見出し画像

松下洸平ライブツアー2022POINT TO POINT記録②名古屋:復活の笑顔とヘドバン!


〇はじめに


松下洸平さんのライブツアー「KOUHEI MATSUSHITA LIVE TOUR 2022〜 POINT TO POINT〜」名古屋公演。初日から2日。横須賀公演のとき、体調不良で声が思うように出ず、悔しさと悲しみの涙を流した洸平さん。その日の夜から、SNSには洸平さんを心配する声があふれ、妙な噂が流れるのも嫌だと思った私は、正確さを心がけた記事をnoteにアップしました。
果たして次の名古屋公演、洸平さんは元気なのか。声は出るのか。ファンは祈るような思いで今日の日を迎えました。私もとても緊張していました。
結果、洸平さんは復活を遂げていました。のびやかに声は出て、表情は明るく、ノリノリで踊りまくり、ヘドバンまでしていました。
洸平さん自身もホッとしていたことでしょう。本当に良かった。

セットリストなどは初日と同じなのですが、名古屋公演は洸平さんが復調した初日のようなものなので、MCなど洸平さんの様子も併せて書いていきます。
今回もメモ帳持参で行ったのでわりと詳しいです。

※ネタバレしかありません。
※初日の様子。ご参照ください ↓

1,名古屋公演概要

2022年12月3日(土)
日本特殊陶業市民会館フォレストホール、2291席
17時開場、18時開演、2時間弱

2,セットリスト 16曲

1,リズム
2,Color of love
3,エンドレス
4,つよがり
5,体温
6,あなた
7,One
8,Only you
9,ハロー
10,Way You Are
11,KISS
12,FLY&FLOW
13,旅路
~アンコール~
14,みんなが見てる空
15,BET
16,MUSIC WONDER

3,ライブレポート


日も暮れる17時。会場の外には4列の長蛇の列ができていた。初日もそうだったが、検温はあるものの、チケットのもぎりを係員がやったのがコロナ禍前に戻っていてうれしかった(昨年は接触を避けるためにチケットも自分でもぎって箱に入れていた)。手指消毒をして中へ。
ロビーにはグッズ売り場、CD売り場、K’s Room お友達紹介窓口が並んでいた。

会場に入るとソウルフルなBGMがゆったりと流れていた。こうした曲選びは洸平さん自身がやっているのだろうが、公演自体のプロデューサーは誰なのだろうと最近よく考える。ハコが大きくなりステージ構成も大掛かりなものになってきているからだ。
今回は私は1階前方の席だったのだが、ふりかえると4階席までぎっしり埋まっていて壮観だった。この光景を見たら洸平さんは嬉しいだろうなあと感じた。

定刻の18時になると、音楽が鳴り始めた。ステージの背景が大きなスクリーンになっていて、そこに映像が映し出された。POINT TO POINT(以下、 PⅡP)のイメージ写真のように、振り子の球が映し出されて揺れる。アンティークな時計の盤面が現れ針がくるくる回る。いずれもカウントを取るかのよう。地球、そして宇宙の映像が回る。アルバムとツアーのタイトル「POINT TO POINT」、つながってゆくこと、ひろがってゆくことを具象化しているのだな、洸平さんの思いが詰まっている動画だなと感じつつ、美しい映像に引き込まれていった。
ツアータイトルと開催地などが映し出され観客はクラップを始める。バンドメンバーの名前が次々と映し出されるなか、メンバーが入ってきた。会場は拍手。
最後に洸平さんの名前が大きく映し出され、洸平さんも登場。会場は大きな拍手。
洸平さんはすぐに歌い始めた。
タイトルがスクリーンに映し出される。
ライブツアーの最初の曲。

♪リズム

最初に盛り上げていく曲としてぴったりの疾走感。軽やかだが縦ノリのリズムで自然と体が揺れる。英語の歌詞が多いが洸平さんの発音はとても良い。私は後半の「ドンストッ、ドンストッ、ドンストッ、ウィガナダントゥナイッ」のフレーズが頭から離れない。
声はよく出ているし、表情も明るい。
そのまま次の曲。

♪Color of love

バンドアレンジもポップで可愛い仕上がり。スクリーンにはPⅡPの洸平さんの写真も大きく映った。絵画タッチに加工してあってお洒落。目の前で歌っている生の洸平さんを見つつ映像も見たくなる贅沢な演出。
ペンライトを振るように洸平さんが観客に手で合図をしたので観客は一斉に振った。

MC
「みなさんこんばんは。松下洸平です! グッドイブニング! どーもどーも」などと挨拶。「4階のみんなー。4階は立っちゃダメなんだよ。気を付けてね」
「名古屋です。アレをたらふく…(会場から拍手)。ウナギの巻き寿司みたいなのいただきました。
名古屋に来れて嬉しい。2回目?3回目?(前方の観客から3回目と言われ)あ、舞台も入れたら3回目か(いや、舞台を入れるのなら過去にもっと何回も来ています、笑。昨年の名古屋は別の会場。一昨年が同じ会場でホールが異なりました)。前回はビレッジホール。今回はフォレストホール。村から森だぜ!」と喜んでいた。
ビレッジホールは約1100席。フォレストホールは約2200席と倍の座席で、そのことが嬉しかったよう。可愛かった。

本日の衣装は、白と黒とベージュの三色がくっきり分かれたカットソーに赤っぽい色のゆったりパンツで、とてもカラフルでお洒落。初日の衣装とは違った。全11公演なのであと1パターンくらいあるか?

「名古屋から来ている人?」と観客に手を挙げさせる洸平さん。思っていたより少なく感じたようで、「愛知から来た人?」と問い直したが、やはり一部だけだったので、「みんなどこから来たんだろ?」と観客に話しかけたものだから、観客のなかには我も我もと声を上げる人が続いて収拾がつかなくなって、洸平さんは謝って次の話題へ。

「1枚目のアルバムを出すのに10数年かかってしまった。みなさんに言いたいことがたくさん詰まっています。音楽を作るうえで大切にしていることがあって。人と人をつなぐこと。生まれる恋の気持ち、出会いと別れの気持ち。この曲は一人で小さなスタジオで書いたんだけど、一人ぼっちで書いた曲をたくさんの人の前で歌えて幸せです。短い時間ですけど楽しんでいってくださいね」と話し…

♪エンドレス

イントロが印象的な曲。ファンクラブ会員ならおなじみのオリジナル動画では洸平さんがピアノで弾き語りをしている。昨年までのライブでもイントロは平野さんのピアノだったけれど、今回からバンドに加わったKenTさんのサックスがあのメロディを奏でた。
ラップ部分は初日に続きいい感じのノリ。
ラップはライブでこそ映えるなぁと感じ、ふと、だから5年前のオリジナル版にラップを加えたのかなと考えた。今回のアルバムはライブツアーありきで発売したものだからだ。そのくらいライブにぴったりな楽曲に仕上がっていた。
最後にフェイクも入れて気持ち良さそうに歌い上げる。

声にまったく問題なし。良かった、と私はもうすっかり安心した。スマホの電源は切っているが、心配して待っているTwitterの仲間に早く知らせてあげたいな、などと考えていた。
続けて歌う。

♪つよがり

この曲もサックスが際立つ。声ものびやかでしっとりと歌う。最後のウォウウォウ~を気持ち良さそうに目をつぶって歌っていた。

MC
「『つよがり』は松尾潔さんが作ってくれました。その後も松尾さんとは仲良くさせていただいていて、写真集を買ったよ、とか言ってくださって。
そう、写真集が出たんです。夏に沖縄に行って。写真集のお渡し会をやらせてもらったんですけど、300人だったかな?(会場から200人!との声が飛んだ。激戦だったから、この人数を間違えられると悲しい思いをする人がいるのよね)200人!こらっ(間違えた自分に怒るようにおどけて)。いろいろな方と出会えて嬉しくて。19、20歳くらいかな?若い女子…(と言うと、前方の観客からブーイングが起きたようで)みんな若々しいです(と洸平さんは笑いながら気を遣っていた)。18歳くらいかな?高校生みたいな女子の、質問が面白くてね。『好きなマクドナルドのメニューは何ですか?』って。びっくりして、チーズバーガーと答えたら、『え~かわい~』と言われたの。チーズバーガーが可愛いらしい」
カンちゃんの方をみて「覚えとけよ」。カンちゃん「メモっとこ」。

「写真集と同じタイトルとストーリーの曲を作りました。結構書くのに時間がかかった」

♪体温

このときの照明が、スターウォーズのレイア姫が3D映像で現れるときみたいで(伝わらないか?)…鳥かごみたいにも見える。上から放射線状の細いライトが洸平さんをすっぽり包む感じ。
スクリーンにさざなみが映る。沖縄の海や景色が映り、曲の終盤では都会の景色に写真が変わり、写真集と連動していた。
初日は涙涙の「体温」だったけれど、今日はきれいに歌い終わった。

暗転し、カンちゃんと2人のアコースティックタイム。
照明が当たると2人がくっついて座っているのが見えた。
「オンギター、カンノケンタロウ!」との洸平さんの声とともに、「カンちゃーん」と会場から声援。洸平さんはそれを受け、「ここ数回あなた大人気ね?」と言う。カンちゃんは照れたようにニコニコして挨拶するのでまた会場からは拍手と歓声。洸平さんのファンはみんなカンちゃんが大好きなのだ。

「横須賀で幕を明けまして、そのとき体調がよくなくてね。今はすごく元気です。心配おかけしてすみませんでした」と洸平さん。会場は大きな拍手。歌声で復調したことはわかってはいたけれど、本人の口から元気になったと聴けて安心した。

「アコースティックタイムはのんびりやりたいと思います。たくさんの人がいるので、みなさんの心にスススッと届られるように歌いたい。4階席の一番端の人にも届くように」と言って視線を4階へ。4階席の人たちが反応したのだろう。「落ちそう。立ったらダメだよ」と。いつもすべての観客に気配りをする優しい洸平さん。

「好きって、サビで何回も言うんですよ。5回言うんです。ラストのサビでも5回言うから計10回! みなさんに届けられるように歌います」と言って歌い出す。

♪あなた

カンちゃんは洸平さんの息遣いにギターをそっと合わせる。CDとは異なる間の取り方も2人の息はぴったり。ラストのサビで声が少しかすれたけどそれも色っぽい。
アコギバージョンの「あなた」、最高である。CDバージョンより私は好き。

歌い終わると洸平さんは後ろを向いてボトルの水を飲んだ。そのときに喉をガラガラッとしたのだろう(私にはよく見えず)。前方の観客がそれに気付き反応。その反応に気付いた洸平さんが、今度はみなにはっきりわかるように水を飲んで「ガラガラッ」とやると、「かわいー」と声が飛んだ。
それを聴いたカンちゃんが「チーズバーガーも可愛いし、もー」と。そういうカンちゃんも可愛かった。

「次は今の季節にぴったりの冬の曲です。この曲を歌いたいランキング決めますぅ?」と突然ふる洸平さん。打ち合わせなしだったのかいきなりの振りに一瞬戸惑うカンちゃん。シチュエーションで、ということになり、洸平さんは「冬のロッジで。焚火、キャンプファイヤーをしているような、そういうところで歌いたい」と。
カンちゃんは?と問うと、「私は…(カンちゃんて一人称がワタシなときが多くて。なんかいい!)、そっと雨が降って肌寒くて、都会…夜景が綺麗な都会の夜」とカンちゃん。そしてランキング?と洸平さんに問い返すと「んん?ランキング?って僕言った?(はい、数十秒前に言いました、と全観客が心の中で突っ込んだはず、笑)1位と2位ってことにしましょう!」と強引に話をまとめた。何を言っても許される洸平さん。
「雪山でもない、都会でもない、ライブ会場で歌います」と。

♪One

歌い終わると暗転し、バンドメンバーが戻ってきた。
「みなさん楽しんでますか!? しんみりしてられないぜ!」と謎にはっぱをかける洸平さん。しんみりした歌を歌ったのはあなたなんですけど…(可愛い)

「Way You Areのカップリングで、めっちゃ好きって曲を作りたくて。ただ好きって曲。米フェスで歌うとみなさんがこうやってくれて(手を振る)楽しかったので、今日も一緒にやりませんか。ここからノンストップでやりますから、みなさんついてきてくださいね!」と。

♪Only you

イントロなしの歌い出し、軽やかに始まる。サビで、「ヘンズアップ!」との洸平さんの声でペンラが一斉に振られる。
最後は、コール&レスポンスな感じで、洸平さんは敢えて歌わずにコーラスの音声に任せたりしていた。完全に声出し解禁になったら、観客が全力で声を出して歌うんだろうな。
続けて・・・

♪ハロー

ポップな雰囲気で始まるのだが、この曲は実はヘヴィでエッジが効いた演奏が特徴である。特に間奏は完全に縦ノリだ。ライブでも激しかった。スクリーンには何かが爆発するような映像。レーザービームも鋭く飛び、ギターもギュインギュインうなる。初日にも書いたがNulbarichのライブを思い出す。カンちゃんがこういうのが好きなのかもしれない。
洸平さんは踊りまくり。縦ノリの間奏ではヘドバンをしていた! 洸平さんのライブツアーに参加するのは3クール目だが、ヘドバンする洸平さんは初めて見た。ノリノリな姿に嬉しくなり、私も一緒になってヘドバンした。
そのノリのまま次の曲へ。

♪Way You Are

洸平さんは歌いながらステージの左右の端ギリギリまで走って行く。
この曲でも終盤はコール&レスポンス。
曲の最後には金銀のテープが頭上から振ってきた! 今回は1階席だったので無事にゲット。1階の真ん中あたりまでしか飛んでいないので取れた人は前半分くらいかな。後ろの席の人に分けてあげたかったけれど、規制退場なので個人的に知っている人に後であげたくらい。
この金銀テープ。SNSを見ると、横須賀会場ではテープに洸平さんの名前が印刷してあったのだけど、今回は何も書いていなかった。印刷は初日だけ?!
金銀テープとレーザービームが飛び交うなか次の曲になだれ込む。

♪KISS

スクリーンにはtwotwotwoさんのイラストとリリックが映し出された。KISSネコとロボ彼くんも登場した!ライブに参加しているんだね!(後にインスタグラム貼ります)
洸平さんはこの曲も踊りまくり。絶好調という感じで嬉しい。

サックスのソロがかっこよく流れる。
「みなさん、まだ踊れますかー!?」と洸平さんが呼びかける。

サックスでイントロ。それに合わせ、「フライエンフロー―――ッ」と洸平さんは叫ぶ。
真っ赤なレーザービームが目に刺さるように客席に飛ぶ。

♪FLY&FLOW

洸平さんは歌いながら踊りまくり。
前回のツアーCANVASでは冒頭で歌った自作のこの曲。やはり思い入れがたっぷりあるのだろう。
歌い終わると、「みなさん、ありがとうございます。サイコーでした! 楽しかったですか?!」と。

「横須賀、名古屋とツアーをみんなと一緒に作っていけたらなと思って。今日来た人は、次も絶対来るように! ひとまず我々はみなさんからもらったパワーを船に乗せて旅を続けていきます。これからもたぶん多くの人と出会います。たくさんの人も乗せてみんなで同じ景色を見たいです。素晴らしい景色を見せるので、これからも応援よろしくお願いします。そんな僕のテーマ曲。みんなの思いも乗せて歌いたいと思います。本日はどうもありがとうございました」と、一旦締めの挨拶をして、やはり思い入れのある自作曲を歌い始めた。

♪旅路

スクリーンには「旅路」の歌詞とともに、洸平さんとバンドメンバーのリハ風景の写真。洸平さんの笑顔が何度も大きく映し出された。
歌い終わりに洸平さんはじっと前を、観客席を見据えていた。その視線は力強く、観客席を射抜いてさらに遠く向こう岸まで届くかのようだった。
そして、一人で退場した。

バンドメンバーが曲のアウトロを演奏する。スクリーンの写真の最後には、名古屋公演の会場のフォレストホールの写真が映っていた。洸平さんがステージに立つ後ろ姿を移したもので、観客席も映っていた。横須賀公演では横須賀芸術劇場の写真が最後に映っていたので、今後も各会場の写真を使うのだろうなと思った。ライブの最後(アンコール前の)の曲なので、「旅路」は、この会場にたどりついたのだ、そしてまたここから出発するのだ、という意味を込めているのだろうなと思った。なんて粋な演出なのだろう・・・

演奏が終わり、暗転してバンドメンバーも退場した。

アンコールの拍手。

しばらくしてステージ下手にグランドピアノが運びこまれ、洸平さんが座る。

♪みんなが見てる空

ピアノ弾き語りで歌う。あれだけ忙しくて、ピアノを練習する暇を作るのは大変だっただろうに、自分に課すハードルが高いなあと感じる。観客を喜ばせるために出来るだけのことはやりたい、という思いが強いのだろう。洸平さんらしい。

歌い終わると、「アンコールをありがとうございます。(ピアノ弾き語り)緊張しました」と照れたように笑った。

「このツアーを一緒に支えてくれる大好きなメンバーを紹介します」と、メンバーを順に紹介した。

キーボードの平野晋介さん。
「今回から我々の仲間になってくれた素晴らしいサックスプレイヤー」と、KenTさんを紹介したとき、両手で指すような手指の動きを真似て見せた。
ベースの永井隆康さん。オトコマエだーと。
ドラムスの海老原諒さん。エビちゃんはいつもニコニコ。
マニピュレーターの足立賢明さん。大人の色気がえげつないな~セクシー!と。
最後に「我らがバンドマスター、ギター、なんだか最近人気のカンノケンタロウ!」と言うと、カンちゃんが登場。会場から「カンちゃーん」と歓声。「ゆっくり入ってくんじゃないの!」と笑いながら洸平さん。カンちゃんは手を振りながらニコニコ。

「こんなときにこんなこと言うのもなんだけど…一言言わせてくれ。グッズをね(会場から笑い)。タオルを作りまして。モコモコでいいタオルです。他にもいろいろあるので、もし良かったら、キーホルダーとかあるのでのぞいてみてくださいね」と。
前方にいた観客がグッズのタオルを掲げて見せていた。

「PⅡPで、最後に作った曲があって。その曲を今からやります。アルバムの曲を全部並べてみたとき、まだみんなに言ってないことないかな?って、今の自分の気持ちを伝えられてないんじゃないかな、って思って。『アトムの童』でゲーム作ってるんですけど、ゲーム作りとものづくり、こだわるポイントとか気持ちとか一緒で…。今の自分をぎゅっと詰め込んだ曲になりました」

♪BET

洸平さんが2022年12月4日のラジオ「松下洸平のPⅡP」で語っていたセルフライナーノーツで、「自分を奮い立たせるときや、夜のチルな時間に聴いてほしい」などと話していた、洸平さん自身も大好きだという曲。
歌い終わると、「またみなさんと歌えるように明日から頑張ります。必ずまたライブで逢いましょうね」と。

「僕が歌をはじめるきっかけをくれたのは『天使にラブソングを2』の…Oh Happy Day~♪(と歌う)映画の男の子が声が出ないのにデロリスに指導されてだんだん声が出るようになって、高校生のときに観て僕は号泣して、歌いたいと思うようになって。嫌なことがあってもあの曲を聴けば忘れられて。あの多幸感をみんなにあげたい。そういう力が音楽にはあると思っている」と言って、またOh Happy Day~♪と歌う。
そして、「さ~笑ってこ~」と歌い始めた。

♪MUSIC WONDER

観客はペンラを持って洸平さんに合わせて振ったり踊ったりしていた。会場は多幸感がうねるように盛り上がり、ラストで金の紙吹雪が舞った。

歌い終わると、洸平さんとバンドメンバーが一列に並ぶ。全員が並ぶまでの間、洸平さんたちは紙吹雪をお互いにかけあってはしゃいでいた。無事ライブが終わってみんなホッとしていたのだろうなあと感じる。

メンバーが退場した後、洸平さんはステージを端から端まで走って、4階席までまんべんなく視線を向けて手を振り、下手にはけるときには投げキッスした!

19時55分終了。規制退場。
会場を出ると同時に私はスマホの電源を入れ、「朗報。洸平さん元気いっぱいでした!!」とツイートしたのだった・・・

4,感想:洸平さんの「好き」が詰まったアルバム&ライブ

1)歌える喜びはより大きく

横須賀初日から、なか2日。洸平さんは復活していた。最初に「リズム」を歌い始めたとき、声の出方が初日と全然違っていたので大丈夫そうだなと思ったけれど、自身の口で「元気になりました」と言ってくれたので心から安心した。実際は、まだ完全復調ではないのだろうし、歌っていてかすれるときもまれにあったが、これは普段からありえることで問題はない。むしろ多少ハスキーになった声は色っぽさ艶っぽさを増していた。

初日のあと、どんな思いで洸平さんが過ごしていたのか。翌日のWEB記事やテレビのワイドショーの紹介では声のことは一切触れていないので良かった。しかしSNSという現代のツールでは当然いろいろと語られていた。
時勢的にコロナの検査もまたやったのだろう。そのうえで名古屋公演は問題なく開催できると判断できたからか、翌日には、洸平さんがまず自身のインスタグラムに初日ライブのお礼を投稿した。それを受けてバンドメンバーも次々と投稿したのだろう。
それにしても、洸平さんは喉が回復するかどうかプレッシャーを感じていただろうから、いつもの笑顔を見られたときは本当にホッとした。
みんなの前で思うように歌えない苦しさを味わったからこそ、歌えることへの喜びや幸せをより大きく深く感じたステージとなったのではないか。

2)PⅡPに賭けた思い

ライブは全16曲。洸平時代の曲もインディーズ時代の曲もカバーもなし。昨年の再メジャーデビュー後の曲ばかりだが、「STEP!」は唯一なかった。今回のライブのテーマに合う曲だと思うのだが、2時間という枠に入れるには時間が足りなかったか。松尾潔さんの曲は3曲だった。アルバムに入っている「つよがり」「あなた」を歌うのは当然として、「One」を歌ったことは驚いたが、普通に考えると冬にぴったりの曲である。とはいえ、なんらかの大人の事情があってしかるべきだし、それでいいのだろう。
「STEP!」はまた聴けるだろうし、「HEART」もいずれ音源化され、ライブでも歌われるだろう。
インディーズ時代の名曲の数々も、いつか音源化されることを心から願う。

アルバムPⅡPを初めて聴いたとき、「この方向に寄せてきたんだ」と新鮮に感じたことをよく覚えている。「そうだよね、こういうのがやりたかったんだよね」と感慨深かった。
洸平さんはこれまで繰り返し、ソウルやR&Bが自分の音楽のルーツだと言っていた。
たとえば朝ドラ「スカーレット」の終盤である2020年3月15日の岡田惠和さんのラジオ番組「今宵ロックバーで」に出た際、BASIやF.O.Hを大好きなアーティストだと紹介していた。日本でこれほどのR&Bができるのかと驚き15歳くらいから聴いていた。トークボックスを使ったりしてとってもスイートだ、等々。

このアルバムの中には、情緒的にわかりやすく展開する曲は少ない。「体温」の終わり方も敢えて不安定な曲調のままにしているし、「MUSIC WONDER」はゴスペル調だし、「エンドレス」はラップが挿入されたし、「Color of love」「リズム」「BET」などは洸平さんの大好きな新しいR&Bのラインナップだ。
「ハロー」に至っては、導入は軽いメロディで歌詞も可愛いが、演奏はヘヴィな縦ノリで特に間奏はゴリゴリのヒップホップ調だ。洸平さんがライブでヘドバンするのもよくわかる。

再メジャーデビュー前は、ファンクラブ K’s Room のなかで自作の曲を発表していた洸平さん。自分で作る際は主にピアノなので、発表作もシンプルな演奏で、ある意味わかりやすい、とっつきやすい楽曲に仕上がっていた。洸平さんの美しい歌声にもぴったりだった。
しかしこれはあくまでオリジナル音源で、そこから洸平さんの頭の中ではアレンジのイメージが広がっていたのだろう。それを具現化するのがカンちゃんの役割だった。
たとえば「エンドレス」は、洸平さんがピアノ弾き語りで歌っている動画が K’s Roomにアップされているが、昨年、一昨年とライブで演奏されたときにはカンちゃんのアレンジが入って重層的になっていた。今回アルバムに入れてリリースされたバージョンにラップを入れてきたことに驚いたファンもいたようだが、楽曲というものはいかようにもアレンジできる。
洸平さんは、ソウルやR&B、ヒップホップ調にアレンジしていくことを望んでいたのだろう。そしてそれは、先述したように、ライブを行う前提の楽曲としてはとても映えるアレンジだった。

PⅡPは洸平さんがいま本当にやりたい音楽なのだろう。決して大衆受けする曲ではないかもしれない。「俳優・松下洸平」を好きになったファンのなかには、この音楽性についていけないと離れていく人がいるかもしれない。このアルバムは、言葉の通りBET(賭け)だったのだと思う。
次のアルバムが出せるかどうかなんてわからない。歌いたいことは、今届けたい思いは、今伝えておかないと!という切迫感すら感じる。
やりたい音楽を誰もができるわけではない。「KISS」をリリースしたときから、トークボックスを使ったり、じわじわと好きなことにトライしていた。しかし、誰かにおもねることをしないアルバムを、再メジャーデビューからわずか1年ちょっとで出すことが出来たとは。思いを貫いたんだなあ、すごいなあと思う。

PⅡPの11曲 は、R&Bもラップもゴスペルも洸平さんらしくチルを共通項にまとめている。洸平さんの「好き」をすべてきゅっと詰め込んだ宝箱のようなアルバムに仕上がっている。
「今を楽しむ方に全部BET」~「BET」より~
ライブに参加して、洸平さんはBET(賭け)に勝ったのだなと確信した。

洸平さんのライブツアーに、2020年「HEART TO HEART」、2021年「CANVAS」と参加してライブレポートも書いてきた。今回の初アルバムを引っ提げてのライブ「PⅡP」は、俳優ではない、アーティストとしての洸平さんがまたひとつステージを上がったような気がする。
その瞬間を見させてもらったのだなあと、ヘドバンしている洸平さんを見ながらしみじみ嬉しかった。

5,雑観:声出しについて


今回のライブツアーでは観客の声出しが少しはOKだということを、洸平さん自身が事前にファンクラブ内で発言していた。
さまざまな規制が緩和されているとはいえ、コロナ禍はまだ続いているので、「声出しOK」に関しては、さまざまな意見があるようだ。
私自身はとても慎重なので、声出しは今も抵抗があるし、自分が声出しする気はない。
が、初日の横須賀公演では一緒に歌った。歌うしかなかった(初日の記録参照)。
名古屋公演はどうだったかと言うと、洸平さんの登場とともに、一部の観客から歓声があがった。
また、洸平さん自身が何度も観客に話しかけるものだから、あれは答えたくなる。
マスクをしていない人はさすがに見かけなかったし、冷静に考えると、あの程度の声出しで飛沫が飛び交って感染リスクが高まるとは思えないので、許容範囲だと思うが、心配の種はもちろん残る。
観客の誰かが大きな声を出してそれを洸平さんが拾ってくれると、我も我もと大声を上げる人が出てきてもおかしくはない。そうなるのは怖いな、とも思う。
難しい問題なあと感じた。

音楽業界3団体が出している2022年11月4日改定のガイドラインを見ると、かなり規制緩和されていて驚いた。↓

https://www.acpc.or.jp/pdf/COVID-19/20221104_01.pdf


6,バンドメンバー

 
ギター&バンドマスター カンノケンタロウ
キーボード       平野晋介
サックス        KenT
ベース         永井隆泰
ドラムス        海老原諒
マニピュレーター    足立賢明



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?