ノリと勢いとソーススパゲティではやってけない世界

 TikTokerになろうかなというぼんやりとした野望とふんわりとした動画内容を頭の中に持っている。
 私は22歳で三月に同級生たちは就職をしてしまった。そして私はニートのまま、危機感を覚えないはずがない。このままニートとして腰が曲がるまで生きていくのは孤独死ルートであるし、このまま何もせぬまま同人誌を一年一冊のペースで作ったとしても死後に燃えて誰の心にも残らず塵になるだろう。人の世は常ならざるものできっと何もかも時間が経てば全て変わってしまうものなのだろうけれど変わっていくものの中で私はもう千年でいいから生き続けたい。千年後の知らない誰かの生を根底から覆すような事は言えないけれど天才が1年でやる仕事を10年でやって天才に並んでやろうと思う。
 さてはて、TikTokerになりたいのはやれることの幅が明らかに広がるからだ。私の所属するのは在野の研究者集団、嘘学研究所だが、正直人が足りていない。人手がほしいし雇う金もほしい。友人達の手を借りるのには限りがあるが人が多くなれば上限解放がなされるだろう。
 しかしながら、TikTokの現状は甘くないらしい。流行りが1〜2週間で変わるからそれに着いていく根性とそれを続ける自分のコンテンツへの愛が必要であるし、「好きな曲があるからこの曲で動画出そう」とかそういうことをしていてもバズらないことが多いが流行りの曲なら大体バズるという。ノリと勢いではなくリサーチと観察眼で食っていく世界なのだ。関係ないがソーススパゲティ美味しい。
 話は変わるが私は元々YouTubeしか見ない人間だった。なんならTikTokで活動を始めようとしている今でさえYouTubeしか見ていない。まるで違う戦場なのを先日友人から聞かされ愕然とした。TikTokは流れてくる動画の中で面白いものを見つける受動的コンテンツでYouTubeは自分である程度面白そうな動画を見つける能動的コンテンツなのである。TikTokは最初の5秒でどうやら見るか見ないかを決める人が多いという話を聞く、YouTubeは「この動画のこうこうこういう点を見たい」という気持ちで自分でクリックして見るのだ。TikTokは自分でやらずにAIが自分が見る動画を用意してくれるというのだから投稿が伸びるかどうかはAIさん次第、つまりAIさんとのシバきあいなのである。

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