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意外!? コテコテ好きな関西人の好物は@プレイバック!データで見る関西人気質

Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質

(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙(廃刊)に連載させてもらっていた署名原稿を要約(改変)して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。


第5回 うどん&パン
意外!? コテコテ好きな関西人の好物は

関西と関東を比較する際に、テーマとしてよく引き合いに出されるのが「うどんとソバ」。確かに関西ではソバ屋よりうどん屋のほうが目につくし、ビジネスマンが頻繁に食べる昼食もうどんである。しかし、果たして関西人は本当にそれほどうどんが好きなのだろうか。そこで、今回はうどんを通して関西人の食生活をのぞいてみたい。

まず、表1は1ヵ月間にどれくらいめん類を消費したかを金額で示したもの。「わんこソバ(岩手)」や「讃岐うどん(香川)」はらなくしているものの、肝心の「きつねうどん(関西)」はベストテンにも出てこない。つまりデータ的に見てみると、関西人はそれほどうどんを食べているわけではないのである。


(表1)1世帯当たり1ヵ月間の支出/めん類
第1位  岩 手  1,858円
第2位  香 川  1,832円
第3位  福 島  1,796円
第4位  秋 田  1,769円
第5位  宮 城  1,727円
※総務庁統計局調査部消費統計課編
 「平成9年度家計調査年報」より抜粋


「そんなん当たり前や。関西の人間が毎日必ずうどんを食べてくれたら、ウチかてもっと儲かるやろ。昼食にうどんを食べるビジネスマンは多いかもしれへんけど、最近はどこのレストランでもおいしいくて安いランチを出してるし、コンビニでおにぎりやサンドイッチなんかを買ってるOLも多い。よその食堂も苦労してるはずでっせ」と言うのは、大阪市北区で古くからうどん屋を営んでいるHさん(59歳)である。

Hさんの言うとおり、確かに関西人が毎日うどんを食べているのであれば、うどん屋は儲かってしかたがないはずである。ならば、関西人はもっとコテコテの食べ物が好きなのだろうか。お好み焼、たこ焼、ホルモン焼…。全国に名をとどろかす名物は数々あれど、意外や意外、関西人の好物は「パン」なのである。

そこで、見ていただきたいのが表2。こちらは1ヵ月間にどれくらいパンを消費したかを表した都道府県別のランキング。まさに一目瞭然。兵庫、奈良、和歌山、滋賀と関西勢が上位を独占している。ここにランクインしていない大阪と京都にしても、その数字はかなり上位に位置している。

(表2)1世帯当たり1ヵ月間の支出/パン類
第1位  兵 庫  3,549円
第2位  奈 良  3,146円
第3位  和歌山  3,104円
第4位  滋 賀  3,015円
第5位  長 崎  2,995円
※総務庁統計局調査部消費統計課編
 「平成9年度家計調査年報」より抜粋


「関西人はなんでもコテコテが好きやと思われとうけど、大きな間違い。それにアホのひとつ覚えみたいにうどんやお好み焼って言われるのも、なんかバカにされてるみたいで嫌やね。実際、うどんもお好み焼も好きやけど、日頃は圧倒的にパンを食べる機会の方が多いですよ」とは、神戸市東灘区在住の会社員、Tさん(33歳)のお言葉。

時代は流れているのである。関西と関東の対決にしたって、いつまでも「うどんとソバ」ではらちが明かないはず。ツユが薄いの濃いので勝負していないで、そろそろ「パン」をテーマにどちらが都会的かを競ってみては?


(あとがき)
関東 vs 関西という構図は、20年前からずーっと繰り広げられていますね。このコラムでは定番の「うどんとソバ」ではなく、「パン」をテーマに関西人の食生活を検証。確かに異国情緒あふれる港町・神戸(兵庫)には、たくさんのベーカリーが軒を並べています。それにしても、うどん、お好み焼、たこ焼、そしてパンと、関西人が炭水化物を好きなのは今も昔も変わらないようです。


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