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監査法人勤めの会計士が苦手なこと

上記記事の続きです。次は苦手なこと。
パッと思いつくことを3つ書きます。
これは、監査法人勤務中は私自身も気づいていなかったことで、
転職してから苦労しております…。

1.営業力
会計監査を提供しているクライアントにコンサル契約を同時提供する等、
関連商品を売り込むことはルールで禁止されているので、
そういった意識を育てることが出来ません。
非監査業務でも、それに関するルールを熟知すれば色々とできることが
実はいろいろとあるのですが、営業出来てる人は少数という印象。
私もまったくそういうセンスはありませんでした。
転職してから、この点でとっっっても苦労しております。
なお、この差異は有報の開示に現れます。非監査業務の提供額って、
開示の対象なので。それで、営業力の差異がちょっとわかります。

2.商品開発力
会計監査はルールに守られた絶対に無くならない既得権益業務。
なので、新たな商品を生み出さなくても食っていけるんですよね。
ジリ貧なことを気にしなければ、スタッフの安月給を代償に
収益を維持することができます。
「監査時間を削減する」という業務改善には長けているかもしれませんが、
新しいものを生み出す革新力は育ちません。ディスイノヴェイション。

3.謙虚さ
若いうちから「先生」「先生」と言われて、勘違いしゃちゃいけないのは
監査法人勤務時から気づくことですが、残念ながら謙虚さは身につかない。
既得権益で商売していると、どうしてもこうなっちゃいます。
話す内容・メール一つをとっても、どこか「上から目線」がとれません。
転職後の会社で提案書を作成した時に、めちゃくちゃ言われました。
メールも「どこか無機質で顧客に寄り添ってない。なんとかならない?」
と言われたものです。

パッと思いつくのは以上です。
営業力は、得意な質問力を活かせればとても伸びますし、商品開発力は専門家としての知識や多くの優良企業のベストプラクティスを知っていることで伸びる余地はいくらでもありそうなのに、監査法人内にいると、よほど意識しない限り伸びない印象です。

あと、2.と3.は資格専門家共通の悩みに感じます。
例えば、正直言って税理士も同じです。
もし、転職して他業種に飛び込む場合は、これらが弱みだと理解した上で挑むと、期待ギャップに悩まされることなく新しいことに取り組めると思います。

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