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神はいない。


どえらいことを言ってしまった。

おそらく日本人の1/5は敵に回した。

世界なら、ほとんどの人。

私は高校生の時から、今に至るまで「神」はいないと思っている。



私の父はエジプト人だ。

当然父はイスラム教だし、生まれた時からその教えを受けてきた。

しかし小学生の時に両親が離婚してからは、私は母と住んでいたので

完全に無宗教の日本人として生活してきた。

1ヶ月に1度、父と会う日以外は。

イスラム教の子供は自動的にイスラム教になる。

らしい。

とにかく物心ついた時から私は日本人として生活しているのに、

たまに会ってはイスラムの教えで教育してくる父が嫌いだった。

顔を見ただけで「外人」とからかってくる近所の子供も、

自己紹介で何百万回もされるおんなじ質問も、

ハーフというだけで可愛いとおだてたり、勝手に嫉妬したりする女の子という生き物も、

イスラム教と聞くだけで過激派を想像する無知な人も。

ほんとにうんざりしていた。

自分は完全に日本人だと思っているのに、周りにはそう思われていない。

イスラム教も、神も、どうでもいいし、興味もないし、だいっきらい。


でも、ある時ふと考えてみた。

「そうえいばイスラム教のこと、宗教のこと、あんま知らない」

父の言葉は話半分にしか聞いてなかったし、調べようとも思わなかった。

ただ食わず嫌いしてるだけなんじゃないか。

だとしたら、ちょーかっこわるいやん。自分。

そう思ったのが高校生。

それから、宗教のこと、イスラム教のことについて調べるようになった。

調べれば調べるほど、イスラム教が誤解される理由も、世界中にたくさん信者がいる理由も、わかってきた。


そして気になったのは神のこと。

神。

あらゆる宗教で、崇められているもの。

その形は宗教によって違うけど「そういう存在がいる」ことは共通している。

そして宗教の発端はいつも、誰かが神の声を聞いたり、神の力を体験することから始まる。

神がこう言った。

神がこうした。

最初は誰も信じなかった。

でもそれをだんだんみんな信じるようになって、

迷った時、自分ではどうにもできなくなった時に神の言葉を仰ぐようになった。


そこで疑問に思った。

これって、自分よりも知恵のあるもの、尊敬するものに相談するってだけのことじゃないのか。

私たちだって、分からないことは先生に聞くし、悩みがあれば親や大人に相談する。

それとおんなじ構図。

神とは、みんなの理想や良心、尊敬、愛情、生きる知恵そういうものの象徴なのかもしれない。

だから、地域によって宗教は違うし、神のイメージも違う。

けど、ぜんぶ共通しているのは、

神が一番の知恵で、一番の良心で、愛情をもって救ってくれる存在であるということ。

神が存在する、というよりかは、神は人間が創り出した心の拠り所なんだと思う。


もっと言えば、神は愛だと思う。

神=愛


人には、見えないものを信じることは難しい。

形のないものに沿うことはできない。

だから、愛を神という形にはめた。

そうすることで誰もがその存在を感じられるし、人から人へ伝えることができる。

どの宗教も、根本にあるのは愛だと思う。

自分への愛か、家族への愛か、仲間への愛か、隣人への愛か、

それが微妙に違うだけ。


本当のことは知らないし、専門家ほど詳しく調べたわけじゃない。

間違ってるところもあるかもしれない。

専門家でもない、ぱっぱらぱーが考えただけのこと。

だけど、私にはいろんなことを納得するのに、受け入れるのに、考えるのに必要な過程だった。

もしこれを読んで嫌な気持ちになった人がいたら、申し訳ない。

個人的見解ってやつなので気にしないでほしい。


この結論に至ってから私は宗教というものを受け入れられるようになった。

私自身は神の存在は信じていない。

けど、愛の存在は信じている。

その点で、私は地球上全ての人と仲間だし、家族だし、友達だ。

ただ、近くで見ているものが違うだけ。


私は、私の信じることを信じる。

宗教だろうがなんだろうが、私にとっての神は、自分で決める。

その代わり、人に押し付けることはしないし、その人の信じるものを奪ったりもしない。

あなたはあなた。私は私。共通するのは愛。

それでいい。

みんなが、自分が一番幸せになると思う方法を選べば。

それでいい。

私の意見も、いずれ変えるかもしれない。

でも、それでいい。


平和は、自分の主張が正しいと言うことじゃない。

日本はそんな争いから抜けたけど、まだ主張の押し付け合い合戦が絶えない国がある。

いや、日本でもネット上でよく見る。



あなたが正しい。私も正しい。

それじゃだめなのかなーなんて思うのは、

まだまだ浅い若者だからかな。

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