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気功と内魔|自分で自分を攻撃する「内魔」のお話です。

気功 ブログ|
中国正統派気功老師 盛鶴延先生の気功教室(毎週木曜日、東京自由が丘で開催)のお話しや参加者の体験談などから、「気功で自分の健康を自分で守るために大切なこと」をつづっています。

***

今から10年以上前のことです。

その頃、私は
化粧品メーカーに勤めていました。

日々忙しくはありましたが、
やりがいもあり、
自分としては
充実していると思っていましたし、

朝早くから
夜遅くまで
働いていた割には
疲れもあまり感じていませんでした。

そして仕事が許す限り、
毎週木曜日に
気功教室に通っていたのですが、

そんなある日、
気功教室が
始まる前だったか後だったか
記憶は曖昧なのですが、
盛鶴延先生とみんなと
一緒にわいわい話をしていて、
そんな気楽な話の流れで、

「胸のところがつかえてしまって 
 小周天(しょうしゅうてん)が
 うまくできないんです」

と、小周天呼吸法について
盛鶴延先生に質問したのです。

小周天呼吸法とは
身体の背骨のところを走る経絡、
督脈(とくみゃく)と
身体の前を走る経絡、
任脈(にんみゃく)に
気を流す呼吸法です。

息を吸いながら
会陰から督脈を通って
第3の目まで気を昇らせ、

息を吐きながら
第3の目から任脈を通って
会陰まで気を降ろす呼吸法です。

ただ、
私は息を吐きながら
身体の前に気を降そうとすると
胸のところで気が詰まって、
下に降りていかないのです。

そのため
息を吐くことができなくなり
息苦しくなってしまうのです。

なので、
盛鶴延先生に

「どうしたら小周天、
 うまくできるようになるのでしょう?」

と気楽な気持ちで質問したのです。


すると
盛鶴延先生は
まるで昔から
私の質問を知っていたかのように

「君は内魔が強いからね」

とおっしゃったのです。

えっ?
内魔?

今回は
自分で自分を攻撃する内魔のお話です。

***

その時、
私は本当に
気楽な気持ちで質問したのです。

だから

あぁ、それは
息の吐き方をこうしたらいいよ。

など、
呼吸法のやり方のアドバイスを
いただけるものと思っていたのです。

それが
いきなり
「君は内魔が強い」とは!

びっくりしてしまって、
その後のことは
あまりよく覚えていません(笑)。

辞書によると

魔とは
(梵語māra)
〔仏〕修行や人の善事の妨害をなすもの。
魔羅。
また、不思議な力をもち悪事をなすもの。

そして
自己の身心から生じる障がいを内魔、
外界から加わる障がいを外魔

だそうです。

ただ、
内魔の言葉の意味を
理解したところで、正直

だからどうなんだ!

という感じです。

自分で自分を攻めている
と言われても、

そうかもしれないなぁ
とは思いますが、
だから
何をどうすれば
よいのかわかりません。

ましてや
どうしたら
内魔が弱くなり、
小周天ができるようになるのか、
わかりません。

なので、
その後ともずっと
胸のところで
気がつまって、
降りないなぁと思いながら
過ごしていました。

そんなある日の気功教室で
これまた何かの流れで
盛鶴延先生が
こんなお話をしてくださいました。

「聖」に成りたい。

そう思う時、
必ず邪魔が入りますね。

雑念とか欲とか
そういうものが邪魔します。

仏教では
その邪魔を
煩悩といいますね。

邪魔、魔には
2つ種類があって、

1つは内魔。
内魔は内から自分を攻めている。

1つは外魔。
外から自分を攻めている。

内魔は
理性と感性がぶつかり合っているね。

理性から見て
問題はない。

でも感性では
問題がある。

このお話をお伺いした時、
もちろん、

きたー、
内魔だ!

と思いました。

そして
内魔の状態について
具体的にお話をしてくださったので

内魔が強いということが
どういうものなのかは
わかりました。

でも、
やっぱりわかりません。

そもそも
自分の中で
理性と感性がぶつかっている
という自覚がないのです。

もちろん
仕事は忙しかったですし、
仕事上の
人間関係は複雑ですから
それなりにいろいろ
考えていたと思います。

ただ、それを
悩みとまでは
思っていませんでした。

しかし、今から思うと
会社の中で
生きていくために
いろいろなことを
整理し、
割り切っていた気がします。

これはこうだからこう。
これはこうだからこう。
これは仕方ないからこう。

だから
盛鶴延先生がおっしゃった

理性では問題がない。
でも
感性では問題がある。

の状態だったのだと思います。

でも
自分ではそれらは全て
無意識だったので

自分の
どんな理性と
どんな感性が
ぶつかっているのか
自覚がなく、
わからなかったのです。

だから
盛鶴延先生の
おっしゃる内魔は
理解はできましたが、
どうしたらよいのか
わからず、

もちろん
胸のつかえも
そのまま過ごしていました。

***

そんなある日の
気功教室でのことです。

教室で
小周天呼吸法の
練習をしました。

教室は畳の部屋なので、
瞑想法の時は
座布団を
ぐるっと円を描くように置き
静かに座って行います。

教室の電気は落として
円の中心に
ロウソクをおきます。

そして、
盛鶴延先生の声に従って
静かに呼吸をします。

その日も

吸って〜
会陰から督脈を通って
背中を
気が昇る、昇る、昇る。
第3の目まで。

吐いて〜。
第3の目から任脈を通って
前を
気が降りる、降りる、降りる。

という
盛鶴延先生の静かな声を聞きながら
小周天呼吸法をしていました。

ただ、
その日、
理由はわからないのですが、
いつものように
胸で気がつかえなかったのです。

するするするっと
気が下に降りていきます。

ただ、
その日は
胸につかえないことにも
気が下に降りていくことにも
気がいかず、
ただ、
盛鶴延先生の声を聞きながら
小周天呼吸法をしていました。

で、
小周天呼吸法が終わり
座布団を片付けるために
立ち上がった時、

盛鶴延先生が
私の方を見て、

「うまくできていたね」

とおっしゃってくださったのです。


びっくりしました!

まず、
薄暗い
ロウソクの炎だけの部屋で
静かに瞑想をしている。

その中の
一人一人の
見えない気の動きを
ご覧に?
感じ取って?
いらっしゃるんだ、ということに
びっくりしました。

そしてもうひとつ。
それ以前に
一度も盛鶴延先生から
うまくできていたとか
言われたことがなかったので
びっくりしたのです。

***

それが、
今から10年以上前の話です。

もちろん、
それ以後、
一度も
できているとか
できていないとか
盛鶴延先生に
言われたことはありません。

あの時
一度きりです。

今から思うと、

胸がつかえる。
気が降りない。
内魔が強い。


ということは、
私が思っている以上に
しっかり
向き合わなければいけない
私にとって
深い意味があることだった気がします。

もちろん、
このことが
直接の要因ではありませんが、

結果だけをみると
その後、
会社を辞め、
出版社を立ち上げています。

この
内魔が強いことに関する
何かが
私の中にあったのかもしれません。

***

今もなぜ、
あの日、するすると
気を下に降ろすことができたのか
わからないです。

わからないから、
今でも
呼吸がうまく下に降りていかず
胸がつかえることが
よくあります(涙!)

ただ、
一度でもそういう経験をした
というのは強いもので、

必ず
道がある

と思うことが
できるようになりました。

そして
胸がつかえる感覚を感じると、

また
内魔、
戦っているなぁ。

って
思えるようになりました。

一歩、一歩、ですね。

では、また!

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