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多摩川がつくった洪積台地を行く  (ブラキモリ 荏原台~二子玉川)

コロナ禍が始まる前のちょうど1年前(正確には2020年1月11日)、小田急線千歳船橋駅から洪積台地荏原台の高級住宅地を通り、下位の段丘武蔵野段丘にある砧公園にたどり着き、世田谷美術館のカフェでガレットのランチを食し、武蔵野段丘を刻む谷戸川の河谷低地沿いに南進し、東名高速を眼下に通り過ぎ、谷戸川沿いに進み国分寺崖線を構成する静嘉堂緑地を水道みち沿いに乗り越え、カワセミが飛び交う沖積低地縁の丸子川を横に眺めながら多摩川に注ぐ直前の野川沿いに歩き、二子玉川のiBEERでIPAを飲んだ紀行(奇行)です。
 #千歳船橋 #砧公園 #荏原台 #谷戸川 #岡本静嘉堂緑地 #二子玉川 #ibeer #setabicafe

全行程はおよそ8.5km、高低差約50m。

まずは前半部分

千歳船橋-二子玉_地形図上

 歩行路は赤で示す。黒丸数字は写真の撮影位置。

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①小田急線経堂付近の車窓

朝から雲が厚い。けど天気予報では雨は降らない。これから歩く荏原台方面を車窓より望む。


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②千歳船橋駅(StreetViewの画像)

武蔵野段丘上にある千歳船橋駅を歩き出したのは午前11時。4名の行脚。


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③荏原台に向かう坂道

駅からほどなく行く先に坂道が続いているのがわかる。


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④荏原台の最高点

写真のマンホール付近ですぐにクレスト(土木工学用語で上り勾配から下り勾配に移る勾配変化点のこと)を迎える。これが高位段丘荏原台のピークだ(今日の経路中)。


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⑤台地の上の畑と地主の家

緩やかに坂道を降りていくと、ネギが一束100円で売られていた。この家は「河原さん」の表札、向こうに見えるは河原農園のハウス。世田谷の学校給食に野菜を提供している。地主であろう河原さんのお家はデカい。門扉の外に砥草(トクサ)の鉢植えが置いてあった。砥草は河原のような水が豊富な場所に生える。さすが河原さんだ。


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⑥消防水利の標識と生垣の切り欠き

マンションの一画に消防用水があった。台地上は水を蓄えていなければならぬ。生垣の切り欠きがこの水利の大切さを物語る。なお、この付近で上位の荏原台から下位の武蔵野台に移る。


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⑦武蔵野台の狭小住宅

右に下がると谷戸川の河谷低地に向かう。左の武蔵野台地を砧公園方面に向かう。この武蔵野台地の縁のわずかな土地を利用して、どこかにあるような狭小住宅が建っていた。


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⑧エバラ食品工業

荏原台の語源は東京都品川区荏原に台地があるから。エバラ食品もかつて品川区荏原に本店があったらしい。エバラ食品工業と現在の名前に変えたのは昭和43年。この看板は少なくともその頃から存在するようだ。


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⑨セタビカフェのガレットで昼食(画像はWebより)

ここのSeTaBi Caféは、ガレットが名物らしい。なんかお洒落。我々4名もこのガレットを戴く。


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⑩谷戸川の現在の源流(つり橋から眺める4名の影が見える)

谷戸川はかつてここから2km弱上流(北側)の小田急線祖師ヶ谷大蔵駅付近から流れていた。現在はポンプアップされた仙川の水が、ここで谷戸川に供給される。いわばここが現代の谷戸川の源流である。気が付かなかったが武蔵野台地を刻む谷戸川低地に入り込んでしまったようである。砧公園はかつてはゴルフ場だったらしい。ゴルフでコースを回ると微妙な傾斜を気ずかずに歩いている感覚と一緒だ。


つぎは後半部分

千歳船橋-二子玉_地形図下


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⑪砧公園のヤドリギ

砧公園にはケヤキやコナラなど、かつての武蔵野の構成樹木がたくさんある。そのうちの数本にヤドリギが宿っていた。


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⑫武蔵野樹林の面影

下草が刈り取られた公園に武蔵野の面影を見る。


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⑬カラスが喰ったカラスウリ

カラスウリの蔓を引っ張って落として食べてみた。甘い!地元岩手でも試したことがないことをここ砧公園でできるなんて感激。東京のカラスは案外グルメなのかもしれない。


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⑭東名高速道路の数少ないオーバーブリッジ

都内の東名高速を横切るオーバーブリッジは3箇所しかない。その3箇所がここ世田谷区大蔵に集中している。仙川と谷戸川低地に挟まれた武蔵野台地は、「もう浸食なんてコリゴリだ、世田谷に最後の砦を築いてやる!」と言っているようだ。


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⑮谷戸川河谷低地

谷戸川を下ると右前方に地形の高まりがある。写真の右半分の林だ。何故こんな高まりがあるのか? ちょっと混乱した。冷静に考えるとこの谷戸川の河谷作用がそれなりに強烈だったために、右前方の高まりのまたさらに右側、多摩川や野川に下る斜面が洪積台地と沖積低地を分ける国分寺崖線のウラに、このような河谷低地と線上の高まりが並列して残ったのだと判る。この高まりを直接越える道を探した。


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⑯岡本静嘉堂緑地の高まりを掘って水道管を敷設(Webより)

越える道を探していると、岡本隧道なるものが現れた。最初は谷戸川の溢れた水を多摩川に流すための水路トンネルだと思ったが、地形図をよく見ると直線状の道がこの隧道をはさんで続いている。水道だ。

水道みち

砧浄水場から北東に伸びる水道がここを通過する。


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⑰国分寺崖線の縁を流れる丸子川

国分寺崖線下の丸子川に出た。いよいよここから沖積低地だ。水路をカワセミが飛んでいた。結構人通りの多いところにもいるとは聞いていたが、渓流以外で見たのは初めてだ。サギが盛んに小魚を漁っていた。


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⑱丸子川に谷戸川が注ぐ

ここがWebで何度も見た谷戸川の丸子川への合流点。ふとんカゴがどこからか流れてきて合流点に不自然に置かれていた。きっと二子玉川の堤防欠損部が招いた昨年10月の台風19号の水害の時、上流から移動したものだろう。


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⑲二子玉川上流部の野川の堤防を歩く

⑲向こうに見えるマンションが、台風19号で被害を被ったマンションだろう。堤防欠損部を確認したかったが最後に飲むビールの誘惑に負けてしまった。


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⑳アイビアー ル サン パーム 二子玉川ライズ (iBEER LE SUN PALM)

アイビアー ル サン パーム 二子玉川ライズ (iBEER LE SUN PALM) でIPAを飲んで旅の疲れをいやす。IPAとは India Pale Ale (インディアペールエール)のこと。ブラキモリの打ち上げに欠かせないビールだ。

以上


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