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イベントレポート「THE CLOUD EXPERT -Salesforceを徹底的に使い倒す-」第3部パネルディスカッション #cloudexpert

イベントレポート「THE CLOUD EXPERT -Salesforceを徹底的に使い倒す-」のnoteが長くなったので、分割しました。このnoteは第3部です。

第2部はこちら。


第3部は、UPWARD株式会社 代表取締役社長CEO 金木竜介氏、ウイングアーク1st株式会社 マーケティング統括部 部長 兼 経営戦略担当 久我 温紀氏 、SALES ROBOTICS株式会社 代表取締役社長 CEO & Founder 内山 雄輝氏がパネラーのパネルセッションでした。

まず、モデレータの株式会社FORCAS マーケティング&ブランディングチーム マネージャー 酒居 潤平さん(以下"FC酒居")から、パネラーを紹介。

SALES ROBOTICS株式会社 代表取締役社長 CEO & Founder 内山 雄輝氏(以下"SR内山")
インサイドセールスに特化したサービスを提供している。学生時代に起業して16年。最近M&Aされた。オリエンタルラジオがCMしてるらしい。

UPWARD株式会社 代表取締役社長CEO 金木竜介氏(以下"UW金木")
フィールドセールス向けのクラウドサービスを提供。AppExchangeのトップサービスの一つ。Salesforceに苦労したことも良かったことも多い。もうお酒3本目。

ウイングアーク1st株式会社 マーケティング統括部 部長 兼 経営戦略担当 久我 温紀氏 (以下"WA久我")
翼システムから独立した会社。20人目の社員。いまは600人の会社。営業からキャリアをスタート。SFA(e Sales manager)は2006年ぐらいに導入して7年ぐらいうまく使えてなかった。Excelオバケから脱却できなかった。

「Why Salesforce?」

FC酒居「なぜみなさんはSalesforceを選び、使っているのですか?」

SR内山「正直高いっすよねー。UI使いにくいし、Excelみたいに簡単には使えない。リテラシーも必要。経営者として「こんな高いもの!」とは思う。

それでも数あるCRMの中でSalesforceを選んだのは、世界No.1だから。アプリもユーザーさんも多い。あとはセキュリティ。Salesforceが止まっても「Salesforceならしゃーない」と思える。」

FC酒居「金木さんはなぜ使えてない期間があったのに、辞めずにやり直したの?」

UW金木「難しいですね。とりあえず、まず高いということは言っておきます(笑)。

話を戻すと、お客さんが変わってきていることを感じた。お客さんがサービスを選ぶ時代になって、個の営業力だけでは追いつけなくなったので、本格運用した。入れたときは「Salesforceはイケるかな」と思った。ただ、塩漬け状態だった。はじめに使おうとしたのはトップダウンだった。」

SR内山「営業がデータ入れない問題はあるので、トップダウンアプローチは重要。営業が「これやると売上下がりますよ」って言ってくる。それに対して「いいよ」って強制的に矯正した。」

WA久我「確かに導入時の安心感はある。一番大きいのはモジュールとして使えること。エコシステムと連携可能性があるのが強み。連携して使っていくならSalesforce。Excelじゃリアルタイムで管理できない」

SR内山「Salesforceは営業データを貯めるデータベースのようなものだと思っている。」

WA久我「そう。ただし、分析したい人たちが項目を沢山作り始めると、営業がやる気なくなる。項目は最小限にするべき。」

SR内山「Einsteinを使っていると、データ整備がとくに大変。項目の種類は少なくとも、確実なデータを入れ続けることの方が重要。」

自社フロント部門におけるSalesforceの”使い倒し方”は?

①Marketingは?

FC酒居「皆さん、実際にどのようにSalesforceを使っていますか?まずはMarketing部分をWingArcの久我さんに伺いたいです。」

WA久我「Marketingの上流から名寄せをして、整備していく。パイプラインが整ってMetrixで常に見れている状態。

ただし、半年から1年にかけて受注するサービスなので、パイプラインが足りない、となったらもう遅い。もうSalesforceがないと業務フローが回らなくなる。

この図は青が受注。青以外はランクごとでわかるようになってる。6年分のデータがあるから3年後の中期経営計画への確度が分かり、予算を立てられる。Slackで毎日予算に対しての進捗が作れる。

受注のデータまで得られれば、売上に続くようなテーマをマーケのコンテンツ作りのネタとして還元したり、部門関連系の素材にする。」

② Inside Salesは?

FC酒居「Inside Sales部分は、Sales Robotics内山さんに伺いたいです。」

SR内山「Pardotも活用して、Marketing段階からつなぎこんでいる。リードが足りないということが起こると、対処が必要になる。

そもそも、インサイドセールスは3種類ある。新規開拓、顧客醸成、リカーリング(アップセル)でそれぞれやることはぜんぜん違う。最近バズっている”インサイドセールス(2番目)”をやるには、まずリードが少ないと意味がない。」

なお、SalesSales Baseは新規リードや顧客フォローのインサイドSalesの機会損失を回避するサービスとのこと。


SR内山「一つのお客さんを3つの部門で追わないといけないので、Salesforceを使っている。Einsteinはインサイドセールスで効果が出る(事例あり)。でも効果が出るまで6ヶ月かかる。」

③Field Salesは?

FC酒居「Field Sales部分は、UPWARD金木さん、お願いします。」

UW金木「顧客情報に紐づけて情報入力が簡単なサービスを提供している。正直、フィールドセールスの情報は定量化できない。なぜ取れたか、なぜ取れなかったか、を完全に定量化するのは非常に難しい。同じようにSales kitを使っているのに違いがあるのは、個々のスキル差だと思っていた。
いまは、5段階で項目化して、選ばせるソリューションを提供している。」

フリートーク

FC酒居「失注理由って、どう洗い出していますか?」

SR内山「受注につながる勝ちパターンをまず決める。勝ちパターンを埋めても決まらない場合に話が必要になる。チャットツールでフル公開で失注理由の深掘り。」

WA久我「失注顧客がスコアが高いかどうかが重要。失注しても、受注確度が高い企業だということは変わらない。リサイクルに回すだけ。営業が目の前のHotな案件に集中するのは当たり前。FieldでつながらなかったらInsideに返すようにする。Fieldから返すのが多くなると、Insideで受注して見せつけたこともある。重要なのは部門ごとのコミュニケーション。」

SR内山「伝統的な会社はデータがまとまっていないのに、利益出てる会社もある」

FC酒居「色んな所がデータに注力しているが、ほんとにデータって大事なのか?」

UW金木「仕組みとデータに注力すぎて陥るのは、人の問題。自社でも部署の分断が起こったので、横断コミュニケーションをする人を充てた。部長同士が話せばいいような問題だけど、結局人を挟むことで解決することがある。」

WA久我「うちは横断でデータを見るチームがいる。マーケリードと受注との関係が見えるようになって、適切なフィードバックができるようになった。でも結局戦略が大事。KPIをコロコロ変えてるし。項目増やしまくるのは手段が前面に出すぎる問題ではあるが、データがちゃんと溜まっていると路線変更するときでもストック分の強さがある。」

FC酒居「結局、Salesforceを使い倒すには何が必要なのか?」

UW金木「データに振り回されないで、誰に売るかをちゃんと考えるのが大事。それがあると結果的に現場がSalesforceを使ってもらう説得力のある理由につながる。」

SR内山「話し合いと決断。やるって決めたらやる。」

WA久我「なぜSalesforceを入れるのか、という意義を決めていくことが大事。」

1~3部を通しての感想とか懇親会とか

自分自身が、4月からSalesforceの定着を支援するプロダクト(これ)の責任者をしているので、現場の意見がたくさん聞けて参考にできる情報ばかり。

一方で、ちなみに全国に営業拠点のあるような大企業だったら、さらに違う次元の定着ノウハウがありそうだとも感じました。

Salesforceの導入説明会を全国向けにするような大きめの企業の定着・運用のコツが話されるようなイベントやコミュニティがあれば、ぜひ教えてくださいm(_ _)m

なおイベント後の懇親会では、Salesforceを使いまくっている人たちと、Salesforceの話から組織運営、Sales Enablement、システムの権限管理の諸問題など、幅広く話をできたことも含め、良い機会となるイベントでした。

以上、雑なメモですが、誰か(主に社内)の役に立てば幸いです。

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