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vol.1 多くのマーケティング企業が「コンテンツ」の作り方を教えてくれないワケ

■なぜこの本を書いたか

初めまして。BtoBマーケティング コンテンツ コンサルタントの宮﨑晃彦です。2019年8月に『 [デジタル+オフライン] BtoB企業のためのマーケティングコンテンツ制作ガイド』を出版しました。なぜ私がこの本を書いたのか、まずはお話します。

その理由を一言でいうと、「BtoBマーケティングに対する危機感」です。“やるべきこと”と利用するツールが増え続け、高度に複雑になる一方で、マーケティング担当者も、営業担当者も、そして顧客も、誰もHappyじゃありません。疲弊してしまっています。

マーケティングの世界は、数年おきに新たなツールが登場し、ブームが起こります。私がBtoB、企業のマーケティング、販促の仕事に携わってかれこれ15年が経ちますが、その間、CRM、SFA、そして今はMA(マーケティングオートメーション)やインサイドセールスのツールが注目され、導入が進んでいます。でも、「ツールを入れただけ」では、業務が増える割に、根本的には何も改善しないことに、皆さん気が付き始めています。

また、BtoBマーケティングに関する実践的情報があまりにも少ない。書籍やセミナーで語られるのは方式論、組織論ばかり。中にはBtoCと混同したり、意図的にすり替えているのでは?というものも混在しています。

そして数年前からこれまたブームになっている「コンテンツマーケティング」という言葉にも、私は違和感しかありません。そこで語られるのはオウンドメディアなどデジタルのことばかりで、オフラインに関してはないものとしてスルーされています。

実際に、この数年で私に寄せられる相談事は、「ツールを入れたが効果が出ない」「やるべきと言われることが多すぎて、どこから手を付けたらよいかわからない」「自社でオウンドメディアを始めてみたが、うまく回らなくて困っている」という声です。

これらの解消法は、実は「コンテンツ(=最適な営業情報発信)」にあります。それも、デジタルだけのコンテンツマーケティングではなく、オフラインも含めた全体最適での設計と運用が重要です。ここをうまくやらないと、BtoBマーケティングは必ず行き詰ります。

しかし、いわゆるマーケティング専門企業からデジタル+オフラインの「コンテンツ」に関して語られることはほぼ、ありません。一体、なぜなのか。それには隠された理由があるのです。

■なぜデジタル+オフラインのコンテンツ(=最適な営業情報発信)整備法が語られないのか?

一つは、「語りたくない」からです。コンテンツの受託制作は労働集約型のビジネスで、スケールアウトしません。なので多くのマーケティング専門企業は、プラットフォームビジネスに注力したいのです。また、BtoCに比べ、BtoBは予算が少額です。つまり、制作ビジネスは「おいしくない」のです。

そしてもう一つは、「語れない」のです。BtoBは商材も商流も高度で複雑で、難解です。制作を請け負うライターもデザイナーもWebコーダーも「クリエイター」であり、「ビジネスパーソン」ではありません。なので依頼元の企業側の顧客と、ビジネスの中身について対等に会話できず、単なる下請け業者化しています。

これらの理由で、多くのマーケティング専門企業は「コンテンツは自力で頑張ってください」と突き放し、企業側は誰に頼めばよいか、いくらぐらいかかるか、そしてどう依頼すればよいかがわからず、「自力で頑張るしかない」と内製化した挙句に、コンテンツ制作がボトルネックになってマーケティング推進がうまくいかない、という事態に陥っているのです。

■営業に課題を感じているBtoB企業の経営層、そして現場担当者に向けて

この本のテーマは、「BtoB企業の“売り方改革”を実現する」です。読者の想定は、「営業に課題を感じているあらゆるBtoB企業の経営層、そして現場担当者」の方々です。

“売り方改革”とは、「従来型の非効率で属人的な営業手法をアップデートして、見込み顧客に見つけてもらい、選んでもらい、継続した売上を作る仕組み化」のことを指します。世の中で“マーケティング”と呼ばれている活動です。

私はBtoB企業の“売り方改革”を実現する、BtoBマーケティング コンテンツ コンサルタントとして活動しています。対象のお客様企業は外資系、国内、業種業界も組織規模感も売上高も、超メジャー大企業から中堅中小企業、スタートアップ企業まで、さまざまです。マーケティングご担当者、営業部門の責任者の方からご相談をいただく機会が多いですが、近年は経営層からのダイレクトなご相談も増えています。

また、寄せられる相談事も、新規事業の立ち上げや新製品の販売といった“わかりやすいきっかけ”が存在するもの、具体的なコンテンツを作成したいというものもあれば、「なぜだかうまくいかない」という漠然とした営業、販促についてのお悩みまで、課題の顕在度合いもレベル感も、さまざまです。

ただし、いずれの相談事も共通しているのは、

BtoCではなくBtoB企業である:Webだけで簡単には購入いただけない高度で複雑な商材を、複雑な商流で取り扱っている

既存の営業活動に限界を感じている:新規顧客の獲得、既存顧客の再耕、拡販、販売促進(販促)を行いたい

そして、もう一つ、

従来型の営業手法を見直したい:属人的にならず、効率的に継続できる仕組みが欲しい

ということです。

そしてこれらの相談事の解消方法こそが、この本でご紹介するコンテンツを軸とした

BtoB企業の「売り方改革」

なのです。

ーつづくー



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