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きみと清澄白河、お花見さんぽ


「ねえ、やっぱピクニックやめて清澄白河にいかない?」


彼女からメッセージを受信したのは午後から遊ぶ約束をしていた当日の昼前だった。

満開の桜が咲き誇る代々木や、休日の人混みでせわしない渋谷近辺に辟易していたわたしはコンマ1秒でその誘いを快諾した。


結論から言おう、
わたしたちの選択は大正解だったのだ。




■ Museum of Contemporary


例のごとく「14時あたりを目安に…」なんてゆるりと集まるのがわたしたちのペース。今回、わたしより早く着いた彼女は現代美術館で待ってるねという。

「ごめん いま駅に着いた!」とあわててメッセンジャーに打ち込み清澄白河駅の出口階段を大急ぎで駆け上がる。

その瞬間、心地よい春の陽気とうららかな風がそよそよと頬をなでた。


今日は絶対に素晴らしい日になるよ、と約束してくれている気がした。




息を切らして到着するやいなや、彼女とのひさびさの再会にきゃあきゃあとはしゃぎ頬を緩ませる。

そして3年ぶりにリニューアルオープンをした現代美術館のモダンな建造物に大興奮。まるで日本じゃないみたい…

だって、びっくりするほど どこを切り取っても美しいのだ!


すっかり鼻息を荒くしたわたしたちは夢中でシャッターを切りつづけた。






■ Walk around the cherry trees lined riverside


「春のおひさまを感じたい!」
「やっぱり桜がみたいよね」
「川沿いも歩きたいね」


早速ポケットからiPhoneを取り出し、Googleマップに「桜スポット」と入力して検索。


(こうすると桜がみれるスポットを
Googleマップが教えてくれるんです!)



「千本桜」と書かれた場所を発見したわたしたちは川沿いを歩き、その場所を目指すことにした。




道中ではいろんなことがあった

とても美しい桜並木があったり、
平安時代のような公園を見つけたり、
自転車の荷台で花見をする柴犬に出逢ったり、
店長が変わったこと堂々と祝うコンビニに辿り着いたり…


心の赴くままに寄り道をしては笑い転げてシャッターを切った。

なんだかずっと笑いが絶えなかった気がする。



道すがら見かけたコンビニに立ち寄り、お酒とつまみを買い込む。ぽかぽか陽気とアルコールにほろりと酔い歩くのはとても気持ちが良い。

ぜひまた来年もやりたい。
うそ、あわよくば来月にでも。


近況報告も兼ねて、仕事のこと、考えてること、将来のことなんか話したりして

「 Spark Joy じゃないものは Konmari しなきゃだね!」と言い合ってはまた笑っていた。



数年ぶりにタンポポの綿毛を発見し(ごめんね)と2人でつぶやきながら茎を摘み取り、勢いよくふーっと吹いた。

綿毛たちがふわりと空を舞う。


1人もんもんと思い悩んでいたことも、笑い声と一緒にふわふわと吹き飛んでいってしまったような気がする。


そっか、春なんだ。





■ Komatsugawa Park

まあるい広場をぐるりと囲む桜の木々、白い石畳、そこにかかる異世界への入り口かのような大きな橋。

公園のそばにある小さな野球場からは硬球をバットで打つ乾いた音と、男の子たちの声援が小気味好いリズムで聞こえてくる。中学生だろうか、小学生だろうか。



わたしたちは石垣に腰を落ち着け、芝生の上で花見をする人々を横目に三日月が見えるほど辺りが暗くなるまでのんびりと羽根を伸ばした。





■ Tarte Tatin

ぶるりと肌寒くなったのですっかり重くなった腰を上げ、公園を後にする。

都営新宿線に乗りこんだものの、すこし小腹が空いたので神保町で途中下車をし、純喫茶を求め歩くことにした。(これまた思いつきのプラン)


少し迷いながら老舗の喫茶店「さぼうる」を訪れるも残念ながら日曜はお休みとのこと。

神保町は閉店時間と日曜休店の店が多いことを初めて知った。オフィス街だからかな?




最終的に前々から気になっていた「山の上ホテル」に辿り着き、彼女はオムライスを、わたしはタルトタタンを注文。


運ばれてきたのは美しい器に鎮座する、まるでお城のようなケーキ

この城を崩してしまうことに対し、少しの罪悪感と溢れんばかりの高揚感を抱きながらナイフとフォークを差し込んだ。



果実の味がぎゅっと煮詰められたリンゴと、少しビターなキャラメリゼに甘いアイスクリームを絡め、サクサクのパイ生地といっしょに頬張った。


はあ、、幸せ。









空の青さに胸を打たれ
風の匂いを感じ
四季折々の空気を吸い込む


どうしようもなく目に留まっては
脳裏から離れない景色たち

それらをiPhoneのカメラを使って心の赴くままに写真におさめることが、わたしは好きだ。

(こうして日記として文章に残すことも好き)




少しずつでもこうやって、季節の楽しさを全身で感じる「Spark Joy」のカケラを日々あつめていきたいな。




■ Other Photos

ここからは載せきれなかった写真のおまけ


{ kimix }
All the photos were taken with iPhone.
Special thanks to midori sugama
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