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優しさにも技術が要る

プログラミング研修を経て、技術面でもそれ以外の面でも、本当にたくさんの学びを得た。中でも特に心に残ったことを記しておく。

それはタイトルにもある通り、優しさにも技術が要る、ということだ。

それを実感したのは、最終課題として出たとあるシステムの発表会をしているときだった。本の貸し借りを管理する、図書館で使えるようなシステムを各自が作るという課題で、最低限の要件定義はされているけれど、それ以外の追加機能は自由に付けてもOKだよ、というもの。

コーディング前の設計時、わたしは色々な追加機能を考えた。貸出日を入力すると、自動で2週間後の日付が出てきたら便利だな・作者名や出版社から本が検索できたら便利だな・ログイン時のパスワードを暗号化して登録するようにできたら安心だな、などなど。だけど結局技術と時間が足りず、ほとんど実装には至らなかった。

迎えた発表会当日、ほかの同期のシステムには様々な追加機能が実装されていた。UI/UXともに、ユーザーのことを心から考えて作ったことが窺えて、やっぱり凄いなぁと感心した。

プログラミング研修を担当してくださった講師の方が、同期の一人にこんなことを言った。

「ユーザーのことを細かく想像し、その方が使いやすいようにシステムを作ったことがよく分かり、○○さんは本当に優しいなと感じました」

たしかになぁ、と思った。

考えただけでは駄目で、実装しないとその優しさは伝わらない。いくら想像力を働かせたとしても、技術がないと、結果に出さないと、相手は感じ取ることができないのだ。

唐突だけど、わたしはエンジニアに対する偏見を持っていた。冷淡で、いつでも論理的で、正直「優しい」というイメージは無かった。だけどこの研修を経て、イメージがガラリと変わった。

自分が作るシステムを使う、顔も知らないどこかの誰かのことを徹底的に考え、その人たちが快適に使えるように、何度もエラーやテストを乗り越えて実装する。本当に本当に、心の優しい人たちなのだ。

もちろん、思うだけの優しさが必要なときもある。ただ黙って話を聞いて、特に解決策を提示しなくとも寄り添うときもある。ただビジネスというフィールドでは、優しさに関しても結果が全てということもあるのだな、と、今回の研修で実感した。

黙って寄り添う優しさと、技術を駆使し、結果を出して相手に伝える優しさ、そのどちらも使える人になれるよう、これからもっと精進したい。

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