嘘に騙されない方法

 皆、嘘に騙されない方法を知りたがっている。アイシングキュー(目の動きで相手の思考を判断するという取り組み)や不信用など様々な方法があるが嘘のことをよく勉強すればわかる。無理だ。あるとすれば脳波計測という方法くらいだろうか、脳波を読み取って嘘をついた時に記憶を司る部分でなく想像を司る部分が強く働いていたら嘘をついている可能性が高いとされる。しかし、人間には脳波スキャナーなんてものは搭載されていないから実際それを見抜くことは難しい。人間には制御できる部位と制御出来ない部位があるため制御出来ない部位(例えば瞳孔など)から嘘を見抜くことは出来なくはないとされるが詐欺師は人間を辞めているからマルチタスクで別のことを考えて瞳孔をコントロールするに違いない。
 詐欺に引っかかるのは何かを信用しているからであり、人間にはそもそもハナから疑ってかからないという真実バイアスというものがある。疑うにはそれに足る理由が必要で詐欺師がヘマをして疑われるような言動をしなければ私の疑いスイッチが入らないのだ。
 【詐欺師入門】という最近新版が出た本に拠れば知能の高い人ほど騙しやすいとされ、頭が良いからこそ取引に利益が絡むことが想像できるのだ。詐欺師入門で紹介される詐欺の実例では取引が犯罪チックな内容で、例えば不正に株を操作して利益を得るのをカモになった人物に手伝わせるという筋書きで騙し取る。不正な方法だからこそ儲けられるとカモは考えるのだ。
 下手な老け方をして「自分は絶対騙されないし顔と声で嘘つきが分かる」と豪語する可哀想な老人もいるが顔で嘘つきが分かるなら詐欺は成立しないし、まず相手がプロで自分がアマチュアのアウェーな状況にいるのに気づいていないのは愚かしい。私だって嘘を研究しているとはいえ所詮アマチュア、実践を積んだプロに騙されないわけがないと思っている。
 知らぬ人からの電話、メールなど明らかに疑いスイッチの入る状況から人を信用させるのがプロだ。老人ばかり狙われると聞くが実際はそうでもない。オレオレ詐欺のような簡易的な詐欺に老人が多いだけで他の詐欺なら若い人が狙われることも多い。

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