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感情を眺めてみる

illy / 入谷 聡さん主催の個人企画#磨け感情解像度 の結果発表から、しばらく経つ。

なんだか嵐のような六月、七月だったな。自分が参加したから、というのもある。でも、それよりも投稿作品に、まとめの文章に心揺さぶられ続けた。受賞noteの中に、夢中でスクロールした作品(推しnoteっていうのかな)があって嬉しかった。

noteという街

こんなにも情景が浮かんで、こんなにも中の世界が伝わってくる文章があるんだ。それを生み出す人たちがnoteの街にはいるんだ。「これはすごいところに入り込んでしまったぞ」と、つぶやきたくなる。山の頂きまでの距離の長さに、こっそり後ろをむいて駆け出したくなる。でも、それと同時に、このワンダーランドをもっともっと楽しみたい気持ちが湧いてくる。

私のいちばんの推しnoteは、椎名トキ/都基トキヲさんの僕にとっての魔法使いがチャラ男だった件 #磨け感情解像度

何度も読んでも

「そうなんだ。じゃあ彼女の為にカッコよくなって帰りましょーか!」

のセリフのところで、ぐっと心を掴まれる。目の中の水分量が2割増になる。隣に座っていたら、身体を乗り出して握手したいぐらいだ。イヤ、それはさすがに怪しい人か。。。

◆◇

何度も推敲して書かれたnoterさん、求められていることを深く深く分析されたnoterさん。振り返りの投稿から、文章にかける想いの波が何重にも重なってうち寄せてきた。

運営チームの方々が全作品を読まれ、まとめとTwitterでのフィードバックをするのに、どれだけの時間が費やされただろうと想像すると・・・。ごめんなさい、想像できません。この企画にかけるみなさんの熱量がさらに波になって押し寄せる。

そして、入賞した方の喜びTweetに混じって、お祝いTweetもそこかしこで波打っていた。眠りにつくはずだった目がパッチリと覚めた。

◇◆

企画のことは知っていたけど、ドアの隙間からこっそり覗いているつもりだった。でも、むらさき色の引力に引き寄せられて参加してみたら、自分の現在地と世界の広さを知った。文章を書くということに、こんなにも真剣に向き合っている人たちがいるんだって知った。前々から惹かれていたnoteという街の温かさが、やっぱり本物だったということを知った。

「こんなふうに書いてみたい!」って思う文章たちに出会える場所。時間を忘れて読んでいたくなる場所。それでいて、「完璧じゃなくていいから、まずは書いてみようよ」って誘ってくれる場所。だからこそ、この場所でもっと書いていたい。

何度も何度も挑戦して、やっと賞がもらえたって教えてくれたnoterさんに勇気をもらった。諦めないでね、逃げ出さないでね、また書けばいいよ、チャレンジすればいいよって応援のエールを受け取った。(もう一度読みたくて、このnoterさんのnoteかtwitterを探したけど、見つからなかった・・・。もし、どなたの言葉かご存じの方がいたら、教えてほしいです)

私的イチオシ ~推しnote紹介~

◎はつかさん あの時、返せなかった手紙。(#磨け感情解像度)

仲間だと思っていた彼が学校をやめると知った時の憤りが、高校生の「私」目線で伝わってくる。

自分がいるべき場所を、自分で選択できた彼の強さ。そのことをきちんと受け止めて、子供のために道を開いてくれる、両親の理解。
 どれも、あの時の私が欲しくて欲しくて仕方がないものだった。

その感情を昇華して、お互いの選択を

どちらも違う勇気が必要で、どちらも価値のあるものだった

と、話すはつかさんにも、聡明さを感じた。

◎ハシマトシヒロさん ダメな時は遠慮なくすがり倒せ。

トップの画像に惹かれて読んでみたら、ハシマさんのお腹の底からの叫びに圧倒されそうだった。繰り出されるY先生へのメッセージが、関西弁だから余計に刺さる。

泣き言でも愚痴でもなんでも聞いたるよ。
あんためちゃめちゃ気ぃ使いやから、どうせ誰にも吐き出さへんかったんやろ。
俺に吐き出せば良かったんよ。

最後の

生きとけよ。

に、「寂しさ」と「やるせなさ」と「希望」を感じた。

瓶に詰めた手紙から伝書鳩へ

ここで書き始めた当初は、自分の中から生まれるnoteという名の【手紙】を瓶に入れて蓋をして、広い海にえいっと投げ込んでいただけだった。プカプカと漂って流れていくのを見守るだけだった。Twitterとも連動させてなくて、波のゆらぎに任せて、どこかの浜辺にたどり着くことを待っていた。

その頃から瓶の中身を受け取ってくれた人もいる。読んでくれた人、スキしてくれた人、コメントしてくれた人、わたしのコメントに返事してくれた人、メッセージしてくれた人。いつも応援してもらってる。勇気をもらっている。出会えた方には、感謝しかない。

◆◇

そんな私もここのところ、お題や企画に参加するようになってきた。Twitterとの連携もした。すると、スキやフィードバック、読まれる頻度が格段に違ってきた。特に今回の企画のnoteともこさんの分岐点企画に投稿したnoteは別格だ。新しい繋がりも増えた。参加することの影響力をあらためて実感する。

それと同時に、自分の中の承認欲求の存在に気づかされた。欠けていると思っていた自己肯定感が実はあったことにも。やっぱり読まれたいし、スキしてもらったら嬉しいし、コメントをもらったら飛びあがって喜ぶ。

こうして言葉を内から出すことは、自分自身を俯瞰して見るトレーニング。きっかけは外からやってきたとしても、感じる心は内にある。

心に伝わる表現力

感じたことを、ただ「嬉しい」「腹立たしい」「悲しい」「楽しい」と表現するだけでは、正確に伝えたことにはならない。グラデーションや幅のある色や形をした感覚や感情たちが、そこには存在する。

温度計が壊れるかと思うほどの熱が襲ったり、ホッキョクグマですら凍えるぐらいの冷気を放つこともある。穏やかな凪の時間を心静かに過ごすことだって。

最近は、短いフレーズのnoteを投稿することが多かった。「写真と言葉で空気感を伝えられるか」という実験。長編作品は想いがたまって流れ出るほどになった時。やらなきゃいけないことの優先順位をふっ飛ばしてパソコンに向かう。

溢れる言葉を指先から出していく作業は、一種のメディテーションのようだ。書き終わるころには、自分の中に真っ白な空間が生まれている。

その空間にも、いつの間にか別の想いが入ってくる。また綴る。その繰り返し。もっともっと感情解像度を磨いていきたい。頭じゃなくて心に刺さる文章を生み出してみたい。

◇◆

主催者のillyさん、運営チームのみなさん、ありがとうございました。受賞されたみなさん、おめでとうございます。参加者のみなさん、またどこかでご一緒できたら嬉しいです。

ちなみに、私の投稿作品はこちら。英語と日本語を両方いれても面白かったかな。また日英の詩で遊んでみよう。

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