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朝ドラ「虎に翼」のモデル、三淵嘉子さんのかっこいいエピソード

朝ドラのモデルで、女性で日本初の弁護士となった三淵嘉子さん。
フィクション要素の強い朝ドラのため、実際のエピソードが気になり、
「三淵嘉子の生涯(佐賀千惠美著)」を読んでみました。
女性の地位が男性よりも低かった当時、男性同等の"権利"を求めると同時に、己に厳しく仕事においてその"責任"を果たし、生涯を全うしました。
彼女の生き様は、母となっても仕事に邁進することへの勇気と希望を与えてくれ、同時に、母であることに甘えたくなる自分の頬をたたいてくれます。

裁判官登用を直談判

三淵嘉子は明治大学法学部を卒業後すぐに、一発で高等試験司法科試験に合格します。
戦前の当時、女性は弁護士にしかなれませんでした。

しかし、戦争が終わり制定された新しい憲法は「男女平等」を謳っています。
そこで嘉子は、女性でも裁判官になれないはずがない、と自身を採用してもらえるよう人事局に掛け合うのです。

ポイントは「同じ試験を通っているのに、男女で差別されるのはおかしい」そして「憲法違反である」と主張する点。
聡明で論理的な法律家の彼女らしく、客観的事実法的根拠があるからこその直談判です。
「同一の基準で、同等の能力がある」からこそ、独りよがりではなく、真っ当な憤りだと認められるわけです。
「女性だから不当に低く扱われているのでは?」という怒りではなく、「男性と同等に扱われるに値する力を示したのだから、同等に扱ってください」と言っている。

もちろん、それを示せる能力があり、能力を伸ばせる環境に恵まれていたからこそですが、実際には「不当に低く扱われていた時代」でありながら、まず自身の努力で、「自分は男性と同等の能力を有する女性である」と示した姿がかっこいいです。


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