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「変われ、就活」 就活未来会議

先日、虎ノ門ヒルズで開催された就活未来会議に参加しました。
この会議の目的は
①これからの就活のあり方を国や企業、大学だけでなく大学生も一緒になって考えていきたい。
②各々が何ができるかを考え、行動を起こすことで、就活に変化を起こす。

というものでした。

そのために2つのアクションが用意されていました。
①知る
なぜ今の就活の形になったのか、就活の歴史を紐解き、振り返る。
現在、社会にどのような変化が起こり始めているか。
近い将来やってくるだろう未来について創造する。
就活の根底にある「どう生きるか」というテーマにも迫る。
様々な生き方についてゲストに語って頂く。
②対話する
「働く」とは「生きる」ことの一部。
どのような働き方が理想か。
理想な働き方に出会うにはどのような方法が良いか。
現状の就活を頭の中から追い出して、ゼロから考える。
グループ内で意見を出し、考える対話プログラム。

具体的なタイムテーブルが下記になります。
13:00-18:00の5時間をかけた壮大な会議でした。

13:00 開会
13:35 キーノートセッション「これからの未来を考える」
14:05 パネルディスカッション「ゲストと考えるキャリアオーナーシップとは?」
14:55 頭の整理の時間・アイスブレイク
15:20 グループディスカッション「参加者による議論・ワーク」
16:30 全体共有・コミット宣言
17:20 学生・企業・大学の3者によるトークセッション
18:00 閉会

では、ここからは株式会社dotさんによって
編集されたグラレコを活用し、
会議の全貌をお話ししていきたいと思います。
長時間の議論を「見える化」してくだって、
内容理解にとても役立ちました。


「人生100年時代〜これからの働き方は自分で描く〜」

経済産業省 産業人材制作室長 能村幸輝さんによる
キーノートセッションから会議は始まりました。

メガトレンドの紹介

①グローバル化(欧米中心→アジア中心へ)
②デジタル化(DX・多極分散)
③高齢化(日本だけでなく世界でも高齢者が増加する)
④AIの進化(AIが人間を超え、人間がAIに教えられる時代へ)
⑤ブロックチェーン技術
⑥部分最適から全体最適へ
⑦ギグエコノミーの普及(Uberが代表格・ネットを通じた単発仕事受注)

が挙げられました。

雇用の質が変わる

すでに雇用の二極化は進んでいて、
高スキルの仕事が増大する一方、中スキルの仕事が大幅に減少しました。
これはデジタル化によるもので、
①駅員による切符切り ②受付業務
は、ほとんどがデジタルに代替されました。
これからはAIによって
「定型・反復的な業務」は代替されていくとされています。
そういった社会の中では、自分自身が社会に提供できる
代替不可な価値を作り上げておく必要があると感じました。

働き方の変化

24時間働けますか?の時代から、3、4時間働けますかの時代に。
①テレワークにより、家庭と仕事を両立させる。
②コワーキングスペースにより、職「場」の概念も多様化。
③フリーランスや兼業、副業の増加。
④勤務条件を限定するなど働き方の選択肢の増加。

朝から夜まで会社で働いて帰宅するという
従来のサラリーマンのあり方は今後減少していくのでしょうか。

個人のキャリアが自立→自律へ

就社社会から就「職」社会へ。
正規雇用で終身雇用パスを歩んでいる男性は、
30代後半で42%、40代で38%、50代で36%と
もはや終身雇用は当たり前ではありません。
これまでは、教育・仕事・引退とライフステージが明確でした。
しかし、これからは
①Explorer
自分の生き方に関して考える時期、
知識やスキルの再取得。(職業訓練・学び直しetc)
②Independent producer
組織に雇われず、独立した立場で
生産的な活動に携わる人。(フリーランスなど)
③Portfolio stage
異なる活動を同時並行で行う。
(ex)週3仕事・週1ボランティア・週1NPO活動など
このような3つのステージがまだら模様になり、
個人の状況に応じて行き来するようになります。

<100年ライフにおいて必要が増すもの>
①教育
専門技能を高め、世界中の競合との差別化が必要。
②多様な働き方
70歳長まで働くことを想定し、独立した立場での職業を考える。
③無形資産
お金だけでなく、経験や人的ネットワークなどの重要性が増す。

今後の方向性

①これから求められる雇用コミュニティ
VUCA時代へ。
新卒・中途・再入社・リスキル・再配置:多様性
メンバーの出入りがあるコミュニティが求められ、
外部競争力が重要となります。
②これから求められる個人と企業の関係性
会社と個人の双方の成長→就「職」→会社・仕事=軸
自律した個人・キャリア→「個」別最適化(個の力を引き出す)
こういった関係性において、
ミドルマネージャーやコミュニティマネージャーが重要になり、
HR-Techなどのデータの利活用が必要となります。
③個人の成長と企業の成長のベクトルを合わせる
個人:主体性を向上させ、自らのキャリアを形成
   →キャリアオーナーシップの確立
企業:多様な人材が活躍する場の提供・情報発信
   →優秀な人材の確保・競争力の向上
双方の成長ベクトルをすり合わせ、生産性の向上を図ります。

就職=ゴールではなく、エンドレスに学びをアップデートし、
主体的に行動していく必要があります。

能村さんのスピーチまとめ

①自分は何が楽しいのか、何を成し遂げたいのか
②自分は社会との関わり方をどう選択するのか
③自分は働き方や学びをどう選択するのか
人生100年時代では選択の連続。
自分の人生の目的、その実現に向けて多様なルートや
選択肢を描いてみる必要がある。

ということでした。
これからの未来の変化を詳細にまとめてくださいました。

キャリアオーナーシップとは?

続いて、壇上左から
寺口浩大さん:株式会社ワンキャリア 経営企画/採用
喜多恒介さん:株式会社キタイエ代表取締役CEO
川下俊輔さん:トヨタ自動車株式会社 調達本部 グループ長
正能茉優さん:株式会社ハピキラFACTORY代表取締役
によるパネルディスカッションが始まりました。

お話しに出た内容を順不同で箇条書きでひたすら挙げていきたいと思います。
・人生100年時代→長い→本気でトライする期間と充電期間が必要
 =100年を分解することで、リアリティが増し、より明確になる。
・自分にとっての人生のサビとは何か。
・親と本気で話せ→パワーの源になる。
・物質的な豊かさと精神的な豊かのバランスをとる。
・How toが先行してしまった就活。
 =学生と企業の本音がどんどん埋もれていく
・社会のリアルを知るために→メディアは嘘をつく
 →若さを武器に大人に会いまくる→社会がどう成り立ってるか見えてくる
・やりたいことのためにインターンする→なければただの労働力になる。
・メディアにいるのはスーパーマンばかり
 →社会には平凡でも熱い人がたくさんいる(MOVE)
  →そういった人の話の方が現実味がある
・強者の理論はもう飽きた。
・社会人に入社理由だけでなく、なぜ今も会社に居続けるかを聞く
 →よりリアルに働くことから見えた価値がわかる
・いつでも切れるカード(能力etc)を育てておく。
・会社は手段である。就社をゴールにしてはいけない。
・要らない人間関係・小技を捨てる→望む関係・環境を得るために
・生き急ぐ必要はない→諦めず、取り組み続ける
・なるべくいい感じに(柔軟性を持つ)→0か100かの考えは大変
・あくまで主語は「自分」である。

幅広くより良いキャリア形成のために必要なことばかりでした。

特に私の心に残っているのは、
社会はスーパーマンばかりではなく、
平凡とされているような人たちが社会を支えている。
そういった人たちこそ、社会のリアルで、
素敵な人はたくさんいる。

という川下さんのお話でした。
書籍や講演などからスーパーマンの思考法を知ることはできても、
あまりいわゆる普通な社会人の詳細な話を聞く機会は少なく、
リアルな社会には触れたようで触れていなかったことに
気づかされました。

各自・各班でこれからを考えるワークタイム

これまでのお話を受けた上で、
これからの働き方や就活はどうあるべきかを考えるものでした。
私は今の就活は
学生:自分のやりたいことや価値観を見出せない
就活界隈:Howtoが先行、型にはめたES・面接
     アドバイザーなどが業界に氾濫し、選択過多

という状況下で、学生が就活界隈の思考法に寄せていくことで、
①多様な指摘から自分がわからなくなる。
②本音が言えない環境になっている。
③ミスマッチによる早期離職が起こる。

というような不協和が起きていると考えております。
就活が攻略ゲームと化し、技を覚えていくことでクリアする。
こんな状況は学生や企業にとって喜ばしい環境ではないと思います。
なので、もっと自由に、もっとリアルな思いをぶつける環境
なっていってほしいなと考えてます。
リフレクションを通じて、自分の価値観を見出し、
主体的な選択により、キャリアを形成していく。

そう変化してほしいなと思います。

学生が受動的に情報を受け取り、遂行する就活は苦しいです。
学生は商材になり、学生の内定で、価値を高めていくサポーターもおり、
そういった方々からの情報が多すぎて、余計難しい就活になっています。
画一的な指導から生まれる同調圧力に苦しみ、
毎年、就活を理由に命を絶つ人間がいる現代はおかしいです。
結局、就活をビジネスとしてみている以上、
本当の心と心が通うことはないような気がしてます。
少しずつ社会に変革を起こしていけるよう、利害関係なく、
学生自身がワクワクすることへ、自分から飛び込み、
チャレンジしていけるサポート
をしてほしいです。

因みに、私の班で考えた就活へのアクションは
「キューガクなシューカツ」でした。
国の政策として、20歳付近の年齢で一度学業から離れ、
1年間の自由な時間を持ち、
金銭的支援を与えた上で、仮入社や留学、起業など
自分自身で決めた挑戦をさせる。
そこで、新たな学びや真の自分を知る。
そうすることで、就活の不協和を低減する一助になるのでは
と考えました。
抜本的な改革にはなり得ませんが、
少しずつ良くなっていく案だと思います。
他の班でもユニークな議論がなされていました。
それについては、グラレコを参照してください。

コミット宣言

「自分の思いを全力で伝える 自分発信で行動する」
ということを私は宣言しました。
本音の気持ちを全力で伝えれば、本当の自分を理解してもらえる。
自分発信で行動できない人間は、競争力ある人間にならない。
そう思った次第です。

この会議にかけた思い

就活未来会議は
学生の本音を大人にぶつける貴重な機会でした。
現実的に私の就活時代のシステムを変えることは難しいです。
ですが、自分が感じている疑問や思いを伝えていくことで、
次世代の学生のシステムをより良いものにする一端になればと思います。
長文になりましたが、私の備忘録の役割を含めて、
こういった活動があるということを
より多くの方々へ知っていただきたいです。

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