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フィクションなのに妙にリアル。|漫画『死役所』

10月からドラマ化するとのことで

少し前に読み始めた漫画『死役所』。


死後の世界に“役所”があり、

成仏する前に自分の死について

手続きをしなくてはならないという設定。


『引越しをしたときに役所で届け出を出す』

という“日常”を

『死後の世界』

という“非日常”に当てはめるという発想にまず脱帽。



斜め上の発想、好みです。




救われない内容


そもそもが死後の世界の話なので、

正直、ほぼ救われない。


心温まるストーリーがあっても

最後に残る感情は“切ない”


少女漫画慣れしている自分としては

ハッピーエンドではない結末に

なんとも言えない気持ちになるけれども、

そのもどかしさが妙にリアルで逆に心地良さすら覚える。



「ハッピーエンド」でもなく

「絶望」でもない

なんとも言えない感じは、


最近、

ドラマ『あなたの番です』で感じた

“なんとも言えない感じ”

に近い印象かなぁ。。。



“ミステリー”としては

事件が解決して「よかった」と思う部分はある。

(伏線未回収などは置いておいて)



けれども、

“翔太くんと菜奈ちゃんのラブストーリー”

または

“どーやんと黒島ちゃんのラブストーリー”

という観点で見ると

やるせない気持ちになる。


「あれもこれも全てが100%ハッピーエンド!」

とならないのが、

妙にリアルで大人心をくすぐるなぁ…と。



昔はもっと夢見た感じのハッピーエンドが好きだったけれども、


そうではない物語も受け入れることができるようになってきたことに

自身の精神的な成長を感じる。


人間観察ができる漫画


『死役所』物語の中には

いじめを受けていたために

自ら命を絶つことを決めた少年も登場する。


この少年にとって、

自ら命を絶つことは

ある種の最後の“希望”でもあったようだ。


自ら命を絶つことを肯定するつもりは

サラサラないけれども、

自らの人生において感じたことのない価値観に

ハッとした気持ちになる。



たくさんの人の「人生」が描かれたこの漫画。


ある種の「人間観察」ができるため、

人の心理についての勉強になる部分も大きい。



「感動」よりも「哲学」


総じて、

胸キュンやトキメキ、

または大きなショックやハラハラした感じなどはそれほど強くなく、

読み進めることのワクワクはありつつも

比較的淡々とした感じの内容。



個人的には、

「感動」を求めて読むというよりは

「何を学び何を感じ取るか」

という哲学書近いスタンスの漫画だなーと。





ストーリーにどんどん惹かれてしまい大人買いしたくなるので

その点にはご注意を…!^^












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