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Hamburg Ballet / Nijinsky Gala #2

ハンブルクバレエのシーズンを締めくくるニジンスキー・ガラ、第一部&第二部について。

◆FIRST PART

Excerpt from "On the Town"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Set and Costumes: Zack Brown – utilizing the New York photographs of Reinhart Wolf
Alexandr Trusch and the School of the Hamburg Ballet

バレエ団の子達が水平さんの格好をして踊る。ややミュージカル調でロビンスの影響なのかなーと思ったり。こういうの見てるとジョンはアメリカ人だなぁと思います。トルシュはほんのちょっと出てきただけで使い方にハテナ?

Pas de quatre from "Le Réveil de Flore"
Music: Riccardo Drigo
Choreography: Marius Petipa, staged by Yuri Burlaka after Ivan Khlustin (2014)
Costumes: Vladimir Ponomarev
Daria Ionova, Anastasiia Nuikina, Mariia Khoreva, Maria Bulanova
(Graduates of the Vaganova Ballet Academy)
(Rector: Nikolay Tsiskaridze, Teacher: Liudmila Kovalyova)

ワガノワバレエ学校の卒業生による「フローラの目覚め」からの抜粋。さすがワガノワの子達、もんのすごく上手かった。特にフローラ役のMariia Khorevaは堂々としててテクニックも完璧で、既にバレリーナとしての完成形といった感じでした!彼女、マリインスキーバレエにコールドとして入団したようです。年末の来日公演にも来てくれるかな。楽しみ!

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Marius Petipa, Alexei Ratmansky's reconstruction for the American Ballet Theatre (2015)
Tiler Peck (New York City Ballet)
Herman Cornejo (American Ballet Theatre)

噂に聞くラトマンスキーの眠りのグランパドドゥを観てしまいました。衣装も振付もオリジナルの復刻を目指したということで評判イマイチだったこの眠り、そういえばゴメスがソロを踊ったのを何かのガラで観たときもビミョーだったなぁと思ったのですが、やはりビミョー。
衣装は体をラインを美しく見せるようになっていないし、振付は学術的な価値はあるのでしょうが今の時代の観客に面白いものではないように思いました。
エルマンが勿体ない・・・。

Excerpt from "The Sleeping Beauty" – Grand Pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Rudolf Noureev after Marius Petipa
Jillian Vanstone, Francesco Gabriele Frola
(The National Ballet of Canada)

カナダナショナルバレエのガブリエル・フローラはハンブルクバレエ学校出身でカナダではニジンスキー役なども踊っており、来シーズンはカナダに籍を置いたままENBのプリンシパルになるという逸材。初めて観たのですが、色っぽいし上手いし、いいダンサーだな。どうしてこういう人がハンブルクバレエに入団してくれなかったのかしら(涙)

Excerpt from "Songfest"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
"Music I heard with You"
Xue Lin
"Zizi's Lament"
Konstantin Tselikov
"To What You Said"
Carsten Jung, Ivan Urban

バーンスタインの音楽に振付けたSongfestという作品からの抜粋。あまり印象に残ってない。カーステンとイヴァンの男PDDは面白かった。(でもopus100の方が好き)

Excerpt from "The Pharaoh's Daughter"
Music: Cesare Pugni
Choreography: Marius Petipa
Olga Smirnova, Artem Ovcharenko
(Bolshoi Ballet)

ボリショイから、スミルノワ×オフチャレンコでファラオの娘。私はチュージンが好きだけど、この作品は押し出しのいいオフチャレンコの方が似合ってると思う。スミルノワ、この作品は珍しく調子悪そうでした。

Excerpt from "Swan Lake" – 2nd act pas de deux
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: Lev Ivanov / Marius Petipa
Anna Laudere, Edvin Revazov

古典の白鳥の第二幕のパドドゥをアンナとエドウィンで。といってもこれ、ノイマイヤーの「幻想~白鳥のように」の二幕からの抜粋でコールドのフォーメーションはかなり古典と違います。アンナはやや首が前に出るクセはあるけど、美しい。エドウィンはリフトとサポートは鉄壁。

Excerpt from "Bernstein Dances" – Lonely Town
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Heather Ogden, Guillaume Côté
(The National Ballet of Canada)

カナダのヘザー・オグデンとギヨーム・コテ夫妻によるバーンスタイン・ダンス。彼らは何をやってもそつないですね。

"Birthday Dances"
Created for the celebration of the 50th anniversary of her Majesty Queen Margrethe II of Denmark
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Carolina Agüero, Marc Jubete
Mayo Arii, Aleix Martínez
Florencia Chinellato, Matias Oberlin
Patricia Friza, Dario Franconi

5組のカップルが出てくる、(たぶん)ストーリーのないシンフォニック・バレエ。小品ではなくちゃんとした作品で(15分くらいあったかな?)、かなり難しい振付だったような(もう記憶が曖昧)。このガラのためだけにこのリハやるって凄い大変。衣装がなかなか素敵だった。

◆SECOND PART

"Bernstein Serenade"
Music: Leonard Bernstein
Choreography: John Neumeier
Christopher Evans
Alexandr Trusch
Hélène Bouchet
Emilie Mazon
Madoka Sugai
Jacopo Bellussi
Karen Azatyan
Ensemble
Violin: Vadim Gluzman
Piano: Michal Bialk

これ、面白かった。男女のカップルが3組出てきて、それぞれくっついたり離れたりするんだけど、最後は男同士のカップルが誕生した、というストーリーかな。男女のカップルは白いシャツ+黒いズボンやドレスなどのきちっとした姿なんだけど、トルシュだけはカップルに入らない"Love"という役で、白いパンツのみ。愛の情熱を呼び覚ます役なのかなと思った。トルシュ君は確かに、タキシードで踊るよりもちょっと野性味ある役の方が似合うような気がする。メインのクリストファー・エヴァンスが踊りにしろ繊細な感情表現にしろ素晴らしkった!!彼は、このガラの終演直後にプリンシパルに昇格しました。おめでとうクリス!!
クリスの相手役はエレーヌ。ちょっと悩める大人の女、といった風情の役だけど、本当に美しいし存在感があっていい。ダンサーというだけでなく女優のような雰囲気を醸し出せる人。そういう意味ではアンナ・ポリカルポヴァに似てきたなと思う。
あと、ロングドレスで踊る円加様、元気印のいつもの雰囲気とは全然違い実にエレガントで美しかったです。彼女はいろんな顔を持っている。そして音楽性に関してはこの中でピカイチ。

タイトル写真はカーテンコールからですが、ワガノワバレエ学校卒業生。中心がMariia Khoreva。

同じくカーテンコールから、水平さん姿のトルシュ君。

第三部に続く。

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