スパダリ成りたい願望と現実的なスペックの話

 スパダリ、スーパーダーリンと呼ばれる完璧彼氏を指す単語である。
 スパダリという人種への憧れがあり、もし今度彼女ができたらスパダリにでもなりたいなと思いつつ絶対無理なんだろうなと諦めている。
 顔のスペックは死んでいるから素直に死なせておくとして、治せそうなメンヘラ部分はどうしても治らない。メンヘラというのは知っているか分からないが不治の病で遺伝的に「キサマはメンヘラであるからして!」と神様に決められているのである。まぁつまりメンヘラは遺伝するという話、私は母から、母は祖父からかなと思っている。
 それはさておき、私は自分がメンヘラで後悔したことがいくつもある。
 待ち合わせ(待ち合わせといいつつ私の家の近所にある駅まで彼女に来てもらっていた、ちなみに彼女の家から私の最寄り駅まで二時間かかる)に五時間遅れた彼女を「なんで遅れたの?」と咎めたことは数しれず、そんなこと言うなら行けよ彼女の最寄り駅までという話なのだが、ガキだった私は彼女の優しさに甘えていた。ただ、余裕がなかった。予定を変えて別の遊び方もできた、なんなら彼女が望むならその週は会わず別の日にというのも可能だったが私はそれができなかった。彼女に喧嘩して突き放された時はLINEブロックしていたし、とても二十歳過ぎた奴がやる恋じゃなかった。ギリギリまで言いたいことを我慢して爆発する良くないタイプだ。空気を抜かないと破裂するのは目に見えている、ちょくちょく嫌なところは直してもらうか、対処法を考えるか、自分が変わるかしないといけない。基本的にはこの三択だが、どれも選ばずに我慢をし続けていた。こうして欲しいああして欲しいと言えなかった。
 さて、そういえば私は気のまわし方も正直知らない。全部自分で背負い込むことは相手に罪悪感を与えるし適度な距離、必要な時に必要な助け方をしないといけない。さり気なさと罪悪感を感じさせないようにする気遣い、これは幼少期から出来るやつはきっとモテるが私は人に愛想を振りまきながら輪を乱していた生物であったからんな事できるはずがない。いちからこれは学ぶしかなさそうだが、できるようになれば一生使えるものだ。

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