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イベントレポート Startup BizDev Meetup Vol.3

Startup BizDev Meetup Vol.3に参加したので、レポートを書きます。

BizDevという社内で相談相手も少ない職種であり、かつ質問ベースで進むので、良いイベントだと思いました。

交流したかったけど、風邪で声が全く出なかったので、交流会は諦めて、参加できなかった人のためにレポートを作りました。


オープニングトーク:NewsPicks 代表取締役社長COO 坂本 大典
【モデレーター】ラクスル 取締役COO 福島 広造

ラクスルは印刷、広告、物流という3つの領域で、大きく確実に再現性高く事業を作っている。

同じような事業づくりをしている会社の中で特に成功しているのがNewsPicksだと思ったので、坂本さんを招待したそう。

坂本さんのキャリア紹介
新卒入社したPwCの研修してすぐにユーザベースに戻る。
売上が無いころは、最初はプロピッカーを泥臭く集めた。具体的にはFB, TWのフォロワー数多い人をリストアップして、テレアポしてアプリをインストールをしてもらう。
ユーザー数ができてきたら、編集長の佐々木を採用し、コンテンツをリッチにしていくなど、次の展開も仕掛けていった。現在はQuartzの買収などで海外展開も開始している。

ここからQ&A

Q. 事業開発/BizDevとは?
A. まだ価値が顕在化していないところに自分で飛び込んで形をつくって、人を集め、チームを作り、引き継ぎまでできる人。

Q. 事業を再現性高く作れる人材とは?
A. 上記の事業開発サイクルを3回転できる人を指す。坂本さんは7,8回やってきた。トップには「一番重要度が高いものを振ってくれ」と言い続けてきた。
BizDevはそんな中でも病まないことが大事だと思う。

福島さん補足)坂本さんはガチ系の事業家。Raksulも無茶ぶりスタイル。できなかったときに「俺ができなかったら他の人はできない」というスタンスも併せて持つ。Raksulは「その人じゃないとできない」という人に任せる。一方で、失敗に対しては寛容。3回転目から再現性が圧倒的に高まる効果もある。

Q. 引き継ぎに必要なのは?BizDevと同じような人は引き継ぎ先にいないのでは?
A. フェーズが進むと、安定して価値を出し続けられる人が適任の場合があるので、そのタイミングで任せる。

Q.スケールする事業の共通点って?
A.事業の作り方は2つある。1つは「大きく絶対世界こうなるよね」というところから逆算する。もう1つは「自分たちが欲しいものを作る」。
前者はコケる可能性もあるが、後者は外しにくい。後者の場合は「僕は喉から手が出るほどほしいかどうか」まで突き詰めていくのが重要。

Q.0→1をやっている。引き継ぎまでを考えているが、どこまでが引き継ぎ終えたかを判断してるか?
A. 「自分でトップをやるか、引き継いだほうが良いか」という観点で決める。事業を最大化するのが事業化のミッション。個人の力を過信しないで、チームに引き継いだほうが良ければ渡す。いまやNewsPicksは自分(坂本さん)の個ではできないレベルの売上に至っている。

Q.戦略や社内とのコミュニケーションはどうやる?
A. 自分が成功するために上を使うのが大事。悩んだら相談したほうが良いし、定期的に聞くことも大事。社内/外の頭をうまく使って、壁打ちをしまくる。相談の後も応援してくれるし。
副島さん)自分のアドバイスを聞かなくなったら、事業は立ち上がっている証拠とも言える。

Q.うまく行かなかったときのモチベーション管理は?
A.モチベーションの上げ下げがある人は役員になるべきではない。そもそもモチベーションは下がるものではない。目標までのアップダウンはあって当たり前。そこで凹むのは視座が低い。

Q.BizDevの採用はどうしてる?
A.とりあえずポテンシャル高い人に同じ体験を積ませると思っている。その人がポテンシャル高い人材か、専門性を生かしたい人材か、は分けて考えてる。ただ、営業力のありそうな人はセンスの領域なので重要視する。

Q.採用方法は?
A.役員によるが、何を言われてもへこたれずに向かってくる人。

Q.最後にひとこと
A.なんで一つの会社で自分が役員まで行けたのか。それは選択肢を絞ったから。ユーザーベースに映る前、PwCの偉い人に「絶対失敗する」と言われて、そこに「絶対成功する」と言って辞めた。辞める選択肢を無くしたからここまでこれた。決めたことをやりきることが大事。

Q.上場した今のモチベーションは?
A. 実は上場した時に転職考えた。そこで「自分自身が何をしたいのか」を考えた結果、2つに行き着いた。(地元の)愛媛の高校生の人生が変わる。日本中の優秀な人を世界につなげたい。その2つを実現するには結局NewsPicksが最適だった。NewsPicksでは、会社のやりたいことよりも、個人のやりたいことのほうが強い人が取締役になってるかも。


20:00 ~ パネルディスカッション
『急成長スタートアップ 若手ミドルの事業責任者と考えるBizDevの役割と魅力』

後半は、オープニングトークの2人のチームメンバーに加え、freeeを加えた3社でパネルディスカッション。こちらも、Q&A中心で進みました。


登壇者の皆さんとモデレータのfreee 金融事業本部長 武地 健太さん(左)


freeeからは、freee 金融事業本部 金融サービス開発チーム マネージャー 花井 一寛さん。PwCの後、freeeへ入社。最近の保険やアプリストアの取り組みを紹介。


ユーザベースからはSPEEDA事業 執行役員COO 山中 祐輝さん。山中さんは商社にいて当時専門性もなかったが、NewsPicksのファンになり熱意で採用までこぎつけた。「営業経験がないけど日本のトップライン作ります」「三菱商事の海外赴任を断った」というのが採用の決め手だった。

ユーザベースでもずっと営業畑だったが、BIzDevは直近でやるようになったそう。


ラクスルからはラクスル事業本部 インキュベーション事業部長 高城 雄大さん。NTTコミュニケーションズで世界各国を回るエンジニアをし、PwCを経て、ラクスルに入社。

ECのサービスプロセスを自動化したときは、15-30時間のプロセスを5分以内に短縮。それまでは数十人で人力で回していたものの圧倒的な効率化を実現。その他にも、チラシが収益の中心だった時点からを高付加価値のECに至る前事業展開させていった。

ここからQ&A

Q.高城さんは一人だけ営業経験無いけど、「営業やりたかった」って思ったりする?
A.No. すぐお客さんに会いにいたり、工場に見学に行ったりするので、メンタリティは営業チックだと思っている。


Q.何をインプットし、どう発想し、何をアウトプットしているのか?
Raksul高城:かなり多岐に及んでいる。データ、業界紙、海外のスタートアップに話を聞きに行って、マクロ判断はする。その上で、お客さんの課題を意識して、「自分ができそう」と思ったものに突っ込む。

NewsPicks山中:ひたすらお客さんがどういう仕事をしていて、どういう課題を持っているかをインプットしている。その中で「自分が一番何をやりたいか」で判断。アウトプットはすぐに話してお客さんにぶつけるだけ。

freee花井:お客さんと社内の人の話をする。協業する話をしつつ業界情報をインプットする。株主ふくめ海外の人と話を聞くようにする。いかに抽象化して応用できるかを考えて「やりたいこと」をやる。

Q.「やりたいことをやる」とうのはそうだが、自分のやりたいことの解像度をどうやって上げるのか
Raksul高城:「自分がやりたくなるか」は大事。その後やりきる。何かをやりきった先の視座が変わっているので、すぐに次の面白いものが見つけられる。

NewsPicks山中:最初からやりたいことがあればやってるし、やってみてから判断している。例えば、「SPEEDAはトラディショナルな領域は強いが新領域は弱い」とわかった時にだんだんワクワクしてくる。

Q.社内の人を焚きつける方法は?
freee花井:ベンチャーにいる人はワクワクしがちなので、そこであんまり困っていない。現業との兼ね合いは考えてアプローチすることは大事と思うが。

NewsPicks山中:ひたすら熱意を持って発信し続けるのが重要。

Raksul高城:Quick Winが必要。MVPでお客さんが動いた瞬間を早くつくる

Q.BizDevならではの「やり遂げる力」とは?
Raksul高城:領域侵犯してもやり遂げるか。自分のRoleを定義しない。

freee花井:一回ぐらいダメだったとしても違うスキームを考えて、達成まで突き進む。

NewsPicks山中:ハレーションも反対もあるが、心を無にしてやって結果を見せるところまで頑張る

freee武地:味方になる人を作るようにしている

Q.BizDevになってどう変わった?
freee花井:基本的にそんなに変わっていないかなぁ。コンサルのときも領域は違えど、コミットすることは同じ

NewsPicks山中:自分が見ているものに対する時間軸が違う。営業は今年のトップラインをいかに作るか。BizDevはもっと先を見据える。

Raksul高城:最初は時間軸を長く取れるようになるのは最初怖かったが、3年以上先のPLを見据えてプロジェクトを進めていけるのが今は楽しい。

Q.前のセッションで出た再現性高い事業を作る人は「心身ともに体力が必要」論をどう考えてる?
freee花井:モチベートの必要がないことは重要。

NewsPicks山中:自走力/自燃力が高い人が向いてる。

Raksul高城:心が強い人が前提。自分のやってきたことを抽象度上げて、型化できる人が強い

Q.ポテンシャル高いと思うのはどんな人?
NewsPicks山中:明確に原体験と情熱がある人。SPEEDA事業に対する情熱とコミットメントに自信がある

Raksul高城:どんな抽象的なテーマであれ、自分のスタンスを取れること。あとは「自分が過去に同じタイミングで自分にはできないな」と思う人はすごいアトラクト

freee花井:テーマを実現まで落とせる解像度を持っている人

freee武地:輪の中心にいる時にパフォームする人は相性いいかも

Q.事業づくりできるのに、起業せずに今の企業の今のポジションにいるの?
Raksul高城:自分でサービスやったこともあるが小規模になってしまう。「自分でやるかどうか」も手段なので、予算ふくめリソースを潤沢に使った施策をできるのは、今以上の場所がない。あと、創業者の発想法から常識はずれのNatureを感じたので、それに付き合ったのも大きい。

NewsPicks山中:「日本発で世界一のプロダクトを作る」というのは今の場所が一番最速

freee花井:以下の記事の通り、ここまでリソースも豊富な環境はあまりない。


Q.失敗談や失敗しないようにしていることは?
Raksul高城:入社して最初の2回は失敗した。1回目はお客さんの話はしたが、それっぽいロジックを作って押し付けてミスった。2回目は社長と2人でやったとき。営業 & サポート & エンジニアの兼任をしたが、会社の現状と自分の実力を過信して制約を越えられなくて3ヶ月で撤退した。

NewsPicks山中:ひたすら細かいサイクルでユーザーに持っていって改善を繰り返して、諦めずに改善していく。

freee花井:3ヶ月以上の開発はしない。ユーザーじゃない人の声を聞きすぎない。

Q.会社のカルチャーをどう生かしている?
freee武地:結構勝手にやってる事が多いが、「話してなかったから」と言って後から反対されることはないのはfreeeでBizDevが活躍できる秘訣だと思う。

NewsPicks山中:失敗を許容すること。自分の責任を負えない失敗は負わさない。

Raksul高城:「もう出来ちゃってるし」という感じになってから経営に見せたことがあるが、Goサインが出た。エンジニア・デザイナーがビジネスに興味があるのは会社の強み。

Q.最後に一言
Raksul高城:今回は玄人向けベンチャーをアサインしてきたが、根本は変わんないなー、と思いました。

NewsPicks山中:こういう会社で働いている人って、信念持っている会社が多い。横のつながりが重要だなと思うので、こういう会はよいですよね。

freee花井:自分自身も事業開発についたとき、「事業開発って誰に聞けばいいんだろう」と思ったので、横のつながりができて話できる相手が増えれれいいなと思う。


参考:各社の採用情報はこちら

Raksul


NewsPicks


freee




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