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監査法人勤めの会計士が得意なこと

西村公宏です。
今日は公認会計士ネタです。
あまり世間には認知されてない謎の生態系、公認会計士のうち、特に監査法人勤めの公認会計士は、謎に包まれているような気がしてます。
なので、中小の監査法人に10年勤務経験のある私の感覚から、監査法人勤めで磨かれるスキル・得意になること、反対に磨かれないスキル・苦手になることを書いてみます。
なるべく、公認会計士以外の人には想像出来ないものを書いてみます。

今回はひとまず、得意な方から。

1.人の話を聴く力、質問力
会計監査がうまく行くかどうかは質問力にかかってます。
全てのとっかかりは、質問(あと分析)から始まりますので。
監査って、英語ではAuditって言います。
これ、聞くという意味のラテン語「AUDI」からきてます。
車のAUDIも英語のaudioもaudienceも同じ語源。
つまり、監査の本質は聞くこと、要は質問力なんですよね。
なので、そのスキルは実務を通じて着実に伸びていきます。

2.プロジェクトマネジメント(主査・インチャージ経験者限定)
会計監査は、プロジェクトスタート時点(3月決算会社だと、6~7月)で、1年間の計画をたてる必要があります。
スタッフのアサインをどうするか、どの時期に何をするか、人・日数ベースで落としこんでいきます。
零細チームだと年間15人日程度ですが、大きいチームだと1,000人日を超えてきます。
これを最初の段階で全部決めるのです。そして、クライアントと日程調整し、監査役やCFO、社長に説明した上で、作業時間の予実分析と見直しをやっていきます。
会計監査にとって納期(監査報告書日)は絶対なので、いい加減なマネジメントは許されません。
なので、プロマネ能力はかなりある方になるんじゃないかなと考えています。

3.事実と仮定・解釈の峻別
会計監査は、ひたすら「裏とり」の作業です。
そして、その「裏」は事実である必要があり、仮定や解釈であってはいけません。
なので、事実なのか解釈なのかは結構敏感になります。

その他、Excelに強くなるとか、多少の徹夜は平気になるとか、ビジネスを俯瞰する力がつくとか、エナジードリンクの飲み過ぎは身体に悪いことを実感するとか色々あります。

ひとまずはおしまい。
次回に、監査法人では身につきにくいこと、苦手なことに触れてみます。

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