見出し画像

気功と根|安心感が出てくる、「根(コン)」をつくる意識についてお伝えします。

気功 ブログ|
中国正統派気功老師 盛鶴延先生の気功教室(毎週木曜日、東京自由が丘で開催)のお話しや参加者の体験談などから、「気功で自分の健康を自分で守るために大切なこと」をつづっています。

***

気功に
両手を前後にふらーっ、ふらーっと振る
甩手(セイシュ)という気功法があります。

ただ、前後に両手を振るだけなので
とても簡単で
誰にでもできます。
しかも、
効果も高い。

初めての方にもおすすめの気功法なのですが、
この時、
大切なのは意識です。

ただ、
両手を前後に振っているだけだと
あまり効果はありません。

甩手は
両手を前に振る時、
息を吐きながら

両手の指先から
身体の中のいらないもの、
邪気が出ていく意識を持ちながら
両手を振ることが大切です。

しかもその時、
1メートルとかそんな近い先ではなく、
もっともっと遠い、
地球から離れて
宇宙まで出ていくような
そんな意識で邪気を出します。

そうすると
両手を振る、という
動作は同じでも、
邪気をよりよく出すことが
できるのだそうです。

気功は意識がとても大切なのです。

あと、
甩手の意識で大切なことは

根(コン)を作る意識です。

根とは
字のごとく
根っこのことです。

立っている足の裏を
吸盤のようにぴったりと
地面にくっつけ、
その足裏から
根っこが生えていく
意識を持つことなのですが、

意外と
この「根」をつくることについては
意識していない方が
多いような気がします。

今回は
安定感が出てくるという
気功で根をつくる意識の持ち方について
お伝えいたします。

***


この「根をつくる」
という意識をもちながらするのは、
甩手に限ったことではありません。

動功でも
站桩功(たんとうこう)でも
両足をしっかりと地面について
立つ時には
同じ意識を持ちながら立ちます。

以前、
中国のカンフーだったか、
武術だったか、
何かの映画を見た時、
こんなシーンがありました。

主人公はおじいさんなのですが、
よぼよぼっとした
ちょっと冴えない感じの人で、

定職はなく、
レストランの皿洗いをしたりしながら
過ごしています。

そんなある日、
レストランのシェフが
おじいさんに対してか、
おじいさんと一緒に働いている人に対してか
詳細は忘れてしまいましたが
理不尽なことを言ったのです。

それに対して
怒ったおじいさんは
シェフに抗議しました。

横柄なシェフは当然怒って

「お前はクビだ。出ていけ」

とおじいさんに言ったのです。

するとおじいさんは

「俺はお前が謝るまで 
 俺は一歩もここを動かない」

と言って
ダンッと
両足を肩幅に開いて
厨房の床にぱつんと立ったのです。

その瞬間に
おじいさんは
今までの
冴えないよぼよぼのおじいさんから

カンフーの達人の
軸がびしっと通った
おじいさんに変わったのです。

ただ、
シェフは
そんなおじいさんを無視して
屈強な用心棒を5〜6人呼び、
おじいさんを
力づくで追い出すように
指示したのです。

しかし
おじいさんの足が
ダンと床に
それこそ根っこが生えているように
くっついているので、
何人がかりでかかっても
おじいさんはビクともしません。

その様子を見て、
シェフが

「お前、カンフーやっているな」

とつぶやいたのですが・・・。

映画はその後も続いていくのですが、

映画とはいえ、
ダンと立った瞬間に
根が生えたように立つシーンを見た衝撃は
とても大きかったです。

あと、
ささやかなことですが、

最後にシェフが

「お前、カンフーやっているな」

とつぶやいたシーンを見て、

やっぱり
中国では
足に根っこが生えることは
みんなにとって
当たり前のことなんだ!

と、妙に盛り上がってしまいました(笑)。

盛鶴延先生も
本の中でこの根に関して
こう書かれています。

中国のカンフーで有名な方の
站桩功はすごいですよ。

5人、10人かかっても
立っているその足を動かすことができません。

まるで
鉄の棒が
土の中に刺さっているように
地面に足裏が
ピッタリとついていて、
絶対に動かないのです。


***


根をつくる意識とは

具体的には
両足を肩幅にして立つ時、
足の裏を吸盤のように
ぴったりと地面につけ、

その足裏から
根っこが生えていく

イメージを持つことです。

盛鶴延先生は
こうおっしゃいます。

木には
根っこがあります。

でも人間には
根がありません。

足裏で切れてしまっています。

だから人間も
根を作る必要がありますね。

足裏で切れてしまっていると
思うのではなく、

足裏から根っこが生えていて
土の中に
ずーっと根を生やしている。

そういう意識を持ちながら
甩手をすることが大切です。

日本語でも
「根が生きる」とか
「根づく」
とか言いますよね。

同じですね。

もちろん
根の部分が出てくるまでには
長い時間、
練習する必要があります。

でも、
練習するたびに、この

足に根っこを生やす

という意識を持ち続けていると

いつか
足から根がでてくる気がします。

逆に
この足に根っこを生やす
という意識を持つことを
知らなかったら、

それこそ、
何時間、何百時間練習しても
根は生えないのではないかな
とも思うのです。

そう考えると、
改めて
盛鶴延先生に
こういう
気功の奥義を
教えていただけることの
有り難さを感じるのです。

***

そして
もうひとつ、

足に根っこを生やす。

ということを
知ったおかげで、
そう意識するだけで
安心感を覚えるようになりました。


まさに「根無し草」のように
足の裏で切れてしまい
漂っている存在ではなく、

自分は
大地としっかりとつながっている。
足の裏から根が生え、
大地としっかりつながっている。
大地に支えられている。

と思えることは
とても安心感があります。

毎日、気功をしながら
そういう
大地とつながっている
という意識を持てるだけでも

この奥義を教えてもらえて
本当によかったなと思います。


人間、
そういう根の部分が出てくると
安定感が出てきますね。

気功の奥義は
本当にすごいですね。

では、また!

====
もしよろしかったら、「スキ」「フォロー」をお願いいたします。励みになります!
====

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?