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無駄に疲れて、家でイライラしないためにやってること:気付きと対処編

疲れは子育ての最大の敵だと思っています。
疲れると、ちょっとした子供の行動に腹が立ったり、家族への気遣いもできなくなってしまいます。

エネルギーの問題も重大だ。創造的な労働者が、配偶者と過ごす時間は量的に少ないだけでなく、経営学の学術誌『アカデミー・オブ・マネージメント・ジャーナル』によると、その質も劣るという。家に帰るころ、彼らの脳はへとへとに疲れている。気遣いのあるパートナーになりたくても、ガス欠なのだ。また、完璧主義の傾向が強い人びとは、配偶者と満足な関係を持てる可能性が三三%低いとの研究結果もある。
残酷すぎる成功法則ーエリック・バーカー

とはいえ、子供のハプニングだらけで疲れの原因は毎日容赦なく襲いかかります。本当に容赦がありません。

それでもできるだけ「無駄な疲れ」が溜まらないよう、この半年間、試行錯誤してきました。

ということで、今回は、疲れないために僕がやってることを紹介します。

疲れ対策は、①疲れに気づくこと、②疲れたときの対処、③疲れないための予防の仕組み、の3つが大事だと考えています

少し長くなったので、この記事では②まで取り上げています。

みなさんも、「自分はこういう疲れ対策をしている」というものがあれば、ぜひ教えてください。

気づく①:体感を信じない

疲れないようにするのに、まず疲れに気づかないと対処できません

しかし、「自分で疲れに気づくこと」は簡単ではありません

ちょっと長いですが、自衛隊の教官の書籍から引用します。

最初の対策は、蓄積しつつある疲労に気づくことだ。これまでも説明してきたように、もともと疲労は知覚しにくい性質を持っている。
何とかムリの進行を知るため、次のような手段を取ってみよう。
まずは、ムリの兆候を自分自身で把握する努力をすることだ。 先に紹介したように、ムリは体(健康)、人間関係、行動、心(感じ方、考え方)に表れる。 ところが、何らかの変化が表れていても、自分なりの理由を付けて納得してしまっている。すると、変化も変化と認識できない。
(中略)
例えば、「自分は大丈夫、全然疲れてなんかいない」と思っている人でも、試しに、「もしかしたらムリが来ている、疲れているかも……」と考えてみる。もしそうなら、どんな変化があるだろうかと想像し(EEIを立てる)、その変化を探してみる。 例えば、最近のあなたが、子供のしつけで悩んでいるとしよう。なかなか言うことを聞かないし、つい手が出る事もある。どうしたら言う事を聞くのだろうかと、いつも考えているとしよう。あなたの頭の中では、「子供が悪いから、叱っている」と思い込んでいる。
しかし、これも「ムリ」の一つの兆候ではないか、という目で見直してみると、イライラが生じ、子供に当たっている、と見られないこともない。
「人間関係」と「行動」の変化だ。
(中略)
とはいっても人は、「自分は疲れている」と思うより、「疲れてなんかいない」と思ったほうが、元気が出る。例の麻痺システムによる快感だ。だから、どうしても疲労は気がつきにくい。
ならば、「もともと知覚できないもの」という前提で、対処を考えることも一つの手だ。
自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書) 下園 壮太(強調部分は僕によるもの)

前提として、「疲れは自覚できない」という考えを持つようにしています。

特に、(僕もそうなのですが)残業続きの仕事スタイルの経験がある人は、疲れを体感しにくい人なのかもしれません。

以下の表にあるようなストレスを抱えやすいイベントに関わっているときは、特に注意しています。「疲れている場合ではない」「これは疲れではない」と自分を騙して頑張りがちになるため、余計に疲れに無自覚になります。

そのほか、「決断疲れ」というものも、自覚しにくい疲れの一つでしょう。

新しい街で働き始めた初日。私は気付くと、新しいマンションでカーペットにうつ伏せに寝転んでいた。ソファを買わなくちゃ。あの原稿を仕上げなくちゃ。犬の散歩にも行かなくちゃならない──
でも家から職場までどの経路で行くかを決め、医療保険のプランを選び、10個以上の新しいパスワードを設定した後では、私はまったく使い物にならない。夫に聞かれた夕食メニューも、何でもよかった。
こんな私の状態を科学的に説明すると「決断疲れ」だそうだ。
読んで字のとおり、次々と何かを決断をしていくと、人は疲れてうんざりしてしまうことがある。仕事帰りに食料品を買うことを考えてみよう。7ドルで有機農法のベリーを買うか、4ドルで普通のベリーを買うか? パスタの種類は? ジュースのブランドは? あなたが私みたいな人だったら、2、3の決断をしたらいらいらし始めるだろう。
「決断疲れ」が生産性を奪う | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト(強調部分は僕によるもの)

気づく②:体感以外の方法で疲れに気づく

「疲れを感じることはできない」という前提に立ったとき、疲れに気づくには、自分の疲れたときの行動を振り返ります。

僕の場合、作業時間、客観的に計測できるパフォーマンス、自分の行動を振り返って、疲れの種を気づけるようにしています。

長時間作業はもちろん、例えば家族にイライラしてしまう、ついビールに手が伸びる、Amazonで衝動買してしまう、ゲームの成績が良くない、というのは疲れが出ている状態とみなします。

自分を振り返ってみて、「疲れを感じる前の行動」を特定してみましょう。

個人的には、「疲れてないときはやろうと思わない」「やっても特に満足感や楽しさを感じない」ことは、疲れの現れだと思っています。

疲れたとき①:疲れた気がしたら共有する

疲れに気づくことができたら、周りに共有するようにしています。

同僚がやってて素敵だと思ったのが、「毎朝チーム内で、今日の調子をホワイトボードに貼り付けて共有する」というルールです。

こにより、各メンバーそれぞれの平均的な感じ方と、今日の変化をそれぞれ読み取れます。「この人は疲れを感じやすい人だな」とか「あの人は、普段は元気そうなのに今日は疲れているのか」ということも理解できます。

僕は家で、本当に疲れたときは「疲れた...。」と言ってダラダラします。他の家族も疲れているときは、家族全員がダラダラすることになります。疲れているんだから、疲れていないときのように行動できないのは仕方ありません。

申し訳ない気持ちはありますが、「みんな疲れているんだから自分だけでも頑張ろう!」と思っていては、いつまでも疲れを取るタイミングは訪れません

疲れたとき②:寝る

生活時間のほとんどは、仕事か睡眠です。疲れたらそのどちらかを改善することを考えます。

そのなかでも、一番取るべき対処方法は寝ることだと思っています。

睡眠が不十分だと、疲れが取れない→仕事もうまくできない→仕事がたまる→寝る暇がなくなる→...という負のサイクルが回ります。

これを断ち切るのは、十分な睡眠のみです。

ほとんどの人はショートスリーパーではないそうなので、まず十分な時間(7-8時間)寝るようにしています。

疲れを感じていないとしても、休息が充分取れていて、最適な状態で働けているとはかぎらない。 失礼だが睡眠不足かどうかという自分の判断も、疑ってかかったほうがいい。
『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載されたペンシルバニア大学の睡眠研究者、デービッド・ディンジスの研究によると、四時間睡眠が二週間続いた被験者は、疲れているがとくに問題ないと回答していた。そこで一連の試験を実施すると、彼らの脳機能はゼリーに近かった。六時間睡眠が二週間続いた被験者の脳は、事実上酩酊状態だった。平均的アメリカ人は何時間眠っているのだろう?
ギャロップ調査によると、六・八時間だという。 なかには、毎晩、短時間の睡眠で平気だという人もいるが、あなたはほぼ確実にその部類ではないだろう。なぜなら、「短時間睡眠者」は人口のわずか一~三%だからだ(この症状を訴えて医師にかかる人はいないので、その実態を把握するのは至難の業だ)。
残酷すぎる成功法則ーエリック・バーカー(強調は僕によるもの)

睡眠不足も、疲れと同じよう、気づきにくいため、体感ではなく量で考えるようにしています。

疲れたとき③:休憩する

仕事場でも疲れたら、休憩時間を取ります。

そもそも、人間が集中できる時間はそれほど長くありません

朝から晩まで、つねに「好調」であり続けることはできません。なぜなら、「好調疲れ」を起こすからです。1日のうち、高い集中力を発揮できるのは4時間が限界です。
でも逆にいえば、4時間集中できれば仕事の生産性は格段にアップします。というのは、圧倒的に多くの人は、1時間の集中すらままならないからです。
1日4時間集中できれば生産性は格段に上がる|働く人のための集中力マネジメント講座|石川善樹|cakes(ケイクス)

作業の合間に細かく休憩を入れる「ポモドーロ・テクニック」というものがあります。

ただ、僕はこの記事の筆者と同様に、ポモドーロ・テクニックでの休憩時間の過ごし方が下手なので、うまく使えていません。

なので、昼休みに10-15分程度昼寝をするようにしています。

昼寝は短時間でできる非常に効果的な休憩方法と言われています。

記憶力と問題解決能力に対する相対的なメリットについて、200ミリグラムのカフェイン(おおむねコーヒー1杯分に相当)と長い仮眠を比較した。両者の影響は、知覚学習については同程度だったが、単語を思い出す力および運動学習については仮眠のメリットのほうが勝っていた(カフェインは運動学習をむしろ妨げた)。

結局、疲れは実感しにくいので、疲れが取れたかどうかはっきり分かるわけではないのですが(汗)、研究の成果を信じて休むようにしています。

対処だけでは疲れが解消しないため、予防が重要

疲れの対処療法ばかりを行っていては、「すぐ疲れて、すぐ寝る人」になってしまいます

都度、疲れを解消するのではなく、無駄な疲れの原因を予防しなければなりません。

予防に関しても、色々書いたのですが(トップ画像は予防法の一つ、作業姿勢の改善です)、長くなったので予防編は次の記事で書くことにします。

追記:予防編「無駄に疲れて、家でイライラしないためにやってること:予防編」を書きました。

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