長期の嘘、短期の嘘

 嘘をつき続けることに関しての話、長期間、いやなんなら墓場まで持ってくような嘘があることに関して私は良いと思う。内容にもよるがバレたら人に迷惑がかかる嘘なんかや真実を知らぬ方がいいことだって沢山あるだろう。
 例えばドラマ「知らなくていいコト」では父親が殺人罪の実刑判決を受けた人物だということを暴いた主人公が大変な目にあう、主人公の母親は「あなたの父はハリウッド俳優よ」というような嘘をつくのだが流石にそれはないと思った主人公は自身のルーツを調べだす。そして殺人犯が父親だったかもしれないということを知り、それが周りにバレて周囲の目が変わりどん底に落ちていくというのがメインストーリーだ。この主人公は嘘を暴いてしまったがために大変な目に遭っていて、物語自体はフィクションであるものの嘘を嘘のままにしておかなかった場合こういったことになりかねないという良い例だろう。
 愛なんかだってそうだ。母親や恋人に愛されていると思いながら看取るのと愛されていなかったと知ってしまって看取るのとでは大分と変わってくるだろう。愛しているという嘘を嘘だと暴いた時の悲しみというのは計り知れないものがある。私も愛していると言われてお付き合いをしていたのにある日「好きじゃなかったしこれから好きになることもない」という本音を聞いた時はその言葉が刺さって抜けなかった。刺さった所から傷が広がっていった。悲しみはずっと続いたし何もかもどうでも良くなった。新しい恋をすればいいものを私は実らぬ恋が恋しくてどうにも捨てられなかった。きっと知らなくて良いことでこういった嘘は暴くべきでないと心から思った。というのが少し前の話。
 かなり話が脱線してしまい申し訳ない、長期の嘘の話に戻ろう。
 長期の嘘というのは計画的につかねばバレやすいもので時間が経てば真実か嘘か分からなくなるようなそんな嘘でなくてはならない。嘘をつく前に時間が経てばバレる要素とバレない要素を考えて、嘘をつく前にディティールを練っておく、そしてようやく口に出して嘘をついて良いのである。短期の嘘ならその場限りで言ってあとからバラせばいいが長期間つき続ける嘘はライブ感からは生まれにくい。事前にどんな嘘をつくか考えてから嘘をつくと嘘は長期間つける。ついでに言うとある程度は嘘を重ねつつ何重構造かの嘘にしてしまうといいかもしれない


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