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JP_Stripes Connect 2019キャッシュレス対談レポート 1 ~ #キャッシュレス のメリット ~ #JPSC2019

先週の木曜日、Stripeのイベント(JP_Stripes connect 2019)にお呼ばれして、Stripeの小島さん、600の久保さんとお話させていただきました。

遅ればせながら、このときのお話をnoteでも振り返ってみます。

結構長くなってしまったので、今回はキャッシュレスのメリットに絞って書いてみます。

当日は、こんなゴールを設定してパネルディスカッションしました。

資料はこちら。私は事業者側のキャッシュレスについて話をしました。自己紹介で文字が切れているのはご愛嬌ということで...。


なぜキャッシュレスが不可避な流れなのか

まずは、キャッシュレスの重要性やメリットについて書きます。

実は去年、Stripe小島さんにfreee部のイベントでキャッシュレスについて話していただきました。その発表では、キャッシュレスが不可避な流れであることをお話しいただき、厚めに資料をまとめていただいています。

以下の小島さんの資料をパラパラするだけで、キャッシュレス化が不可逆であることを感じられるでしょう。

不可逆なのは、メリットがあるから

「流れ」「不可逆」と書くと少し強制されている感が出てしまいますが、キャッシュレス(=現金レス)が進むのは、メリットがあるからです。

言い換えると、現金を扱うことにデメリットがあるということです。特に、現金を扱うコストは大きい。要するに「現金って管理するのが大変」なのです。

もし私が一人でビジネスをするなら、現金を渡すことや数えることに貴重な時間を割き続けたくはありません。キャッシュレスによりお金をデータ化できれば、受け渡しや確認の手間がなくなります。

去年(2018年)に発表されたSquareの調査では、現金管理のコストの大きさを時間や人で換算しており、そのコストの大きさが分かります。

日本の中小規模事業者が負担する現金管理コスト、人件費にして約8,861億円
日本の中小規模事業者が現金集計や銀行への入金に割く時間は、年間約147時間に及ぶことが分かりました。これは、人件費に換算すると日本全体で約8,861億円に上ります(※1)。事業者は完全キャッシュレスに移行することで、月間で12時間以上の余裕ができるため、人手不足解消への効果や、経営にインパクトのある業務に時間を回し生産性向上に繋がる効果が期待できると推察されます。
現金管理コストや機会損失のリスクが明らかに。キャッシュレス化、人手不足解消でもメリット大|SQUARE


また、私のnoteでは、上記の管理コスト以外にもキャッシュレスやクレジットカード導入にはメリットがあることを書きました。

しかし、クレジットカード導入のメリットはそれだけではありません。

今回は、コスト以外のクレカ決済の見えにくいメリット(逆に言えば、現金を使うことによる機会損失)に焦点を当てて紹介してみます。

なお、今回はカード会員(顧客側)ではなく、決済導入事業者(加盟店)のメリットについて書いています。

(中略)

・新しい営業機会損失の回避
・再集客チャンスを逃さない
・決済ミスが起こりにくい
・不払いリスク回避
・見えにくいメリットは、数少ない導入実践者だけが知っている

クレジットカード決済導入の見えにくいメリット #キャッシュレス #クレジットカード |tk(Toshimitsu Kimoto)|note


キャッシュレスが信用力獲得につながる可能性も

そのほか、イベント当日には出ませんでしたが「キャッシュレスは信用力を得やすい」というのがあります。

「クレジットカードを使うと信用情報機関に情報が蓄積されるため、将来さらなる信用を得やすくなる」という意味だけでなく、キャッシュレスでは人手が介入する余地が小さいため、不正をしにくいのです。

これも逆にいうと、人手を介さざるを得ない現金は、不正をしやすいとも言えます。

具体的に言うと、現金は、数え間違いをしやすく、失うことも、隠すことも、盗むことも、誤魔化すことも簡単です。

そんな現金を信用するためには、税理士さんや監査法人など第三者に証明してもらったり、レシートなど証憑をくっつけたり、銀行員に訪問してもらったり、面談したりするなど、色々な工夫がされています。

最近の三井住友カードのCMでも、現金の危うさをユーモラスに紹介していますね。

一方、デジタル化しやすいキャッシュレスなら信用しやすくなります。たとえばfreeeの資金繰りサービスでは、freeeにあるデジタルデータをもとに最短24時間以内で資金調達の審査が可能です。

2月にお招きいただいたイベントでも、キャッシュレスによる信用力の獲得について話させていただきました。

freeeを使っている人って、銀行口座やクレジットカードの全てが集約されているので、金融機関の信用を獲得するための武器になるんですよ。さらに効率化のため自動連携していれば、手作業で間違った情報を入れられないので紙よりよっぽど信頼できるデータといえます。

freeeをきちんと使う人が、クレカの限度額を早期に上げられたり、融資につながったりする例も出てきています。

今までひとつの金融機関だけでは出来なかったことが、freeeと連携することで出来るようになる。それを実現していくことって非常に価値あることだと考えているので、このような仕組みを開拓していきたいですね。それこそがユーザーさんの大きなサクセスに繋がると思います。

カスタマーサクセスの果てに見えたfreeeの金融事業とその可能性 〜finance lab特集vol.1〜

これは、「デジタル化されているキャッシュレスデータだからこそ信用力を持てる」ということを現している一つの形だといえます。


[19/4/18追記]キャッシュレスによる国へのメリット

キャッシュレスのメリットは政府にもあります。

政府がキャッシュレス化を推し進める狙いは4つある。
第1は、まずは2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックへの対策である。
(中略)
第2は、現金のハンドリングコストの削減だ。紙幣にしても硬貨にしても、貨幣をつくって保管し流通させるには膨大なコストがかかる。国だけではなく企業にとってもそのためのコストはバカにならない。
(中略)
第3は、犯罪抑止という観点から、現金の中でもダークマネー化する比率の高い高額紙幣を廃止しようという案が出ている。
(中略)
第4は、お金の流れをきちんと捕捉して、徴税を徹底したいということ。言い方は悪いが、できるだけ税の取りっぱぐれがないようにしたいと考えるのは、国や役所の立場からすれば当然のことではある。

日本政府が現金払いを減らしたい納得のワケ | 家計・貯金 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

キャッシュレスによる事業者の生産性向上だけでなく、国の立場でも現金から脱したい理由が見て取れます。


[次回予告]キャッシュレスの現状と、阻害要因とは

と、結構長くなってしまったので、続きは次の記事とします。

次の記事では、キャッシュレスの現状と、キャッシュレス化の阻害要因に触れるつもりです。

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