りたい!」という思いを実現すべく、毎回40名以上の企画生と一緒にミーティングを重ねてきました。


初めての壁と、その壁を乗り越えるために


前回のレポートでは、『ことばの日』に何をするか「イベント案を考えている」とお伝えしました。

▼前回のレポートはこちら


当初の計画では、今回8月10日に申請書を完成させ、提出するつもりでした。
けれども、ここにきて初めて、大きな壁にぶつかります。

それは、「共通のビジョン(前提)が全員に共有されていない」ということ。


今まで『ことばの日』について思うことをそれぞれ付箋に書いて貼って投票して、たくさんの案を出し合ってきました。
そして、前回はイベント案を考え「ことばと遊ぶ」というコンセプトを一つ決めました。
しかし、「ことばを大切にする」というビジョンと「ことばと遊ぶ」というイベント案の間に少し飛躍があるんじゃないかな、ということで、前提の共有に立ち返ることになったのです。


何のために『ことばの日』を作りたいのか、『ことばの日』を作った後、世の中の人々に対して、どこまでのアクションを求めるのか。
申請書を出して、『ことばの日』が策定されることをゴールと捉えている人もいれば、そのあとの『ことばの日』があることによっての意識変化や行動変化まで求めている人もいました。


一人の力ではなく、"みんなで取り組むことでもっと大きなことができるはず"と、"みんなで取り組む"ことを何より大切にしてきた発案者の立山さん。
そんな彼女には、好きなことわざがあります。

"早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け"
「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. 」


みんなの意見を大切にすべく、みんなの意見を取り入れながらこのプロジェクトを進めてきました。
しかし、大人数の組織を動かすためにはベースとなるアイディアが必要、と感じていた堀江さんと鈴木さんが、立山さんに伝え、彼女は口を開きます。



今回のミーティングは、立山さんの思いを聞くところから始まりました。

「しのちゃんはどうしたいのか?」という考えに、みんなで肉付けしていくのはどうだろう?って言われた時に、私は一番に「申し訳ないな、それでいいのかな」っていう気持ちがあって。
40人も集まってくれた気持ちを大事にしたいっていうのと、「みんなで進める、みんなで楽しむ」というのをとにかく大事にしていて。
今まで話してきたのに、「私はどうしたいか」っていうのを話したら、みんなの気持ちが「何で今まであんなに話したのに」ってなっちゃわないかなっていう不安があって。

と、自分の思いを語ってくれました。

これに対して、

「一人でいっぱい抱えてたんだね」
「これだけ大人数いるとブレが大きくなっちゃうから、まず主軸で考える人がいるべきだと思ってて、それがしのちゃんだと思っていて。
しのちゃんがこういう風に考えてるっていうのをまず共有してもらって、それにみんなからの意見を付け加えていく、そういう風に進めるのがいいと思う」

と、口々に、みんなが思いを口にし始めます。


『言葉の企画』でみんなが顔を合わせるのは、4回目。
月に一度しか顔を合わせないにも関わらず、少しずつ本音で言いたいことを言える関係性ができ始めていました

会わない間にも企画書を読んだり、noteを読んだり。
企画生のことを考える時間が少しずつ長くなるにつれて、みんなの間に信頼関係ができていたのです。

"企画書のいらない関係"になるのが理想だ、と講師の阿部さんは言います。

今回、立山さんは企画書を作らずに、勇気を出して自分の思いを伝えてくれました。

今後の進め方を決める時も、

「今しのちゃんが話してくれた意見をベースにして、どこまで浸透させたいのか、どういうコンセプトでやってくのか、とか一個一個何を決めていくか、型を決めてやっていくといいと思います」

そう話してくれたのは、松本さん。
前回も、今回も話し合いをリードしてくれて助かりました。



遠慮なく思いを伝え合える関係性になったからこそ、見直せること

こうして、今回また原点に立ち返り、『ことばの日』のビジョンから考え直すことになりました。

ホワイトボードに書いて整理しながら、一つずつ見直していく。
疑問点は質問したり、答えられる人が補足したりしていく中で、みんなの思いが少しずつ見えてきました。

『ことばの日』を作りたい、「ことばを大切にしてほしい」「この日をきっかけに人の心が動いて、行動したくなるような記念日にしたい!」という思いはみんな一緒
だけど、形にする時に、矢印の方向が揃わない、ということがわかってきました。


考える時、参考にしたのは『母の日』
母の日は、「母に感謝する日」という明確なビジョンがあり、『花を贈る』など具体的に取る行動もわかりやすいのです。


真っ先に「わかりやすいのがいい」と答えたのは、白鳥さん。

私たちは、阿部さんの講義の中で、
「伝わるということは、思い出せるということ」と教わりました。
だから、思い出せるということは、「わかりやすい」ものであるはずです。

講義で学んだことを、すぐに活かそうとする姿勢もさすがでした。


進捗よりも大切なもの、それは矢印の向かう先を合わせること


この日は議論が白熱し、何度もビジョンのコピーを練り直し、ビジョンを仮決定するところまで進めることができました。

前回、イベントコンセプトを作るところまで進んだのに、また前提の見直しに戻り、全体の進捗としてはあまり進んでいないように見えるかもしれません。

しかし、今回のことを通して、大人数でプロジェクトに取り組む際に一番大切なのは「みんなで前提を共有して、向かう矢印の先を同じ方向に合わせること」だと感じました。
今回確かに、皆同じ思いを持っているという確信があり、あとは「いかにしてしっくりくる言葉を見つけられるか」だけだな、という実感も持ちました。


そして、今回のnoteを公開するかどうかも、少し悩んでいました。
記念日を作るための進捗報告の記事ならば、今回は内容としてはあまり進んでいないし…と。

そんな時、岡本さんが「何か物事に取り組む時に、議論して行き詰まったり、ちょっと苦しい局面があったりする方が、ストーリーがあって惹かれることがある」と言ってくれたんです。


そこで、数回しか顔を合わせていない中でも本音で語り合えるような空気感や、「伝える」ことを一生懸命考え尽くしている企画生のみんなだからこその、配慮しながら言いたいことを言える関係性ができあがってきたこと、順調にうまく進むばかりではないながらも、確実に距離が近づいている実感を持てていることを伝えたくて、今回の記事を書くことに決めました。


悩みながら、もがきながら、それでも同じ方向を向いて一緒に記念日を作ろうとしてくれている仲間がいること、貴重だなあと思います。

今後、申請書を8月中に完成させるべく、また機会を設けて集まる予定です。

「10月5日に、記念日の登録証を持って全員で写真を撮りたいね」って、全員で約束したから。
これからの進捗に期待していてください。


8月31日(土)に「言葉の企画」の報告会が行われます!

「言葉を企画して何が変わった?『言葉の企画2019』特別報告会」が、8月31日(土)14時から、下北沢の本屋B&Bにて行われます。
今回の『ことばの日』のプロジェクトについても、立山さんからお話が伺えるはず…!
是非見にきてください!詳しくは、こちらから!

同じ日の17時からは、「企画でメシは食っていけそう?『企画でメシを食っていく2019』特別報告会」が行われます。こちらも併せてチェックしてみて下さい!


ライター 河地真里
編集 坪田拓郎
写真 清水美樹

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