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黒田育世 ラストパイ

2018/10/4木 19:00- 草月ホール

振付・演出:黒田育世
音楽・演奏:松本じろ
出演:菅原小春、小出顕太郎、加賀谷香、熊谷拓明、
   樋浦 瞳、北村成美、奥山ばらば、関 なみこ、
   BATIK(伊佐千明、大江麻美子、大熊聡美、政岡由衣子)

衣装デザイン:山口小夜子

初演:Noism05「Triple Bill」2005年7月15日 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

DDDYokohamaのメインプログラムが終わったと思ったらDance New Air 2018がスタート。この秋は忙しい。

黒田育世さんの作品は実は初見だったのだけど、すごく面白かった!

全身を使った力強くリズムを刻む振付は、どこか原始的な味わい。でも同時に洗練された感じがするのは、バレエがベースになっているからかな。このテイスト、好みです。

ラストパイ(Last Pie)ってどういう意味が込められているのだろう。下手手前で一人のダンサー(今回は菅原小春さん)が最初から最後までずっと激しく踊っていて、ときにトランス状態になって踊りまくっているようにも見える他のダンサー達とは違う世界にいるように見えるのだけど。

菅原小春さんの役は本当にハードで、途中から体力の限界に近いのだなというのが観ている方にも伝わってきた。カーテンコールでは全身が震えていて、支えられないと立っていられないくらい。彼女は顔の表情でも演技していて、ときに白目をむいたりしていて鬼気迫る感じだった。でも、バレエがベースのこの振付は、彼女にはなかなか表現できない部分があったのではないかなあ。彼女の存在感は凄いと思うけど、これはバレエの基礎があって個性もあるダンサーにこそ相応しい役なのでは。Noismで初演したときは金森さんが演じていたそうで、観たかったなぁと激しく思う。

むしろ私は、周囲の空気まで動かしているような加賀谷さんの踊りについつい目がいってしまいました。

山口小夜子さんデザインの衣装、素敵でした。黒とオレンジだったので時期柄もあってハロウィーンの魔女かしら、とも。あと、生演奏だった哀愁ある音楽も好き。

この作品、何度か再演されているようですが、また次があるなら是非観たいです!

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