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大学の数学ってなに?哲学なの?

こんにちは。キクブログです。

突然ですが皆さん、大学の数学って言われて、どのようなものを想像しますか?
ぱっとこれだ!と言える人はさすがに少ないと思います。
そこで今回は、大学における数学とは何なのか、そして僕はどのような数学を専攻しているのかを説明していこうと思います。

余談

ここで少し詳しい自己紹介
キクブログは現在22歳。ある旧帝大学の理学部数学科所属の4年生です。
成績は中の上くらい?なのかな(笑)
勝手に言ってるだけなので気にしないでください。

大学の数学とは

4種類の数学

数学ってただ言われても幅が広すぎるので、もう少し詳しく分けていきます。数学は主に4つの分野に分かれています。

  • 代数学

  • 幾何学

  • 解析学

  • 数理科学

このように分類することができます。

代数学

代数学とは、数や式に対して加減乗除(足し算、引き算、掛け算、割り算)を行うことで起こる様々な現象に対して研究を行う学問。

幾何学

幾何学とは、図形や空間の性質を調べ、色々な図形等の形や性質を調べる学問。

解析学

解析学とは、主に微分、積分を用いて、関数の性質等を研究する学問。

数理科学

数理科学とは、現代社会における科学技術の発達で起きる問題を解決したり、自然と社会の現象を数学やプログラミング言語を用いて紐解いていく学問。

簡単に説明するとこんな感じです。
※この説明は高校生でも分かるようにしてあるものなので、厳密にいうと少し違く点はいくつかあります。

このように、一括りに数学といっても、4つの分野で全く違うものになります。

高校生が数学に対して感じる疑問第1位→「数学勉強して何の役に立つの?」がありますね。この質問に対して僕が返答するならば、「数理科学以外は日常生活には何にも役に立ちません!」というものになるでしょうね。

なぜこのような結論に至るかというと、それは数学が、すべての学問の根本となっている学問であるからなのです。

全ての学問といっても、主に物理学や化学がメインとなります。

ただでさえ物理学や化学における現象は日常生活とは結び付けづらいのに、その現象が本当にいついかなるときも成り立つのかを検証する、即ち裏付けるために必要な学問が数学なので、日常生活との間には大きな壁があるのです。

普段この現象はどのような条件のときに成り立つのだろうか?といったことは逐一考えないですよね、、(笑)

ただし数理科学だけは、調べる現象が物理学や化学によるものではなくて、日常生活の中で起きるものであるため、他の分野よりは日常生活に近しくなるのかもしれません。

このように、数学はかなり専門性が高く日常生活とは乖離している学問です。

僕が専攻している分野について

では僕がこの4つの中で何を専攻しているかというと、「代数学」です。

ではこの代数学がどのような学問であるのかを僕なりに分かりやすく説明していこうと思います。

導入

代数学の導入は主に2つあります。

① 加減乗除の対象範囲の拡張

何か漢字ばっかりになってしまいましたが、これは要は、「足し算とは掛け算とかって、数や式以外にもできないのかなー?」ということです。

高校までの数学は、数や式に対して計算を行ってきましたが、もっと色々なものを足し算とか掛け算できた方が世界が広がるとは思いませんか?!

そこでまず初めに行列や写像というものを導入します。
聞いたことだけある人は多いかもしれません。


行列


写像

このようなものですね。

このように、数や式以外のものに対して、足し算はこのように計算します!のように、計算方法を決めることによって、計算の世界を広げるのです。 

②計算の拡張による問題点の発生

導入①で書いた通り、数や式以外のものに対しても計算を行うことができるようになるのですが、世の中そんなにうまくいきません。

計算の対象範囲を広げたことによって、悪影響(言い方悪いですが)が出始めるのです。

例えば、a × b = b × a って今までは当たり前に成り立っていましたよね。ですがこれが成り立たない、即ちa × b ≠ b × a となってしまうパターンが出てきてしまうんです。
ちょっと嫌ですよね~。

他にも、a × b = 0 のときって、今までは絶対aかbのどっちかは0だったのですが、これからはaもbも0じゃないのに、a × b = 0 となってしまうパターンも出てきてしまうんです。

こんな感じで、今まで当たり前のように感じていたことがどんどん成り立たなくなってしまうんです。

軽い展開

「成り立たないことがある、だから何だ」、と思う人もいるかもしれません。ですがこれ結構緊急事態なんです。

実は高校の数学までに習ってきたほとんどの定理とか公式って、この当たり前のことを前提として定められたものなんです。

これは、「今まで習ってきた定理や公式が、今この状況においても本当に正しいのかを検証し直す必要がある」、ということを意味するのです。

このようにして代数学を学んでいくのです。

これは本当に序盤の中の序盤の話で、さらにもっと色々な話があるのですが、すべて書くとさすがに皆さん読む気が失せてしまうのではないかと思うので、今回はこの辺にさせていただきます。(笑)

大学の数学って哲学?

大学の数学に少しでも興味を持ってくれたことがある方だと聞いたことがあるかもしれません。なぜこのような言葉が出てきたか僕なりに考えていました。

先程、今まで当たり前に使ってきたものが使えなくなることを説明しましたが、これは、「今までとは別の世界で数学を行っている」とも言えると僕は思っています。

少し数学から離れますね。

例えば月の重力は地球の重力の1/6倍ですよね。
なので、地球人が「野球ボールって1秒で○m落ちるよね!」と月の住民に言っても、月の住民は「は?」ってもちろんなりますよね。だって住んでる世界は違うしルールも異なるんですもん。

数学もこの話と同じで、私たちが知らないだけで、僕たちは今まではある世界の中で数学をしていたんです。それが大学の数学になると、その世界の外側で数学を行わなければいけなくなった、ということです。


イメージはこんな感じです。
画像では分かりやすいように大きめに書きましたが、高校までの数学はざっと全体の3%程なのかなーと僕は思っています。

このように、外側の世界のようなことを考え始めるので、日常生活とはあまりにも乖離し過ぎていて、大学の数学は哲学と呼ばれるようになったのかなと思います。

ですが初めに言った通り、数学は全ての学問の根本となっている学問なので、僕は数学は哲学ではないと思っています。

以上で今回の記事は終わろうと思います。
この記事を見て少しでも数学に興味を持っていただけると幸いです。

お読みいただきありがとうございました。


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