40代オバサンの骨折日記22「松葉杖でバンドツアーへ」(骨折54日目/手術後41日)

4月30日(火・休)、平成最後の日。眠くて体もだるい。27日から29日までバンドで遠方までライブツアーに行って、昨晩はライブ終わりで新幹線で帰り、12時過ぎに家に着いた。すぐに寝たけど3日間ほとんど寝られてないのでまだまだ睡眠も休息も足りない感じ。

ツアーの行きはいつものメンバーの車で金曜日の晩から出発した。たまたま1人が仕事で遅れて新幹線で来ることになったので、少し車内のスペースが広くなり、足を伸ばせたのでわりと快適だった。手術前に左足にはかされていた血栓防止ストッキングを履いていたのもよかったのかもしれない。目的地のかなり近くまで来たとき、車のトラブルで最寄りのディーラーへ寄り、急遽点検してもらったら、バッテリーの寿命で危ない状態だといわれた。今すぐ止まるわけではないけど、帰りまでもつ保証はないらしい。とりあえず保険会社やらレンタカーやら連絡しまくったけれど、GWでレンタカーの空きがなく、すぐには解決しなかった。時間が迫ってきたのでとりあえず会場へ向かうことに。

会場はとても素敵な場所だけれど、エレベーターがなく2階まで階段で上がらないといけなかった。さらに楽屋が3階で、そこへいく階段が少し怖かった。エレベーターがないと松葉杖で登るしかないので緊張する。ほんとは会場付近を散策したかったけど、階段を何度も上り下りするのが嫌なので、リハーサルが終わってからは仕方なく楽屋に引きこもった。楽屋のトイレのドアがものすごく重い鉄の扉で、片手で開け閉めができなかったので、夫に外で待機してもらい、終わったら開けてもらわないといけなくて面倒だった。元気だったらなんでもないようなことや気付かないことが本当にたくさんある。

ライブが終わって、疲れていたのでわたしと夫だけ打ち上げは遠慮して、主催者がとってくれていたホテルへ向かった。ホテルというよりエアビー用の小さなマンションで、ここもまたエレベーターがなく、しかも部屋が3階だった。階段が狭くてかなり怖かったけど登るしかない。部屋に椅子がなく靴を脱ぐのも大変で、とりあえず持ってきていた車椅子に座って靴を脱いだ。片足だと椅子がないといろいろな場面でとても不便になる。椅子の高さも重要で、低すぎると立ったり座ったりするのがとても大変。松葉杖の段階で旅行にいくなら、自分の使いやすい高さで、ある程度安定感がありできたらあんまりかさばらないような椅子を持っていくのがいいと思う。でも簡易のキャンプ用に折りたたみ椅子なんかは、コンパクトで便利だけど安定感がなくて軽くて、支えにしたら倒れる危険性があるのでよくないし、なかなか持ち運びに向く椅子を探すのは大変だけど…。ホテルの部屋はメゾネットタイプでさらに階段で登ると別の部屋があるようだったけど、もうこれ以上階段は登れないので、下の階の布団で寝ることにした。打ち上げ後に帰って来るほかのメンバーがここを通らないと上に行けないのでちょっと嫌だったけど仕方がない。お風呂はどんな感じかわからないからツアーに来る前からほぼ諦めていたので、持ってきた体拭きシートとドライシャンプーでしのいだ。こんな時期にどうして?と思うくらい寒かったので、汗もかかず全く問題なかった。無理してお風呂で転んだりしたらそれこそ今までの苦労が水の泡になってしまうので、それよりはマシ。

28日は朝から車の作戦会議。いろいろあたってどうにか機材用のハイエースが夜に借りられることになった。機材用なのでシートが簡易だし全員乗れなかった場合は保険でひとり2万まで交通費が出ることもわかり、借りた車の状態を見て無理そうなら、わたしと夫は次の会場へは新幹線でいくことにした。昼からまた昨日と同じ会場へ向かいリハーサル。その間に故障した車はレッカーで運ばれて行った。本番が終わって来てくれた友人たちと談笑しているうちにメンバーがレンタカーを取りに行ってくれて、荷物を積み込む。ひとまずホテルまで全員乗ってみたけど、どう考えてもこの狭さとこのシートで5時間も乗ってられないことはわかったので、やはり明日の移動はわたしたち2人だけ新幹線に乗ることになった。

29日は朝8時にそれぞれ出発。わたしたちは電車と新幹線を乗り継いで次の会場へ向かった。新幹線の指定席は全て完売していたけれど、連休初日とかではないので、1本待っただけで自由席に座ることができてよかった。そしてあっという間に着いてしまった。ほかのメンバーより早く着いたので、車椅子で少し会場付近を散策して、何を食べるか迷って、一度くらいはとその土地で有名なご当地グルメをランチに食べたけど、想像していた以上に全くおいしくなく、たぶんこれが人生で最初で最後になると思った。どうしてこれがこの土地で市民権を得ているのか謎過ぎるくらいおいしくないと思ってしまった。失礼ながらどうして滅びないのか不思議。

会場は古い演芸場みたいなところで、とても良い雰囲気だった。座敷で座布団ひいて宴会するような客席のセッティング。わたしたちは疲れていたのでほかのメンバーが来るまで横になってゴロゴロさせてもらった。会場は3階で小さなエレベーターで上がれたけど、楽屋が2階でそこへは階段でしか行けず、これまた松葉杖での階段移動に苦戦した。その階段がちょっと危っかしいので、本番までまた楽屋に引きこもることに。共演者の演奏を客席でゆっくり見たかったのにとても残念だった。ライブは無事に終わり、バタバタとわたしたちは先に新幹線で帰路に。

なんとか無事に全日程を終えて帰宅できた。今回のツアーは階段の多い会場ばかりでかなり神経と体力を使った。やはり松葉杖での旅行はかなりハードだった。車椅子を借りていてよかった。それでも階段は松葉杖じゃないと上り下りできないので、事前にリハビリで練習していてよかった。疲れているときは腕に力が入らず危ないので、とにかく無理は禁物。でもどうしても行かないといけないときは必ず周りの人に近くでいつでも支えてもらえるように付き添ってもらうこと。GW後半のツアーも頑張らなければ。


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