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光る君へ⑩吊り橋効果

遺体を埋める作業をまひろと行ったあと、道長からのラブレターが熱を帯びてきた。
「思ふには 忍ぶることぞ 負けにける 色には出でじと 思ひしものを」

密かに思いつつ耐え忍ぼうと思ったのに恋心が抑えきれない。
表には出すまいと思っていたのに・・・

どうしたの?道長。
その後も、ひとめ会いたいとかあなたに会えるなら死んで良いとか。

まひろの返歌が陶淵明とは。
当時16、7歳の彼女が選択したものは陶淵明の漢詩。

道長が相談した友人から、それは志を読んだものでは?とアドバイスをもらう。
こころざし・・・。

陶淵明が役人として生きたことを悔いて、権力や富とは無縁のところに生きるという志の詩。

だから道長は、藤原を捨ててまひろと無位無冠で生きたいと訴えたのだ。
ああ。純粋・・・。

だけどまひろはそれを選ばなかった。
なんで?

ここで宿命という言葉が。
道長は政治で人のために働くという宿命があるのだから、それを全うして欲しいという。
まひろは、きっと直秀が誘った遠い、海の見える国へ愛する人と行きたかったのだろうに。
でも冷静に道長には役割があると思ったのだろう。賢い。

そして、私はふと吊り橋効果という文字が頭をよぎる。
道長とまひろは前回、直秀達の遺体を埋めるために土を掘る作業をした。
吊り橋効果とは、吊り橋のような不安定なところを歩くとドキドキするのだが、それが恋だと勘違いしてしまうこと。
2人はそれこそ、心臓バクバクで遺体を埋める作業を2人で行ったはず。

あれからもっと好きになったというまひろ。
あれから熱烈な恋文を送る道長。

あの遺体埋葬作業は吊り橋効果となったのでは?という推察でした。


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