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民放の4月改編キャッチコピーを全部集めてみた

この時期は改編の時期です。

今年、「めちゃいけ」や「みなおか」など長寿番組が打ち切りになってしまうことはご存知のかたも多いでしょう。

フジテレビが歴史的な改編をする年ですが、各局も「打倒日テレ」に向けて動いています。

改編時期になると各局は記者会見を開き、「改編のテーマやキャッチフレーズ」を発表します。

このテーマに色々な想いが込められているのです。

僕ら放送作家はテレビ局の方たちよりは客観的にテレビを見れるので、各局の4月改編のテーマを並べて戦略を見ていこうと思います。

テレビの視聴率戦争は知れば知るほど面白いですし、実はテレビは編成が一番大事なのです。

まずはフジテレビから。

フジテレビ

これはフジテレビが打ち出した4月改編のテーマです。

その名の通りの大改編を行います。2015年春の改編に次ぐ二番目に改編率の高い改編です。

以下、編成部長のコメントです。

「正直、今のフジテレビのイメージをすぐに変えるのは難しい。視聴者の皆様に見ていただくには時間はかかると思う。だからこそ真摯(しんし)に取り組んで、思い上がることなく見ていただける番組を作るしかない

と、なかなかに厳しいコメントです。2015年に40%近くの改編をしましたが、その後も今に至るまで長い低迷から脱出することができませんでした。

変わる、フジ 変える、テレビ

万策尽きた。

という状況なのかもしれませんが、並々ならぬ決意がテーマから伺えます。

このテーマにあるように、「フジテレビという会社を変える」ことに重きを置いているんだと見てとれます。

フジテレビは去年から、企画プレゼン大会をやったりネットとの連動活動に力を入れ出すなど、改革に向けての施策を打ち出しています。

一種の大企業病からの脱却を目指しているのです。

僕個人的にですが、これらの施策は時間がかかれど効果が出てくるに違いないと思っています。

目先の視聴率にとらわれなければ、視聴率は改善していくはずです。

次はテレビ東京。

テレビ東京

我が道ををいく」で有名なテレビ東京ですが、視聴率は冴えています。

もっとテレ東らしく

テレ東らしい企画、つまり素人の良さを引き出したり社会派的なことやったりする企画が成功しているからこそ、「この路線を継続する」ことができるのです。

テレ東っぽい企画で世間にも通用しているので、世間にもテレ東の良さが浸透しています。他局とは明確な違いを出すことに成功したのです。

フジテレビがかつてタレント力を持っていたならば、テレ東は企画力で勝負してきました。その結果が出ているのかもしれません。

次はTBSです。

TBS

視聴率的に日テレに唯一対抗できているテレビ局はどこかと言われればTBSだと誰もが答えるでしょう。

同局は昨年、ゴールデン帯(午後7~10時)の平均視聴率で10年ぶりに民放2位に浮上した。

数値がはっきりと出ました。それに伴い、今回は4.3%しか改編されていません。

 現在のレギュラー番組の好調さを表すように新番組は少なく、全日帯の改編率は4.3%。データの残る89年以降の春・秋の改編で最も低い数字だ。

あまりイジらずに番組を継続させて視聴習慣を作る。

これは日テレがやっている戦略ですが、TBSも現状の好調な番組を1日でも多く継続させて常連の視聴者を作り出そうと考えているのです。

これも視聴率が良い番組が数多くあるからこそできる戦略です。

次はテレ朝。テレ朝はキャッチフレーズを作っていなかったので、言葉から。

テレビ朝日

テレ朝は去年の春で大改編をしましたので今年は抑え気味の改編です。

プライムタイムでの視聴率の下げ幅が大きい状況ですが、報道を主軸に置きながらいかにして闘っていくのか、といったところでしょうか。

正直なところ、具体的にどうするのかが会見内容や記事から見えなかったです。

日本テレビ

日本テレビはほとんど改編していません。

それだけ既存の番組が成功しているということです。

このリブランディングという戦略は今後のテレビの一つのキーワードになっていく重要な単語です。

いつでもネットで見れるのがネット番組ですが、テレビ番組は決まった時間にテレビの前に座ってリモコンを合わせないといけません。

その視聴習慣をつけるには、「何曜日の何時からはこの番組!」と視聴者の脳内に鮮明に記憶させる必要が有ります。

そのためにはコロコロと番組を変えてはいけないのです。

日テレは視聴習慣を作れた番組を多数持っています。

この番組を今後も末長く人気番組にたらしめるためには、番組内で新しいことをやらなければいけません。

これがリブランディングです。

イッテQがイモトさんの登山に頼りきっていてはやがて視聴率は下がってしまいます。新しい何かを見つけ、番組の方向性さえも変えてしまうようなイノベーションを起こしていく必要が有ります。

日テレはその覚悟が決まりました。

それが2期連続の改編率の低さに出ているのです。

テレビは一発で業界地図が変わる

日テレの独断状態であることは疑う余地ありません。

しかしながら、各局、虎視眈々と王座の位置を狙っています。

テレビは「雰囲気」さえできれば一気に捲れます。

一本でもいいのでホームラン級の番組が出せればそれが局内に波及して状況を一転させることができます。

一本の番組で負の連鎖を断ち切ることが可能なのがテレビの面白いところです。

その一本が出るまで我慢できるかどうか、それが試されてるんじゃないかなと思います。

僕にはそんな番組を作れる自信があります。





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