大和

佐々木三夏バレエアカデミー SUMMER CONCERT 2018

2018/8/10金 18:00- やまと芸術文化ホール

昨年お邪魔して、超充実の内容に驚いたSBAの夏の公演、今年もまた行って参りました。新国(+元新国)のダンサーが多数参加+菅井円加さんまでいるという豪華キャスト。そして、振付家・宝満君の才能を堪能!新国本家よりも(元)新国ダンサーさん達を活かした公演で、芸監の力の差というのはこういうところに如実に出るなと感じた次第。

★国を越えて行く物語の旅1

■千夜一夜物語

振付改訂/鈴木未央
曲/Fikret Aminov

シェヘラザード: 五月女遥
シャリアール: 貝川鐵夫
シンドバッド: 木下嘉人
少女: 奥田花純
アラジン: 奥村康祐
姫: 相原舞

シェヘラザードとシャリアールがメインの登場人物で、その中にシンドバッド、アラジン、アリババなどがディヴェルティスマン的に登場。振付は際立った特徴があるわけではないものの、教室の生徒さん達をうまく使いつつメインロールはしっかり踊れる人で構成しているあたり、上手だなと思いました。

五月女さんの、しっかりした体幹と抜群のリズム感から繰り出されるキビキビとキレある踊りが堪らなくいい!!貝川さんは背の高さといいい演技力といいシャリアールにぴったり。あと奥村さんのアラジンの演技が愛嬌たっぷりで、新国のアリスの白ウサギはこの人をおいて他にいないでしょ!って確信しちゃった(キャスト発表になってませんが)。

★国を越えて行く物語の旅2

この第2部は宝満君の2つの作品で構成されていて、ここが作品的には物凄く面白かった!

■三匹の子ぶた
振付: 宝満直也
曲: ディミトリ・ショスタコーヴィチ
菅井円加、八幡顕光、福田圭吾、池田武志

2016年秋、新国のDance to the Futureで初演された作品の再演。初演時に小野絢子さんが演じていた妹役を菅井円加さん、他は初演時メンバー。ちなみに、初演時の感想はこちら→ http://kikoworld.blog.fc2.com/blog-entry-223.html

再演を観ても、本当によくできた作品だなと唸ってしまう。あのショスタコのこの音楽(ピアノ三重奏第2番ホ短調Op.67より第4楽章)に三匹の子ぶたのストーリーを乗せるという発想が秀逸で、この作品のために創られた曲なのか、と思ってしまうような、はまりっぷり。そして、キャストの持ち味を活かした振付も見事!特に池田君の狼はもう、ゾクゾクするほどかっこいいのだ。八幡さん、福田さんも、再演になって更にキャラクターが濃くなっていたような^^
妹役の円加ちゃん、絢子姫とは全く違う役作りで流石です。彼女の子ぶたちゃんは、年は下だけど実は家族の一番の権力者で、あと、妹というよりは弟っぽかったな!でも彼女の踊りは本当に、観るものに元気を与えてくれるなぁとつくづく思います。そういえば噂によると彼女、この振付は一日で覚えたのだそう・・・流石。

■Ebony Ivory
振付: 宝満直也
曲: フィリップ・グラス&マイケル・リーズマン
米沢唯、宝満直也

宝満君の新作、素晴らしかった!唯ちゃんの身体能力を限界まで使った振付も素晴らしいうえに、中に人が出入りできるスリットの入った黒い移動型の壁の使い方や、照明など、演出が面白かったところで更に評価アップ。振付できる人というのはよくいるけど、ステージのトータルコンセプトを考えられる人ってそんなに多くない。
更に付け加えるなら、彼はパドドゥを振付けるのも上手いなと思った。DTFのときの五月女さんとのPDDは情感にあふれて忘れがたい作品だし、今回のはそういうベタな関係ではないけど、何故か唯ちゃんが大人っぽく色っぽく見えたし。三匹の子ぶたもそうだけど、彼はダンサーからいろんな味を引き出すのも上手い。

と、ベタボメしてしまいましたが、マジで宝満君は今後日本を代表する振付家になっていく素質を持ってると思う。NBAでも振付家としての活躍の場をもらっているようだし、物凄く楽しみです。新国バレエ団はこういう人を活用できないって・・・、運営の視野の狭さが本当に残念。一刻も早く、都さんに芸監になってほしい。

★国を越えて行く物語の旅3

■ゆきひめ
原案: 井上博文
構成: 椙昌郎
振付: 関直人
曲: リヒャルト・ワーグナー

ゆきひめ: 小野絢子
若者: 福岡雄大

絢子姫と雄大王子のペアは日本の国宝だわという思いを新たにいたしました。ワーグナーのトリスタンの音楽に載せて語られる雪女のストーリー。絢子姫は役に入り込んだ深い演技で本当に素敵だった・・・。登場したとき、彼女の周りには冷気が漂っているようだった。雄大王子もそれに応える情熱的な演技。
作品自体は、元々は「若者」の役以外は日本舞踊だったそう。女性の衣装がドレスの上に打掛みたいなものを羽織っていたり、振付にも日本舞踊風な名残が残っていました。これ、日本舞踊のままにしておいた方が、作品としてはユニークだったのじゃないかな、とは思います。女性パートを洋舞にしたことで、ストーリーこそ違うものの、ジゼルや白鳥の群舞とさして変わらないイメージにも。
とはいえ、これは絢子姫と雄大王子の至芸が観られたのでよし。

来年もまた観に行かなくては。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?