自分に合う仕事(職種)とは
今回は、自分に合う仕事(職種)はどう決めたらよいのかについて取り上げます。
キャリア理論
自分に合う仕事を決めていく上で、キャリアカウンセリングを受けることもあります。
キャリアカウンセリングでは、いくつかのキャリア理論をもとにカウンセリングを行います。
このキャリア理論とはどのようなものなのかを、どのような観点から合う仕事を考察しているのか、の面から3つ取り上げます。
記事の構成上、あくまでもざっとした解説としており、またキャリアを仕事と置き換えているため、異論は出てくると思います。
パーソンズの職業選択理論
人と職業の適合という観点から、個人の能力・特性と、仕事に求められるスキルとの一致で合う仕事を求めます。
一致するほど、仕事における満足度は高くなります。
スーパーのキャリア自己概念
人生を成長期、探索期、確立期、維持期、下降期または解放期、のステージに分けて各ステージでの自分の役割と関係のある仕事を求めます。
それとは別に、自分はどのような人間であるかという認識と、環境との一致からも求めていきます。このように仕事を時間軸と役割の観点からとらえます。
ホランドの六角形モデル
人の性格を、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的、の6つのパーソナリティ・タイプに分けます。
その観点から、どれに該当するかから合う仕事を求めていきます。
就職課という仕事柄、学生にキャリアカウンセリングを行う会社からの売り込みを受けることもあります。キャリアカウンセリングを行っていない学校向けに、それを代わりに行いますという、就職サポートを業務とする会社です。
その会社のサービス内容の説明を聞いたり、あるいはネットで利用できる各社の自己分析(適職分析)サービスを参考にすることもあります。
それらのサービスは、前記のキャリア理論をベースに開発した、独自の手法を使っているように見受けられます。
自分に合う仕事はわからない
年をとっていくと合う仕事は変わる
例えば電気工事業界に進んだ場合、若いうちは現業(電気工事)が合っている人がいます。しかしそのような人でも、年をとって仕事での経験を積んでいくうちに、現場監督(施工管理)が合うように変わることがあります。
IT業界でも、若いうちはプログラマが合っている場合があります。しかし30代にはいると、会社では管理職として部下の労務管理をするよう異動することがあります。そのときに、そのまま管理職としての道を歩む人もいれば、生涯一プログラマとして仕事を続けることを望んで転職する人も出ます。
つまり、年を取って経験を積んでいくと、自分に合う仕事は変わっていくということです。
取り組むと意外に合う仕事だとわかることもある
例えば自分は営業(販売職)に向いていないと思っている場合でも、営業に近い仕事を続けていたら、人と話をする仕事は苦ではなく営業もできると感じることもあります。
つまり、自分でも気づいていない可能性が自分にあり、無理やりにでも経験することで、その可能性に気づくことがあるということです。
私の場合でも、学校の卒業後はプログラマ/システムエンジニアとして情報システムの開発や運用の仕事をしていました。その後子会社の立ち上げに加わり、社員教育をしていたら、自分には教える仕事が向いていると感じ、工業系専門学校に転職しました。
著書の執筆を含めて教育に関する仕事を続けてきましたが、就職課の業務にも興味があり、就職課に異動して本格的に取り組むようになりました。私も自分に合う仕事は変わっていくと実感しています。
結論
「興味を持って続けられる」のが適している仕事
結局、適している仕事の条件は何かというと、その仕事に興味を持って続けられること、に尽きます。
自分には合わないと思っていた仕事でも、未経験の仕事に新たに取り組む展開になっても、興味を持ち続けていたら必ず上達します。また仕事で辛いことがあっても辛いと感じず、続けられます。
興味を持って続けられる仕事に出会うには、
・自分に向いている仕事を自問自答する
・自分には合わないと思っていた仕事でもとりあえず取り組んでみる
を心がけることです。
しばらく続けて自分に合わない仕事と感じたら転職すればよい、と自分に言い聞かせてとりあえず取り組んでみることです。
その時点で最善の選択を行う
就職課の業務として学生に会社を紹介すると、それが自分に合う仕事かどうか悩む学生もいます。
そのときに話すことの一つがこれで、人生のそのときどきで、自分にとって最善と思える選択を行えばいい、と話しています。
進路について現時点で最善と思える選択をしても、仕事の経験を積んだり家庭の状況が変わってくれば、別の仕事の選択が最善に変わる場合が出てきます。
仕事の選択に限らず、人生に失敗はなく、試行錯誤の連続と思えばよいのです。
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