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【デッサンや模写で上手くなる人・ならない人】イラスト上達の道しるべ【その8】



デッサンや模写は意味がない?って本当?


皆さまは日々どのように絵の勉強をされていますか?

以前記事に致しましたが「楽しんで描く」ことができなければ上達が遅いということをお話し致しました。

この中で「つまらないならデッサンなんてしなくてOK」と書かせて頂きました。これはその通りでございます。自分が嫌ならそんなものやるよりもっと楽しんでできる練習をしたほうが効率的です。

これはわたくしがただ個人的感想で言っているのではなく、アニメーター時代~イラストレーターまで十年以上絵の仕事に関わってきて、先人から教えて頂いたことの神髄でございます。

ですがそんな風に書いておりますと必ず「じゃあ、デッサンは意味がないってことですか?」という方がいらっしゃいます。

わたくし一言もそんなことは申しておりません。

「楽しい」「好き」「心地よい」練習が一番有益である、とお話したのであり、デッサンなどの基礎練習が無意味とは申してないのです。

今回はわたくしが楽しくないならやらなくて良いと申しましたデッサンや模写の有用性、それらをして上手くなる人の特徴を見て参ります。

今まさに「デッサンや模写を頑張っているけどなんか伸び悩んでいる!」という方は是非ご覧下さいませ。無料で読めます。


練習の方法は千差万別のオリジナルメニュー

まずはわたくしの普段の絵のスキルアップの方法を書き出してみます。

・コミッションでご依頼頂いた絵を毎日描く
・365日(うるう年なので366日)必ず一筆でも何か描く
・お仕事を頂いた作品(商業)の既存のイラストを収集、観察する
・お仕事でご監修頂いた部分をよくよく確かめ自分のものにする
・既存イラストに遜色ないクオリティになるよう全力で描く
・SNSなどでお上手な方やお若くて新鮮な絵を描く方の描き方を観察する
・絵だけじゃなくて写真や実物も日々観察する
・アイデアが浮かんだらとりあえずメモる、ラフにしておく
・一見イラストとは関係のない学びでも積極的に勉強していく

こんな感じで、普段から全部やっております。
わたくしの場合はすでにお仕事をさせて頂いておりますので、練習の時間を取るのは非常に困難です。その間にお仕事をしないとなりません。

ですので、実践形式でスキルアップして参ります。

この方法が一番わたくしには合っており、伸びるのも早いと感じます。デッサンや模写をいくらしても実践できなければ意味がございません。本番で学んでいけば最短でできるようになると思うのです。

ただし、このやり方はかなり精神力がないとお辛くなると思われます。

普通に「使えないので描き直して下さい」「イメージと違って可愛くないです・・・もっとこうして下さい!」等と言われますので、それに関していちいち「ひどいこと言われた(´;ω;`)」となっていますと仕事になりません。

クライアント様は”自分が望んでいるイラスト”が欲しいのです。わたくしが良いと思う絵ではございません。技術が追い付いてなければ容赦なく「必要ない」とされますし、魅力的でないなら「いらない」とされます。

わたくしのように厳しい環境でも楽々と幸福にやっていけます!という方には抜群におすすめですが、ちょっと自信ない・・・という方はもっと楽々なオリジナルメニューを考えましょう!

メニューの考え方

さて、デッサンや模写をして上手くなる方もみえますよね。学校で教えられているくらいでございます。練習方法としては確立されているので合う人には有益でございます。

では、どんな方が上達されるのかお考えになったことございますか?

先の記事でも書かせて頂きました。それが「好き」な方です。

何度も申し上げて恐縮ですが、好きなことが一番伸びます。ですので、デッサンや模写が「楽しい!これならいくらでも描いていられる!」という方はそのメニューがご自身にハマっているということ。続けて参りましょう。

では、逆に「はあ、今日もデッサンやらないと・・・本当は○○の二次創作したいけどな・・・頑張らないと上手にならないから仕方ない!」といった場合、これはハマっておりません。

いくら頑張っても成果が遅々として出づらいでしょう。実際、現在そのようなことになられている方は伸び悩んでいらっしゃるのでは?

メニューの基本的な考え方が自分のやりたい順にすることです。

例えば、先の「デッサンより〇〇の二次創作に励みたい」でしたら、〇〇の二次創作を真っ先にすれば良いのです。学校でデッサンの課題があるとか、そんなことしても意味がないとか、何を言われても無視でございます。

自分がやりたいからやる!というのは、自分で責任を負うことでもございます。自発的にされているのですから、誰のせいでもございませんよね。

それで上手くいかなくても、それが功を奏しても、自己責任でございます。そこが良いのです。自分がやることに責任を持てますと、一気に上達致します。

何故かわかりますでしょうか?

こんなお話がございます。コーチングのセミナーでよく言われますが「金額の高いセミナーがなぜ効果的なのか?」というところ。こちらは何もそのセミナーの内容が素晴らしいから!というのが一番の理由ではございません。

その理由は、「こんなに高いお金を出したんだから損したくない!ちゃんと成長したい!」という真剣度が高いからでございます。

自分が責任を持たなければならない事というのは、皆さん真剣になさいます。ご自身でお支払いになった分を無駄にしたくないので当然です。

ご自身でやりたくてやること、というのも誰にやれと言われたことではございませんので、それをやって不利益が出てもご自分の責任でございます。

二次創作に励んでデッサンの課題を提出しなくて怒られても自己責任。致し方ないということです。

ですが、その「どうしてもやりたい!」「これが好きなんだ!」という気持ちは強く真剣度が高いので継続しやすいですし、何より集中力が桁違いでございます。

嫌なことをする時間はとんでもなく長いのに、楽しい時間は一瞬でございますでしょう?絵の練習も楽しいと数時間くらいアッという間。足りない!となります。気づいたら朝、という経験もおありでしょう。

義務ではなく自発的に、自己責任でやるというのが基本のポイントとなります。

デッサンや模写などがこの「やりたいこと」なのでしたら、それをしていますと飛躍的に伸びていくはずでございます。

そもそも、本当に絵を描くのが好きか?

専門学校に通っていました時、1年生から2年生に上がる際にクラスの20%程度の方が辞めていかれました。

絵を描くのを仕事にしたいくらい好きだったはずが、実際にやってみたら「そうでもなかった」のでございます。

失礼ながら、少々冷たい問いかけを致します。

「あなたは本当に絵を描くのがお好きですか?」

わたくしはずっと絵を描くのが好きですので、描きたくなくなった時がございません。スランプもよく分かりませんし(存在しないと思っております)、自分の絵が嫌なんてこともございません。

スランプの件はこちらに詳細ございます▼

昔、アニメーター時代に言われましたのが「君は本当描くのが好きだね」ということ。そうなのです、わたくし絵を「描くのが」大好きでございます。

あなたはイラストを描く時、それがご自身の絵である必要がありますか?他の神絵師さんが描いた絵の方がお好きなのでは?描く時間より素敵なイラストを見る時間の方に幸せを感じられていませんか?

イラストが好きなのとイラストを描くのが好きなのとでは、少々異なります。ゲームをするより、旅行するより、デートするより、絵を描いていたいですか?

優先順位のお話はこのような大きなカテゴリーでも役立ちます。ご自身が本当に「やりたいこと」「好きなこと」を今一度深く考えてみて下さいませ。実は絵を”描く”のが好きなわけではないのかも知れません。

好きなことを好きなだけする夢のメニュー

さて、色々と分析されてみて「やっぱり絵を描くのが好き!上手くなりたい!」という事でしたら、ご自身のオリジナルスキルアップメニューを組んでみましょう。

これは、あなたが好きなことを好きなだけできる夢のようなメニューでございます。時間もしがらみも忘れ夢中になってやれる、そんなことが詰まったメニューに致しましょう!

ポイントはご自身の「好き」を指針にしていくということ。嫌なことは入れないで下さい。

例えば、
「着彩がとにかく好き!塗りたい!」でしたら線画は他所から頂くなり購入されるなり厚塗りの技法にするなりしてとにかく塗りましょう。
「イケメンしか描きたくない!」でしたら、もうイケメンは見たくないと思えるくらいまで描きまくって下さい。
「○○のこのキャラが推しなんだー!」ということでしたらそのキャラを誰よりも極めましょう。

そうしてさらに細分化致します。

「塗るにしても厚塗りがやっぱり至高だよね!」と思ったら厚塗りをひたすらに致します。「筆はこれが好き!」「この風合いが好き!」「色味はこれが好き!」と、どんどん好きを積み重ねて下さい。

どうでしょう?楽しくはございませんか?

「え、これって練習になってる??」と疑問に思われるかも知れませんが、続けてみて数週間~数か月経過しましたら以前の作品と比べて見て下さい。絶対お上手になっております。

この練習法の一番の利点は「続けられる」ことでございます。

継続は力なりと聞いたことはございませんか?なんでもある程度続ければ必ず成果はございます。それが好きなことでしたら夢中になって一生懸命やりますので更に成果は青天井。爆伸び致します。

ご自分がやりたいことをされるので、やめるという選択肢が発生致しません。もしそれでお嫌になったなら方針を転換すれば良いだけ。新たな好きを見つければ良いのです。

それがデッサンや模写でしたら、それをひたすら夢中で続ければいつの間にかものすごく上手くなっておりますでしょう。

このメニューの欠点

最後にこちらのメニューの欠点もきちんとお伝え致しましょう。

薄々お分かりかと思いますが、こちらはお仕事としてイラストを描いていくという方には足りない部分が出てくる練習法でございます。ある程度描けるようになった方にはちょっとぬるいのでございます。

中級レベル(わたくし程度)まではこちらでいけます。これはわたくしが長年絵について勉強してきている方々を見て確信しております。

ですがいわゆる神絵師さんまで到達しようとすると、いける人といけない人が出ます。それがわたくしは「才能」だと思っております。

どんなに正しい理論で間違いなくやっていましても、センスや感性はそれでは成長致しません。好きなことをやることでそこも一緒にかなり伸びますが、伸びしろは才能によるところが大きいと感じます。

ですが、まずは中級まで到達しませんとその後のことはわかりません。

こちらの方法で自分がいけるところまで爆伸びしましてからお考えになれば十分でございましょう。中級レベルでも月2~30万円は稼げますので何とか食べてはいけます。

そこから先どうするか?はまた別のお話とさせて頂きます。


最後に

noteを見ているとたくさんのスキルアップ方法が提唱されております。

どれが合うかは人それぞれでございますが、わたくしの提唱する「好きなこと軸」のこの方法は絵のスキルだけでなく幅広く利用できるのでとてもお勧めでございます。

と言いますか、こちら元々は絵のスキルアップ方法として学んだわけではございません。違う分野のスキルアップ法を絵を描く人向けにブラッシュアップしたものです。

ですが、核心をついていると思いますので、こちらがお役に立つ方はとても多いと思われます。まずは一度、お試しになってみてはいかがでしょうか?

最後までお読み下さりありがとうございました。この記事でスキル爆伸びをされる方が一人でも増えますよう願っております。


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