こんな夜更けにバナナかよという必見映画について

映画「こんな夜更けにバナナかよ」がすごくよかった。この映画をざっくりいうと、徐々に体の筋肉の自由が失われていき、最終的には命にも関わる重度な障害を抱えた男性と、男性を支えるボランティアの毎日を描いた実話作品。

映画館で二回観た。そこまでの映画ファンではない自分にとって、二回観たのは初めての作品かもしれない。

なんで二回めを観に行く気になったのかといえば、あるシーンがとても好きになってしまって、もう一回観たいなと思ったからだ。

幸福感溢れるダンス

障害者の男性を演じる大泉洋さんと、ボランティア役の高畑充希さん、その他のボランティアの方たちが4人くらいで野外の音楽イベントにいく。

ご飯食べていると流れてくる音楽。曲は素人のバンドが演奏するザ・ブルーハーツのキスしてほしい。

高畑さんはロックが好きらしく、ノリノリ。この時のノリノリさが半端じゃなく、キュートなんです。まさに笑顔が弾けるって感じで、音楽に身を増させて踊る感じ。とても楽しそう。こんな風に何か心の底から楽しめる人って魅力的だ。

一方、大泉さんはジャズが好きで、ロックは知らないみたいなことを言っていたのに、少しずつ体が動きだす。
乗っていた車イスでくるくる回って、踊り出す。
その時の大泉さんの笑顔が最高すぎる。これぞ多幸感って感じ。

くるくる回る車イスをノリノリで、さらにくるくる回す高畑充希。

この二人、少し前に喧嘩していたんです。もう決裂ってくらい決定的な。

そんな心の距離が遠かった二人が、一つの音楽を楽しむことで心の距離がグッと近くなるシンプルで根源的で、リアルな感じがなんかいい。

そんな多幸感溢れるライブシーンから一転、大泉さんがお腹を下して、トイレを探す展開に。

残念ながらトイレに間に合わず、粗相をしてしてしまう。

男にとってはめちゃくちゃ恥ずかしくて、いたたまれない局面だけど、弱みを見せることで深まる関係もある。

好きなものと弱みを共有することで、なんでもなかった二人が特別になる一連の流れが、すごくスムーズに、楽しく、おかしく、切なく描かれているところがすごくいい。グッと胸にくる。

青春映画としてもみられるエンターテイメント

この映画、障害がある人が人生をどのように生きるか、どのように支えて行くべきなのか、障害者の人の性や恋とか、いろんなテーマがあって、考えさせられる。

でも、大泉さんと高畑充希さんたちボランティアが一丸になって、一人のひどく不自由な男をどれだけ人間の尊厳を持って、夢を持って、生きれるかということに人生をかけて挑戦した青春ものとしても楽しめる作品だと思う。

まだ観ていない方はぜひ観てみてください。



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