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ニューヒーローを探すよりも。

「お茶のまち静岡県・菊川市」は春から茶摘みの最盛期を迎えます。霜は降りていないか、雨は大丈夫か。天候に左右されやすい収穫作業は神経をすり減らします。何より、春の一番茶は、1年の稼ぎを決めると言われるほど大切な存在。

そんなお茶のまちの市役所には「茶業振興課」があります。あまり聞いたことがない部署ですよね。それだけでなく、全国唯一、茶業科のある高校まであったようです。しかも、給食の時、子どもたちは牛乳ではなくお茶を飲んでいるらしい…

聞けば聞くほど、お茶づくしの街。

だけど、圧倒的特産品の陰で生まれるニューヒーローも見てみたい。好奇心がふつふつ湧いてきます。そんな思いで「菊川で見るところありますか?」と地元の人に聞いてみると、少し考えて、あんまりないよ、と答えます。

質問を変えて、「菊川で取材をしたい。面白い取り組みをしている人を紹介してほしいです」と尋ねると、何名かのみなさんを教えてもらえました。

そうして、取材当日。「荒れ果てた棚田を復活させた人」も「お寺をみんなが集まるコミュニティに変えた人」も、口々に「すごいことやってるわけじゃないよー」と笑って話していました。

むしろ、一緒に活動している学生たち、ボランティアで手伝ってくれる地域の人たちへの感謝の言葉が端々に出てきます。

そうか、この街の人は自然体で生きているのかもしれない。
お茶でちょっと一服したり、上手にオフをつくりながら。
ゆっくりだけど、自分の信じた道を歩いているから仲間も集まる。

ニューヒーローを探すよりも、この街の「いっぷくする自然体の生きかた」を見つめていきたい。僕らが学びたい姿はそこにあるから。

特集・菊川市始まります。
(7月から連載開始です。しばらくお待ちください)

ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。