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バレエ・ロレーヌ トリプルビル

2018/9/16日 15:00- KAAT

以下、公演の公式サイト( http://www.kaat.jp/d/lorraine )より概要を転載。

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フランス最高のバレエ団のひとつ、
国立バレエ・ロレーヌによるトリプルビル

巨匠から新世代まで、知られざるバレエの進化を発見
ポストモダンダンスの巨匠カニングハム、バレエを脱構築した鬼才フォーサイス、いまヨーロッパで最注目の過激な2人組ベンゴレア/シェニョー。厳密な古典の技術の上から築かれた、アヴァンギャルドな3つのレパートリー。20世紀から21世紀の舞踊の潮流を俯瞰する、バレエファンにも、現代アート好きにもお勧めのプログラム。
上演作品:

「DEVOTED」(2015)

クラブカルチャー、民俗芸能をダンス・アートに混ぜ合わせ、あらゆるタブーに切り込む、いまダンス界で最も熱いアーティストデュオのベンゴレア&シェニョーの振付。バレエの代名詞であるポワント(爪先立ち)技術の刺激的な再解釈が、フィリップ・グラスのミニマルな音楽に溶け合い崇高な次元へ観客を誘う。

「STEPTEXT」(1985)

バレエ/ダンス界に革命をもたらした鬼才フォーサイスの初期の名作。官能的な弦の調べと、意味をはぎ取られたストイックな動き、時折現れるミステリアスな仕草が混然とし強い印象を生む。

「SOUNDDANCE」(1973)

NYで展開したポストモダンダンスの巨匠カニングハムの代表作の一つ。モダンダンスの感情表現を排除し、音楽と純粋に切り結ぶダンスを追求し、洗練させたカニングハムのスタイルを示す作品。

出演:バレエ・ロレーヌ

国立振付センターバレエ・ロレーヌ 
Centre Choregraphique National – Ballet de Lorraine

1968年北仏アミアンで設立されたフランス発の現代作品上演を専門とするバレエ団であったバレエ・テアトル・コンタンポランが1987年ナンシーに移転、バレエ・フランセ・ナンシー、国立ナンシーロレーヌ・バレエの改称を経て、1999年国立振付センター(CCN)加入時から現名称。2011年に芸術監督に就任したピーター・ヤコブソンはスウェーデン出身で、元スウェーデン王立バレエ団芸術監督。ダンサー時代に英国でクラシックを、NYでとワイラ・サープ、マース・カニングハム等ポストモダンを踊った経験を活かし、20世紀バレエの歴史的作品から現代の実験作まで魅力的なプログラムを提案している。26人のダンサーは賢固なバレエ技術を有し、日本人も活躍している。
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だんだん時代を遡っていくトリプルビル。3つに共通するのは感情やストーリーを表現しない、純粋に身体性で見せる作品、というところかな。

DEVOTEDは、作品を観るとタイトルに納得。女性9人で踊る作品だが、とにかくずーっとポワントで立ち続ける!!死ぬほどシェネをするし中間部では3人のダンサーが5分くらいポワントで立って静止していた。あれ相当大変なのでは・・・。グラスの音楽にとても合っていてフォーメーションの変化も面白かったけど、途中からは、彼女たちの足先の痛みが心配になって、もうやめてあげてーって気分に (^^;)

休憩をはさんでSTEPTEXTは男性ダンサー3人と女性ダンサー1人で踊るフォーサイス作品。これ、一部だけをガラで観たことあるけど、全部観るのは初めてだと思う。ストーリーはなくてもフォーサイスの動きはやっぱり面白くて退屈しない。今の時代においても、最先端ではないかもしれないが、古さが感じられないのは凄いなと思う。二人で踊るとダンサーの間にちょっとした関係性みたいなものが感じられるところもいい。一つ残念だったのが、女性ダンサーが物凄い貫禄ある体格だったこと。いや太くて存在感があるのはいいんだけど、重さのためか動きがもたつくところがあって、うーん。彼女がシャープなダンサーだったらもっと素晴らしいと感じられたろうに!男性3人はとてもよかった。

最後のSOUNDDANCEは、よさを自分の中で咀嚼できなかった。音楽はなく、ものをひっかくような(?)効果音がずっと流れている。ダンサーは時に2人ずつ、時には6人と2人、といったようにグループを変えて踊っていく。ずっと動きっぱなしで本当に体力がいるし、リズムがない音の中でどうやってみんなでタイミングを合わせているんだろうと感心した。けど、いかんせん面白さを感じられなくて・・・。ストーリーがなくても群舞ならではのフォーメーションの変化やフォーサイスみたいな動きの面白さがあれば楽しめるのですが。まだまだ勉強不足ですみません。

ダンサーはクラシックの素養がある人が多そうだけど、体型はバレエのカンパニーとは全然違うなと思った(特に女性)。ただ身体能力は高い人も多くて、体操をやってたのでは?と思うような動きをされていた方も。

この日が初日だったので、客席には著名なバレエ・ダンス関係の評論家の方もたくさんいらしていました。

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