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松下洸平ライブツアー2022POINT TO POINT記録①初日・横須賀:涙を観客とともに乗り越えて

〇はじめに


★ネタバレ注意です!
セットリストもMCも書いてありますので、ネタバレOKな人だけお読みください。
今回は洸平さんが体調不良で声が出なくなるというアクシデントが起きたため、その様子を多くの人に(ネタバレが嫌な人にも)正確に知らせたいと考え、ライブの翌朝にアップしたときには文中では曲名は伏せました。が、2回目の名古屋公演が無事終了したので、曲名を入れました。
★ライブ翌日に洸平さんとバンドメンバーが次々とSNS投稿をされたので、それらを追加で掲載しています。

松下洸平さんのライブツアー「KOUHEI MATSUSHITA LIVE TOUR 2022〜 POINT TO POINT〜」が2022年11月30日、開幕しました。
初アルバムを1週間前にリリースし、アルバム名をタイトルにしたツアー。アーティスト洸平さんの悲願だったに違いありません。
ステージ構成は前回までよりも遥かに豪華で、バンドメンバーも増えました。
これまでのように、ライブの様子をお伝えします。今回のツアーは全国各地で11公演あり、私はすべてに参加するわけではないのですが、参加した公演については記録します。ライブは生ですし、生であるかぎり、いろいろなことが毎回起こるからです。
事実、今回の初日は、洸平さんの声が出なくなってかすれるというアクシデントに見舞われました。洸平さんは泣きながら観客に謝り、観客は声援を送ったり代わりに歌声を届けたりして励まし、バンドメンバーたちも洸平さんを支えました。
書いている途中に何度も涙ぐみました。そのくらいいろいろな意味で感慨深い、特別な1日でした。

※今回はメモ帳とペンをポケットにしのばせる、という記者時代のスタイルで臨みました。セットリストを正確にメモするためのものだったけど、結果的にこのような日になったのでかなりこまめにメモを取りました。

1,ライブレポート


ソウルフルなBGMが流れて会場は既にゆったりチルな雰囲気。
開始予定の18時30分より5分遅れて18時35分スタート。既に会場はペンライトの黄色に染まっていた。
音楽が鳴り始める。ステージの背景が大きなスクリーンになっていて、そこに映像が映し出された。今年1月から始まったライブツアーCANVASでも最初と最後にプロジェクションマッピングがあったので、今年もだ!と軽く興奮して見守る。POINT TO POINT(以下、 PⅡP)のイメージ写真のように、振り子の球が映し出されて揺れる。時計が現れ針が回る。カウントを取っている。地球、そして宇宙が映し出され、広がりを感じ、ツアータイトルが出た。観客はクラップを始めた。
バンドメンバーが入ってきて、スクリーンにはメンバーの名前が次々と映し出された。最後に洸平さんの名前が出て洸平さんも登場。会場は大きな拍手。サックスが鳴り始め、「リズム」で始まった。
アルバム「POINT TO POINT」のなかでも一番ポップでファンキーな曲。英語が多い歌詞を軽やかに歌い上げると、次は「Color of love」。タイトルはスクリーンに映し出されるスタイル。
イラストと、洸平さんの写真も大きく映ったので大興奮。目の前で歌っている生の洸平さんと映像の洸平さん! ペンライトを振るように洸平さんが会場に合図をして、観客は一斉に振った。

歌い終わり、MC。
「こんばんは。松下洸平です!いよいよスタートしましたPOINT TO POINT。みなさん最後まで楽しんでいってくださいね」などと挨拶。「この会場は5階まであるんだよね。僕行ってみたんだけど、かなり高いよね。大丈夫? 気を付けてね」など話しながらステージ上を座席近くまで歩くと、「きゃー」という声が観客からあがった。
会場の横須賀芸術劇場はオペラハウスなので2階席以上がU字型になっている。上手と下手が向き合うように配置されているので、「お向かい同志で手を振ってみて。5階~」などと、洸平さんは観客に話しかけた。5階、4階と洸平さんの声に合わせて観客は順にペンラを振る。
「横須賀の人、ヘンズアップ!」と問うも、パラパラとしか手は上がらず。「え、みんなどこから来てるの?」と前方の人に問い、答えを聞いて「埼玉!」と驚く洸平さん。すると、他の人が場所を大きな声で言ったよう(私は2階席だったのでこのあたりのやり取りはよくわからず)。なんとアメリカから来たと言われた人がおられたようで、洸平さんはすごく驚き喜んでいた。

「PⅡPは特別な思いがあって、以前作った曲も入れました」と「エンドレス」の思い出。「5年前に小さなスタジオで作り、いつか誰かに届くといいなと思っていたのが、やっと届けられた。1人で作ったものがみんなのものになっていく幸せは特別です」等々。「今日はアルバムバージョンで聴いていただきます」と。
昨年まではエンドレスはピアノがメインだったけど、今回からバンドに加わったKenTさんのサックスがイントロを泣くように響かせた。ラップ部分を生で初めて聴いた。ラップなのでもちろんアルバムとも違う声の調子。しっとりした大人の雰囲気でかっこよかった。

そのしっとりの雰囲気の流れで「つよがり」を歌い上げた。
ここまでの4曲。洸平さんの声がたびたびかすれて、あれ?どうした?大丈夫?と思いながら聴いていた。高音が出ないとかいう次元ではなく、歌声そのものがかすれている。「エンドレス」や「つよがり」などバラードでは誤魔化しが効かない。
観客は皆、心配していたと思う。
すると洸平さんからMC。

「みんな気付いたよね? 黙っているわけにはいかないから…神様はすごく意地悪です…」と話し始めた。
「一昨日の夕方まで大丈夫で、CATVでも歌えた」と言いながら、洸平さんは泣き出してしまった。その場でぐるぐる回り、うつむいてしまった。腕を顔に当てて何度も涙をぬぐう(このあたりは私自身があまりにも動揺してあまり覚えていない)。
一昨日の夜、突然声が出なくなった。昨日今日と頑張って治そうとして。コロナではない、検査を2回して大丈夫だった。今日のリハは順調に声が出たんだけど。僕は何年間どんなに忙しくても風邪をひかなかった。いつも神頼みしているのに、神様が意地悪だったら何を信じたらいいんだろう…。でも、この日のためにすごく頑張ってくれたスタッフやバンメンのことを信じたい。(観客に向かって)みんなのことを信じたい……そう言ってまた泣いた。
何度も何度も涙をぬぐい、「ごめんね、ごめんね」と。
観客から、「頑張ってー」「大丈夫―」など声援が飛んだ。数人が声を合わせて「笑って笑って!」と言い、それを聞いた洸平さんはやっと笑った。
だけどまた泣くので、カンちゃんが「謝らなくていいよー」と声援を送っていた。

洸平さんは気を取り直したように話を続ける。
「このアルバムを作っているなかでとても大切な1曲があります。写真集とも連動して、物語をつむぐような曲です。『体温』」
スクリーンに海の映像。声はかすれながらだが必死に歌う。間奏で観客から拍手が起こった。
曲の終盤ではスクリーンが都会の写真に変わった。ここでも写真集と連動している。
洸平さんの声はさらにかすれ、私は祈るような思いで聴いていた。洸平さんは声が出ない悔しさからか泣いてしまい、最後の方は歌えなくなった。ラストの「体温だけ~」の部分は、観客が歌った。会場には約2000人いたが、その多くがこの曲を知っているファンだったのだろう。観客の小さな声も、2000人分集まると、それは合唱となってステージの洸平さんにちゃんと届いた。感無量といった感じでさらに泣く洸平さん。

歌い終わると暗転。
カンちゃんと2人のアコースティックタイム。2人くっついて座っている。
「オンギター、カンノケンタロウ!」と紹介。洸平さんのファンはみんなカンちゃんが大好き。会場から大きな拍手と声援。それを聴いた洸平さんが、え?といった表情で、「いつのまにこんな人気者に? ちょっと妬いちゃう」と可愛く言い、「こんなパーマのおじさんがいいの?」とさらに会場の笑いを誘った。
「アコースティックはやさしくゆるゆるやっていいですか? 飴ちゃん舐めながら」と話すと会場から大きな拍手。その拍手を聴き、「僕は、優しそうですね、とよく言われるんです。言われるたびに思う。僕が優しいのは、あなたが優しいからですよ」と。
「去年ミニアルバムをリリースして、松尾潔さんと一緒に曲を作りました。歌えば歌うほど身に染みる。松尾さんに、50歳になっても60歳になっても歌ってね、と言われたけれど、1年しか経っていないのにもう実感しています。一夜限りの蚊の鳴くようなバージョンでお送りします。声は出ないけど、気持ちはいつもの200倍入ってるから」
そう言って、「あなた」をカンちゃんのギターで歌った。
高音部分はファルセットで歌い切った。歌声はかすれた部分もあったけれど、それもかえって色っぽいアレンジに仕上がっていた。カンちゃんのギターが寄り添うように優しかった。
2人の椅子が前回のライブよりも近いのは、コロナ禍が収まってきていることを受けてだろうけど、今日はカンちゃんは洸平さんのそばにいたかったと思う。いつものことだけれど、ギターを弾きながら何度も何度も洸平さんの顔を見ていた。

歌い終わると、「めっちゃ声出てるやん。蚊じゃないよ。うるさいくらいだよ」とカンちゃんは洸平さんに笑いかける。「うそ、ごめん。うるさかった?」と洸平さんも笑って応じた。
この2人の間に流れる温かいものに、会場中が涙したに違いない(思い出すだけで私も涙)。

「普段こんな小さな声で歌わないんだけど、個室だと思っていただいて。お風呂場で歌っている、私はお風呂に入っていて、ドアの向こうで(洸平さんが)歌っているみたいな…中には入らないよ⁈」と。カンちゃんもちゃかしたので会場がどっと笑う。
「お風呂がダメか。トイレ?…もダメか。個室って感じなの。別室?僕がそこで歌っていると思って聴いてくれる? 個室にぴったりな曲」
要は、広いライブ会場で歌っているのではなく、小さな空間で、洸平さんが隣でそっと歌っている、というような雰囲気で聴いてね、というような意味を言いたかったみたい。
個室でしっとりソングは「One」だった。
きれいに声が出るようになってきた!

バンドメンバーが戻ってくる。
「昨日がゲネプロで、今日またここに来る途中、車で走っていると突然海が見えるのね。この劇場すごく好き。また来たいです」
「Way You Areのカップリングで、I love you so much という好き好き好きの曲を書きたくて。チルかと思ったら、米フェスで歌ったら意外にノリノリだった」と言い、「Only you」。
「ヘンズアップ!」と洸平さん。ペンラが一斉に振られ、会場は一体感。

その流れのまま「ハロー」。
この曲はレーザービームがすごかった。ギターもうなる。Nulbarichのフェス(私は配信で観ただけだけど)を思い出したので、カンちゃんがこういうのが好きなのかな、と感じた。
スクリーンの映像もかっこよく、洸平さんも踊った。

ノリノリのまま「Way You Are」。
「ヘンズアップ!」
洸平さんは歌いながらステージの左右の端ギリギリまで走って行く。観客からきゃーッという歓声が起こった。
この曲もレーザービームが激しく、曲の最後にはキラキラした紙吹雪がどーんと舞った。紙吹雪は1階真ん中あたりまで飛んでいた。

続いて「KISS」。
スクリーンにはTwotwotwoさんのイラストとリリックが映し出された。KISSネコとロボ彼くんも登場した!

「みなさん、まだまだ踊れますか。アーユーレディー? ヘーンズアーップ!」
サックスのイントロが流れる。レーザービームは真っ赤。
「FLY&FLOW」が始まった。
洸平さんは歌いながらずっと踊っていた。ビームは途中で青色に変わり、また赤に。情熱的な印象。

歌い終わり、MC。
「あっつい! みなさん大丈夫ですか?」。いつもファンへの気遣いを忘れない洸平さん。あれだけ踊って会場を走り回って、自分自身の体がきついだろうに…

「みんなにちゃんと恩返ししないと。どうやって恩返しできるか考えるから。ついてきてください」と。
そして、新しいバンドメンバーのサックスのKenTさんを紹介し、
「みんなを乗せて12月27日まで、PⅡPという旅を大きな船で続けてまいります。横須賀港?ってあるの?を出港して、次は名古屋に行きます。そこには、みんなもいます。降りないで~」と言い、「旅路」を歌う。
スライドには、洸平さんとバンドメンバーのリハ風景の写真。マスク姿の洸平さんが大きく映し出された。
何曲か歌えていた声がまた途中で出なくなり、観客が代わりに歌った。スクリーンにちょうどリリックが映し出されていたので、しっかりと皆で合唱することができた。さながらそれは、傷ついた大スターを励ます祈りの歌のようだった。感動した。泣くようなサックスでさらに盛り上がる。
スクリーンには笑顔の洸平さんの写真。そして、一番最後に横須賀劇場の写真が映った(名古屋公演ではこの部分に名古屋の会場が映ったので、各会場に合わせて変えているよう。素晴らしい!)。
深々とお辞儀をし、洸平さんたちは退場した。

アンコールの拍手。
体調不良でアンコールを求めるのも、という声もあるかもしれないが、洸平さんのライブはアンコール込みで構成されているとファンは知っているので、私たちは拍手を続けた。

しばらくして暗いステージ下手にグランドピアノが運びこまれ、洸平さんが座った。
「アンコールをいただいてありがとうございます」
「コロナのときに作った曲です。会いたい人に会えるようになってきたけど…やっぱり声を聴きたい。みんなの声に助けられました。それを今日、感じました。この曲も長く歌い続けていきたいです」
「みんなが見てる空」を、ピアノの弾き語りで。

洸平さんは歌い終わるとステージの中央に戻り、バンドメンバー紹介。
メンバーが1人ずつ下手から入ってきて洸平さんが紹介した。
キーボードの平野晋介さん。サックスのKenTさん。ベースの永井隆康さん。「イケメン!」と洸平さんが声かけ。
ドラムスの海老原諒さんを紹介するとき、ベースと言ってしまい、エビちゃんから物言いがあり、ごめんごめんと洸平さんが謝ってエビちゃんが再度入場からやり直すというちょい太な一幕も。
マニピュレーターの足立賢明さん。「オトコマエ!趣味はサーフィンなんだよ」と。
最後に「我らがバンドマスター、ギター、カンノケンタロウ!」と言うと、会場からはっきりと歓声が上がり、「こんなくるくるパーマがいいの⁈」と洸平さんはまた言って笑っていた。

「もうちょっとやります。『アトムの童』を今やっているんだけど、じゃあなって、どーすんの? あと2回なのに。戻ってきて~だよね! ゲーム作りと音楽作りって似ているなと思って。ゲームワードをいくつか入れました。コンプリートとかゲージとか」
「BET」をソウルフルに歌い、クラブにいるような雰囲気に。

歌い終わると、「必ずまた逢いましょう」と。
そして、「こんなときにアレですけど…グッズの方がね…」と。会場が爆笑。「言わないとダメで。タオルとかあります。今回は今治先生ではないんですけどね、ほら可愛い色!このタオルの端がね、KMと刺繍してあるんですよ。帰りにのぞいてみてくださいね」とグッズを紹介するのだが、疲労も相当だったのだろう、どんなグッズがあるかということをちゃんとは言えず(動画を作ったのにね…)、前方の観客がTシャツを見せたりして助けると「そうそう。Tシャツは今回2色展開なんですよ」などと話していた。

「PⅡPを作るうえで、僕のルーツはR&Bやソウルだから、ルーツを大切にしようと思って。『天使にラブソングを』の『Oh Happy Day』 が大好きで元気をもらって。今日はみなさんに元気をもらいましたけど、明日ハッピーになれるように。ずっとは無理でも、あさってしあさってはわからないけど。今年はもうすぐ終わるけど、笑って終われるように。そんな歌を作りました」
「MUSIC WONDER」
観客はペンラを振りながらクラップしていた。(私はわりと覚えて踊れるようになっていたのでペンラを持ったまま手の振り付けをして踊ったけど、どのくらいの人があの振りで踊っていたんだろう?)ペンラを振っているだけで十分に会場は盛り上がっていた。

歌い終わると、洸平さんとバンドメンバーが一列に並んでお辞儀をした。これも恒例。洸平さんらしい。
洸平さんは最後まで残り、ステージを端から端まで走って、5階席までまんべんなく視線を向けて手を振り、下手にはけるときには投げキッス! 会場から歓声が上がった。
20時35分終了。ちょうど2時間の熱いステージだった。

2,感想

観客は、声を出すしかなかった。コロナ禍がまだ続いているなか、ライブでの声出しは是か否か、そういうことを頭から一旦追い出すしかなかった。洸平さんのあの姿を見てしまったなら。

喉の異変は二日前の夜だったそう。その日の夜、CATVの生放送があり、そこで「MUSIC WONDER」と、wacciのみなさんとコラボで「恋だろ」を歌う予定があったので、その番組の直前にファンクラブ「K’s Room」の中のラジオコンテンツ「Livingroom」がアップされ、橋口洋平さんがゲスト参加した。
そのラジオのなかで、今回のライブは少しだけ声出しが解禁されるのだ、ということを洸平さんとマネジャーの原さんが話していた。ライブでの声出し解禁は、他のアーティストでも言われていたことなので、そこまで緩和されたのだな、と思って聴いていたのだが、私自身はコロナ感染対策にはかなり慎重なので、まだ声は出せないな、と思っていた。
洸平さんはこのときはまだ声は普通に出ていたし、CATVでも美しい声で歌っていた。声が出なくなったのはCATVの後だそう。ラジオで声出し解禁を話していたのは、今となっては予感のようなものがあったのか…

超多忙であることはファンならみんな知っていた。心配もしていた。米フェスのときも声が少しかすれていた。
これまでだって過酷な状況を乗り越えてきたのだろうけれど、今年はこれまで以上にすごいことになっていた。日曜劇場「アトムの童」にも現在出演中であるし、洸平さんの知名度はどんどん上がった。
写真集「体温」の発売と連動した楽曲「体温」、雑誌ananとのトリプル企画もあった。
来年1月からのスケジュールはどうなっているの?と思うくらい、何もかもを年内に詰め込んでいた。
いつ倒れてもおかしくないような状況のなかで、俳優業と歌作り、レコーディングをこなしていたのだ。
初アルバムの発売は洸平さんにとってどれほど嬉しかったことだろう。アルバムをタイトルにしたライブツアーを行うのはアーティストならば誰もが夢見ることだろう。
その初日にまさかの体調不良で声が出ないとは。どれほど悔しかったことだろう。舞台が毎日続いて声を枯らす俳優がいるなかで、洸平さんは最後まで声を枯らさずに大千穐楽を迎えたりしていた。コロナ前からよくマスクをしていたし、加湿器も使っているし、喉のケアには人一倍気を付けていたはずだ。
私はライブ開始早々に声に異変を感じて祈るような気持ちで聴いていたけれど、洸平さんが観客に謝ってこんなに泣くとは思いもよらなかった。悔しくて、自分がふがいなくて、泣くしかなかったのだろう。
でも、洸平さんらしいと思った。
素直に事情を説明して、できるだけのことを精一杯やる。
歌い方も工夫していた。声が枯れているから、敢えてファルセットを多用して裏声で歌ったり、かすれた声もかえって色っぽかったし、「MUSIC WONDER」はフェイクもきれいに響いていた。
コンディションが悪いなかで力の限りのパフォーマンスを見せてくれた。

歌っている途中に声が出なくてまったく歌えないフレーズもあり、心が折れそうになったりもしただろう。
そんなときは、観客が助けた。マスクの下から声を出した。声援を送り、代わりに歌った。私たちの声はステージ上の洸平さんにしっかり届いていたに違いない。
洸平さんは感謝の気持ちを私たちに伝えてくれたけど、本当にファンと心を通い合わせることができたと思ってくれたのではないかと思う。アクシデントを観客とともに乗り越えたのだ。

思えば、洸平さんが大きな会場でライブをやるようになった3年前からコロナ禍が始まり、2020年のライブHEARTは中止。2021年のHEART TO HEARTは観客が50%で声出しも禁止。2022年1月から始まったCANVAS も収容は100%になったが声出しは禁止だった。
今回、初めて声出しが少しOKとなり、賛否はあっただろうが、今日ばかりは観客の声出しが必要だった。ほんの少しでも私たちの「声」で洸平さんを助けることができたのならば、それ以上のことはない。私も歌わずにはいられなかった。声を届けないわけにはいかなかった。

演技以外でこれだけ泣いた姿を初めて見た。2021年に再メジャーデビュー報告をするときは、必死にこらえて、こらえきれずにこぼれた涙だった。今回はこらえることもできず、何度も涙をぬぐっていた。
早く元気になってほしい。ライブは続くのでゆっくり休む暇はないのだけど、仕事をキャンセルしてでも、少し休んでほしい。
名古屋ではどのような姿を見せてくれるだろう。
こんなコンディションで2時間歌い切ったことを、洸平さんが今後の自信にしてくれたらいいなあと願う。
神様を信じられなくなっても、スタッフやバンドメンバーを信じ、そしてファンを信じて、これからも洸平さんが歌っていけますように。

松下洸平 on Instagram: "明日からLIVEツアー POINT TO POINT スタート!全国9ヵ所11公演を駆け巡ります! なんかね、前日にして、このツアーに携わる全ての人に感謝しても仕切れない。 これは、松下洸平LIVE TOURじゃなくて、チーム松下洸平LIVE TOURなのだ! 僕だけじゃない、みーんなで作る最高のLIVE。 バンドメンバー、クリエイター、スタッフさん、皆んなが優しくて優しくて、僕はこの人たちのためにも絶対に成功させないといけないと改めて強く心に誓う夜。 必ず最高の時間をお届けします。 最高の旅にしようぜ!!そして、最高の景色見よう!! そこには、君もいる! #poipoitour" 松下洸平 shared a post on Instagram: "明日からLIVEツアー POINT TO POINT www.instagram.com

↑ ライブ初日の前日の洸平さんのインスタグラム。改めて読み返すと、これを投稿したときは体調が絶不調で、バンドメンバーやスタッフら関係者といろいろ話し合っていたのかな、などと感じる…

3,セットリスト


1,リズム
2,Color of love
3,エンドレス
4,つよがり
5,体温
6,あなた
7,One
8,Only you
9,ハロー
10,Way You Are
11,KISS
12,FLY&FLOW
13,旅路
~アンコール~
14,みんなが見てる空
15,BET
16,MUSIC WONDER

全16曲。昔の曲もカバーもなし。再デビュー後の曲ばかりだが、自作曲のなかで「STEP!」は唯一なかった。今回のライブのイメージに合わないことはないと思うのだが、時間的に入らなかったのかな? 松尾潔さんの3曲は入っていた。

4,雑感


〇衣装
薄いブルーにボーダー等の模様が入ったゆったりしたパンツに、紺色地にお洒落な柄が入ったシャツ。どちらもゆるっとしていて、ソウルな雰囲気にぴったりだった。

〇スタッフT
スタッフTシャツもポイポイ仕様!黒地に白いPOIPOIの文字が入っているバージョンだった。

〇協賛
今回のライブは大塚製薬が協賛についている。チケットに書いてあったので驚いたのだが、会場に行くともっと驚いた。入場時にもらうチラシは感染対策で袋に入っていたのだが、その中に、ボディメンテの洸平さんのポストカードが入っていたのだ。あの写真の洸平さんは超かっこいいのですごく嬉しかった。
さらに、開始前の場内アナウンスで、帰る際にはボディメンテを1本お土産に持ち帰ることができる、と言われた。なんてありがたい…!
ステージ構成も圧倒的に前回よりもお金がかかっていたので、協賛があるというのはありがたいなあとしみじみ感じた。
洸平さんがこれだけ人気が出たのだから、大塚製薬さんはしばらく起用し続けてくれるに違いない!

5,バンドメンバー


ギター&バンドマスター カンノケンタロウ
キーボード       平野晋介
サックス        KenT
ベース         永井隆泰

ドラムス        海老原諒

マニピュレーター    足立賢明

6,洸平さん&メンバー初日SNS投稿等


ライブの翌日。洸平さんは自身のインスタグラムに投稿。
「会場で応援してくれた皆様、本当に本当にありがとうございました」などと記し、タグに
#ありがとう
#ごめんね
#また会いたい
・・・と入れた。

他にも、バンドメンバーたちが次々とSNSに初日の感想を投稿。いずれも、一緒にライブを作り上げた観客をねぎらう内容だった。






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