トリプルビル

Dance Dance Dance Yokohama トリプルビル

2018/9/2日 15:00- 横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール

この公演は「ヒップホップを芸術ダンスの世界に持ち込んだ振付家の作品」のトリプルビル、だそう。ジャポニスム2018公式企画としてフランスツアーも予定されているプログラム、その初演の日に行って参りました。普段観てるバレエ系ダンスとは全く異なる舞踊言語や異世界をのぞけて面白かったです!

◆Reverse (リバース) 
振付・美術:Jann Gallois (ジャンヌ・ガロワ)
音楽:クリストフ・ズルフリュ
出演:Hayate, Jona, Katsuya, Sakyo, Takashi

その名の通り、ダンサーは床に頭をつけっぱなし(ラストシーンだけ立ち上がる)の20分。頭を床につけてまわるようなストリートダンスのテクニックはところどころに入っているけど、メインはマスゲームの面白さ。冒頭、頭を床につけ膝をついた四つん這いの姿勢で5人のダンサーが縦・横に移動してはくるっと方向変えるところがめっちゃ面白くてにんまり。迷路を探索するロボットマウスみたい(きっとそういう意図があると思う)。次第に群集の動きは形を変えていく。群れで動くけど、一部だけぴくっと反応する、っていう動物的な動きもあって、あ、これ、パイト作品にも通じるなと。
私もダンスの世界のほんの一部しか知らないけど、パイト作品やこれや後述するYOSOを観てると、コンテンポラリーダンスの一つの潮流として群舞でどう面白い表現をするかってのがあるのだなと(当たり前か)。そして、同じテンポで縦横に動き突然方向を変えるっていう表現(この公演の2作品や、JDPの夏ノ夜ノ夢の第二部に出てきた)や、動物の群れのように部分的に不規則なスパイクがある表現は、今欧州のコンテの世界で何だか流行ってるのかな、と思った。
あと、ストリートダンスでもボディコンタクトを使うと表現できるものが広がるんだなっていうのも楽しかった。リフトのようなものもありました。
この作品、最初と最後にダンサー達が「礼」をするのが印象的。フランスで活躍している振付家さんなので、フランスから見た日本のイメージなんでしょうか。あ、ちなみにダンサーの衣装は白シャツに黒いベストと黒いパンツ、ストリートダンスだけどクラシカルないでたちでした。

◆東京ゲゲゲイ女学院
演出:Mikey
振付:東京ゲゲゲイ、Ryota Takaji
音楽:Mikey, 安宅秀紀、園畑貴之
出演:東京ゲゲゲイ(Mikey, Bow, Marie, Miku, Yuru)

私の推しの勘九郎丈が注目してるとどこかで発言してらしたので気になっていた東京ゲゲゲイ、初めて観た!
女子高生がテーマということで、衣装はセクシーなゴシック入ったようなテイストのセーラー服。舞台上には学校にあるような机と椅子、そしてロッカーも。舞台の手前には扇風機いや送風機が・・・。日本の漫画の世界から抜け出してきたような風貌の5人ですがリーダーMikeyさんのやや演歌調の歌にのせた上半身の動き中心のダンスはキレッキレで圧巻、かっこいいー!カリスマ的な人気らしく、この日も赤く光る棒(電池式のようなのでサイリウムとは言わないと思う)やゲゲゲイTシャツを着た熱狂的なゲゲゲイファンが多数客席にきてました。この人達をフランスツアーに、という企画を考えた人すごいな。フランスでは日本の漫画は人気だし、このパフォーマンスはかなり喜ばれるのではないでしょうか。
ところで終演後、ホワイエで皆様の素顔をお見かけしたのですが、Mikeyさんは美しいし残りのメンバーはの中にはまだあどけない少女の面影が残る人もいて、みんな可愛かった。フランスツアー楽しんできてくださいね!

◆YOSO(Elements) 要素
振付:Kader Attou (カデル・アトゥ)
音楽:レジス・バイエ
出演:Hayate, Jona, Katsuya, Sakyo, Takashi

五大要素の地、火、水、風、空を表現した作品。私は特に思想的なものは感じなかったのですが、セットもないなかで地味な衣装のダンサー5人が音と体だけでこれらのイメージを表現していくのは面白かった。それにしても、今回の公演で使われていたストリートダンスの舞踊言語を見ていると、物凄く地面を意識したダンスで、まるで大地と勝負しているみたい。大地に向かって踊るけどその大地の重力からいかに逃れるかを常に意識しているというか。バレエが上へ上へと向かうのと正反対。この作品は途中でかなり各ダンサーがテクニックを披露するシーンがあって、純粋にうわ凄い!と声出そうになるところもたくさんありました。

赤レンガ倉庫の公演の常として、終演後はミニレセプションがありました。これ、観客も参加可能なんですが、あまり大々的に告知はしてないようです。カデル・アトゥさん、ジャンヌ・ガロワさん、Mikeyさんから一言ずつご挨拶がありました。これからフランスツアーということで、皆さん一緒にしばらく仕事できるのが楽しみ、というような内容。ボケボケですがその時の写真です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?