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#25 もしも菊田圭に「ビューネ君」のオファーがきたら

ピコンッ



俺「ん?聞くだけ屋のTwitterにDMがきたぞ。ご依頼かな」



メ『はじめまして、私、日本メナード化粧品株式会社営業広報担当の三国と申します。突然のご連絡申し訳ありません。』


俺「日本メナード化粧品株式会社…?





 

え?メナードってあのメナード…?え??
なになに…?



『この度、弊社の人気商品である「薬用ビューネ」の新しい広告モデルを社内で検討いたしました結果、「薬用ビューネ」のモデルである「ビューネくん」に菊田さんがピッタリということでぜひともご検討いただけないかと思いましてご連絡させていただきました。詳細の程は一度お返事をいただけましたら、菊田さんとの話し合いの上でお伝えさせていただきたいと思っております。お返事をお待ちしております。

日本メナード化粧品株式会社 営業広報 三国』





俺「え?え?え?なにこれ?ビュ、ビューネくんてあのビューネくんでしょ?今は確か竹内涼真がやってるやつじゃない?
どゆこと?どゆことなの?待って意味わからん。なんで俺のところに?詐欺?詐欺かなこれ。いやでもTwitterのアカウントは公式っぽいな…。えなに?わけがわからん…」

俺「どどどうしよう…どうすればいいんだ…。
と、とりあえず返事してみようか」


『ご連絡ありがとうございます。突然のことでパニックになっておりますが、とりあえずどういう感じなのか詳しくお話聞かせていただけませんでしょうか』



っと、これで送ってみよう」



1時間後…



ピコンッ


俺「わっ、返事きたよ。どれどれ…


『早速のお返事ありがとうございます。もしよろしければお電話でお話いかがでしょうか』

電話か。

『わかりました。ではLINEからお願い致します。』

っと」



ブーッ ブーッ


俺「わっ、きたぞ。もしもし」

三「お忙しいところ申し訳ありません。メナードの三国と申します。菊田さんこの度はお返事ありがとうございました」

俺「あ、どうも菊田と申します。こちらこそありがとうございます。なんか、どういうことなのか全くわからなくてパニックなんですが…」

三「そうですよね。話の趣旨と致しましてはDMで送らせていただきました通りなんですが…単刀直入に、いかがでしょうか?」

俺「あの、つまりは…僕が次のビューネくんを襲名してCMとかで宣伝をするっていうことでしょうか?」

三「ええ、そういうことでございます」

俺「い、いやぁ…ちょっと信じられないですね。だって僕全くメディアに出てないですよ?ど素人じゃないですか。自分で変な動画は上げてますけど、あれだってTwitterじゃ再生回数10回とかですから全くバズってないですし。誰も僕のこと知らないと思うんです。てか僕イケメンじゃないし、肌も別に綺麗じゃないですよ?」

三「それです!それなんですよ!」

俺「え?そ、それって?」

三「今の世の中、嘘をついても画面越しにわかってしまうんです。ありのままの自分を出すことが沢山の人の共感を呼ぶと私共ら思っています。菊田さんのそのありのままの姿こそ今の時代にマッチしている最も理想的な形なんです!全くバズってないのに動画を上げ続けてる健気さ、そこに必ず沢山の人が共感すると確信しています」

俺「は、はぁ…。(この人俺のありのままなんて知らないじゃん。今ここで俺がどんなエロ動画観てるか教えてやろうかな)」

三「そして、イケメンかどうかを決めるのは自分ではありません。決めるのは世の中と時代なんです。安心してくだい。菊田さんはイケメンです。しかも時代を超越している…。まさに未来永劫イケメンなのです」


俺「(嘘ついてるやん。んなわけねーだろ)ちょ、ちょ、ちょっと考えさせていただいていいですか?とてもすぐには決められなくて…」

三「ええ、もちろんです。ぜひ前向きにご検討ください。1週間後にまたご連絡させていただきますのでその時にお返事をいただいてもよろしいでしょうか?」

俺「わ、わかりました。お手数おかけします。はい、失礼します」

カタッ…(スマホ置く)


俺「ガチだったぁぁあ!!はぁ…こりゃ大変なことになったぞ。どうしたらいいんだろう。俺の人生どうなってんだよぉ…


と、とりあえずビューネのCM観てみるか」

※画像をクリックすると動画が観れます





俺「ふむ…なるほどね。





おいおいなんだこりゃ!まるで女の夢を叶えるようなCMじゃねぇかよ!絶対俺じゃねーだろ!こんなんしたことねぇよ!
てか近い近い!近いのよ距離が!女優とめっちゃ目合ってるんだけど!石になっちまうから!!女はメデューサだから全員!


《今日も頑張ったね。おつかれさま。うん 肌ぁいい感じ》


言えるかぁおい!!なんやそれ!!言えるわけないやろ!!


絶対無理じゃね?そりゃ役者みたいな仕事、憧れるし興味あるけど絶対俺この枠じゃないでしょ。血迷ったかメナードさんよ。どう考えても無理だよ。




三《菊田さんはイケメンです。しかも時代を超越している》


時代を…超越…?俺ってイケメンなのかな…。


(鏡を取り出す)






なんか、言われてみれば…目は割とぱっちりで、別にパーツ自体は全然悪くないなぁ。


じゃあなんで…


ベース?グラウンド?土台が悪いってことなの?

そうか、致命的に丸い!丸顔が半端ないのか!

よく考えたら丸顔のイケメンっている?聞いたことない!丸顔って時点でイケメンの枠から外されるんじゃない!?


ググってみよ。





いやいるんかい!!てかこいつら丸顔なの?丸顔だとしても顔が小さすぎだろ。ざけんな。
てか髪型じゃね?丸顔で坊主ってのが最悪なんじゃね?えーでももう伸ばしたくないんだよなぁ。だってハゲてきたから坊主にしたんだもん。薄くなってきたの気にしてるのがイヤだったからさぁ。だから坊主でいさせてくれよぉ。


じゃあせめて痩せればいいんじゃないか?そしたら丸顔が少しおさまるかも…。じゃあ一体どんだけ痩せればいいのよ…10キロは痩せないとだろうなぁ。




おい待て…いつの間にかイケメンって言われた
のを受け入れてるやん!まんざらでもない自分がウゼェ!信じてどうする!なにやってんねん!あんなん営業文句だ!嘘に決まってるやんけ!



ああぁ、パニックだ…パニックになっていますよこれは。
俺は一体どうしたらいいんだ…はぁ…











1週間後 ーー




 

ブーッ ブーッ

俺「はい、菊田です」

三「もしもし、お世話になっております。メナードの三国です」

俺「あ、どうもお世話になっております。わざわざお電話いただいてありがとうございます」

三「とんでもございません、先日お話したビューネ君のお話の件なんですがご検討いただけましたでしょうか?」

俺「はい、その件なんですが…


  





やはり今回は遠慮させていただこうかと思ってます」






三「あぁ、本当ですか。ちなみにどうして…?」



俺「そうですね。んー、確かにCMって出ることって凄いことなのかもしれませんし、聞くだけ屋の周知にも凄く効果があると思うんで、絶対メリットの方が多いんじゃないかって思うんですけど…でも僕、人気者や誰かの憧れになりたいわけじゃないんです。光に当たってみたい願望もないわけじゃないけど、なんか…なんか引っかかるんです。自分は影で誰かの力になれたらって思うし、影にいる人の理解者でもありたいんです。だからCMってちょっと自分には合わないのかなって思って…」


三「なるほど…そうですか。わかりました。残念ですがそういう事なら仕方ないですね。納得しました。ご検討いただいてありがとうございました。菊田さんに代わる新しい人を探すのは大変になりそうです」

俺 「いやいや、僕の代わりなんていっぱいいますから笑」

三「実は共演する女優さんはもう決まってまして、かなり大物の方なのでその方と釣り合うのは菊田さんしかいなくて…」

俺「あ、そうなんですか。なんかすいません。
あの…ちなみに…どなたなんでしょう?」

三「実は菊田さんを迎えるという過去にない超ビッグプロジェクトだったので今回は2人いらっしゃるんですが…」
 


俺「ふ、2人ですか…」




三「はい。えー…





吉岡里帆さんと永野芽郁さんにお願いしているんです…」




いるんです いるんです いるんです(エコー)






俺「」(ゴゴゴゴゴ……)










1ヶ月後…









AD「聞くだけ屋の菊田圭さん入られまーーす!!」












fin.






イケメンのCM観ると、自分がやったらどんな風に世界がひっくり返るかなぁとか妄想してます。










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