しなやかな自信と寛容さについて
水島広子さんの「本当の自信」を手に入れる9つのステップという本を読んだ。一度読み終わり、すでに2回目を読み終えた。
自信について悩む自分にとって、この本の内容は頭に入れて、常に意識していたいメソッドが溢れていたからだ。
少しでも脳に浸透させることができるように、特に印象的で実践したいと感じた部分を要約、引用してまとめて行きたい。
弱い自分からしなやかな強さをもつ人に変わりたい人には必読の内容です。
自信は成果に基づくDoの自信とBeの自信に分けることができる。Doの自信は不安定な成果や他人からの評価にとって簡単に揺らいでしまう。一方でBeの自信は、自分自身が大切にしたいあり方でいようとすることで感じられる自己肯定感。よくあろうとする心がけは自分でコントロールできるので多少のことではぐらつかない。
まさに自分は仕事ができる自分というDoの自信をつけようと右往左往としてきた。結果、仕事が順調なときは自信をもてるが、仕事で失敗をしたり、結果が伴わないと急に自信が失い、仕事にも恐怖を感じてしまっていた。
だからbeの自信を大切にしようという切り口は新鮮だった。
わかりやすく考えると、成果に目を向けるのではなく、過程を大切にしようということかもしれない。
成果はコントロールできない。うまく行くかは神のみぞ知ること。それよりもコントロールしやすい、あり方(誠実に取り組むとか、人を大切にするとか)に集中しようということなのだろう。
自信はつけるものではなく、感じるもの
この指摘も新しい見方だった。自分はいい感じ!という肯定感こそが本当の自信なのだ。
確かに、そう考えると腑に落ちるように感じることがある。どんなに仕事で成功を重ねても、その時ダメなら自信も簡単に失われてしまう。筋肉みたいに、鍛えてつけておくことができないからだ。だから、その時、その時で自分をいい感じと思い続けられることが、持続的な自信のためには大事なのだろう。
自信があるとは「自分のことをいい感じと思える状態」とするならば、どうすれば自分をいい感じと思えるだろうか。
今はこれでよいと捉えることが大切
ポイントは、今の自分を認めてあげる優しさなのかな。
とは言っても、自信がない人はなかなか今はこれでいいと言ってあげれないもの。
失敗したら、もっと準備できたのではないか?こうすればよかったのではないか?と自分をせめてしまいがち。
でも、水島先生はとことん優しい。なおかつロジカルだから心強い。
その人なりの事情(能力、性格、今までの体験、都合、体調など)があって、できないことはできないのです。する能力があっても「やる気がでない」というのも、一つの事情です。
この一節はすごい。このことを知っているか、いないかで人生が大きく変わる気さえする。
自己責任論がはびこり、少しでも落ち度があれば責められるこのご時世。努力するのがあたり前、努力をしない自分が悪い。そんな冷たい正しい声が聞こえてくる。
そんな言説を聞いたり、自分自身が発しているうちに、その矛先は自分自身にも向いしまう。
今の自分のここがダメだ。もっと仕事ができないとダメだ。自分を勝手に評価し、もっと役に立たないと追い込む。
そんな「べき」「しなきゃ」「こうあるべき」にとらわれている自分に気づくことができた。
人を無思考に責めるのと正反対にある、誰しもに「事情」があるっていう考えが好きだ。自分にも他人にも優しくなれる気がする。
会社の同僚が不機嫌なときに、平気そうにしているけれど、実はどこか体調が悪いのかもしれない。何か家庭でトラブルを抱えているのかもしれない。
相手や自分の「事情」に想いを馳せる。想像してみる。
実際のこころは、不機嫌に理由なんてなくて、ただの気まぐれかもしれない。そこまで相手の事情を思うことは大変かもしれない。でも、やる価値はある。事情がある自分や周りの人を受け入れる。そうすることで、自分自身が今はこれでよいという安心感を得られるのだから。
もう一つ刺さったのがこの言葉。
自分に意識を向けない
本当の自信をつけるためには、人からの評価を気にすることから解放されることが重要だ。
人からの評価を過剰に気にしてしまう時のことを考えてみると、かなり自分に意識が集中していることがわかる。自分はどう思われてかと不安な時、思考にあるのは自分のことでしかない。
自分のことばかり考えていたら、相手や目の前のことに真摯に向き合うなんてできない。
過去の自分を振り返ってみると、誰かといても自分と一緒にいても楽しいと感じてくれているか不安だったり、職場では仕事が遅いと思われているのではないかと考えて仕事に集中できない悪循環に陥ることもあった。
そんな時にはこの言葉を思い出したい。自分に意識を向けていないか?と気づくために。
本書は、自信に対する新しい見方を教えてくれて、なおかつ永続的な自信を感じるためのヒントが付箋を貼りきれないほど詰まっている必読の書だと思う。
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