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ダメな人のための洗濯の知識

この記事はこんな人のための記事です。

①素材特有の機能や風合いを活かしたい。
②なるべく全ての服を一緒に洗いたい。
③とにかくシンプルに雑に気にしないで洗いたい。
④薬局とかで簡単に手に入るものを使いたい。
④できれば環境へのインパクトも抑えたい。

みんなどうしてる?

気に入って買った洋服。初めて着るときのテンションといったら、正直言語化できませんよね。なんなのでしょう。あの無敵感。自分が生まれ変わった感じ。なんとも言えません。

販売している店舗やメーカーでは「買ってもらうまで」が重要なストーリーなのですが、購入者にとってはその服とのストーリーは「買ってから」はじまります。あなたと生活を共にする、肌に最も近いパートナーとして。

その時に『愛する衣服をどう着こなすか?』というのも重要な要件ではありますが、それと同時に『このパートナーとどう接すればいいのか?』を考えるのも同じくらい重要です。長く付き合おうとすればするほど、相手のことをよく知り、敬い、与えられたよりも少しだけ多い愛情を注ぐことが、長く付き合っていくための秘訣であります。

それには相手が好きなもの、してあげたら喜ぶことを知る必要があり、相手にとって最良のことを考えることが必要です。

僕らの共犯者さんは、 衣料品に対して意味のあるものを購入したい!という方が多いです。また、世の中にはエシカルなものを志向したり環境に配慮されている方もいらっしゃいます。そういう健康的な購買活動は非常に良い買い物ですし、そこまでこだわって購入した製品なので、日常のケアの部分まで考えてみたらいかがでしょう?というのが本題が、今回のnote。

そう、今回は洗濯の話です。みんなどうしてます?

でも、めんどくさいよね・・・?

ウールはなぜ縮む?
乾燥機はなぜ縮む?
他の色と別けて洗った方がいい色は?

色々あるんですよ。でも、めんどくさいですよね。
もちろん相手への愛情は大事。長く付き合いたい!最高の相棒ならなおさらなんですが、でも、めんどくさい。

だから僕らは基本的に『丸洗い』できるような製品しか作ってないのですが、これから洗剤の簡単な選び方や洗濯方法を書いていこうと思います。


phって覚えてる???

ph(ペーハー)って覚えてます? そう、理科でやりましたよね。リトマス試験紙使うやつですよ。でも授業でやったphの勉強は生活の中で使える知識じゃないから、ほとんど覚えてない人が多いんじゃないかな?

実は生活に密接に関わっている理科の実験だったんだな。あれは。

*参照元 https://www.tokyo929.or.jp/column/washing_cleaning/post_49.php

こういう表覚えてますよね?
それから洗濯用洗剤の裏側みたことあります?

『液性』というところをご覧ください。

実は色々あるんです。弱酸性〜中性〜弱アルカリ性。この辺のレンジで洗濯用洗剤は展開されています。


それぞれ何が違うの?

それぞれの特徴はざっくりこんな感じ。(経験から感じている個人的な見解も含みます。)

酸性:バリエーションはほとんど存在しない。汚れの原因と同じレンジのphなため、洗浄能力は低め。そのため、界面活性剤の含有率が高いものが多い。漂白剤入りのものもある。

中性:『おしゃれ着洗い』という名前が付いている洗剤は大体中性です。洗浄能力はそこそこ。洗浄力アップというのは界面活性剤の含有率が高いものが多い。

アルカリ性:洗浄能力が高い。『酵素のチカラ』と書いてある洗剤は大体このレンジ。
洗浄力アップというのは界面活性剤の含有率が高いものが多い。

で、あまり語られないのですが、衣料品のそのほとんどの商品が弱酸性〜中性で仕上げられています。(店頭で買った状態が弱酸性〜中性ということ)

それはなぜか?

それはヒトの肌や髪のphが弱酸性だから。

参照元 http://www.demi.nicca.co.jp/salonsupport/beauty1_detail_17.html

そして、汚れの大概の原因になる皮脂も、油汚れも大体が酸性なんですよね。汚れを落とすのはこの科学的な作用が働いています。

『酸性の汚れは、アルカリ性で落ちる。』

要は『付いている汚れのphの、逆のphのものを使えば汚れは落ちやすくなる』んです。

じゃあ、弱アルカリ性の洗剤が最強なのか?

確かに汚れを落とすには最高なのですが、弱アルカリ性の洗剤は服の生地にダメージ与えるんですよね。

また、phが肌と逆なので、『すすぎ』が甘かったりすると薬剤が残留し、肌の弱い方にはリスクが多少でてくる可能性があります。


固形石鹸で髪の毛洗ってみてよ。

ボディソープとかシャンプーとか、体に使うものはほとんど弱酸性です。
余談ですが、固形石鹸で髪の毛洗うとガシガシになるじゃないですか。
あれは、固形石鹸はアルカリ性なんですよね。固形石鹸で頭洗った後って、水で薄めた『酢』を髪の毛につけるとサラサラに戻ります。これは酸性に髪の毛のphを調整したということになります。

そう、大げさに言えば、アルカリ性の洗剤は髪の毛を固形石鹸で洗った状態のようなもの。phが違うので多少なりともダメージや退色を発生させてしまう可能性が高いです。

綿(コットン)は対洗濯性に優れているので、弱アルカリ性で洗っても割と大丈夫なのだけれど、どうしてもダメージは少なからずある。

さらに、ウールの製品なんかは、羊さんの髪の毛な訳で、まじで髪の毛と一緒なので、アルカリ性の洗剤で洗うと毛がこんがらがります。これが縮みの大きな原因となります。

だから昔の洗濯方法の王道は

綿製品は弱アルカリ性洗剤で
ウール製品は中性洗剤で(またはクリーニング)

洗うのが鉄則だった。

ただ、特にここ最近の商品の品質表示タグを見ると(君の着ている服の左側の裾あたりに付いているやつ)実に色々な素材を組み合わせたものが多い。

繊維の技術が向上したのもあるけれど、天然繊維がだんだんと高騰していることもあって、コストダウンさせるために化学繊維と組み合わせたり、ウールも数パーセントしか使っていないものも割とある。

世の中はどんどん複雑になっていくのだ。

そんな複雑化した世界での僕のオススメは中性洗剤です

中性洗剤で洗えば、いわゆる『〜専用洗剤』はひとまず必要なし!


中性洗剤の選びかた

特殊な洗剤は世の中にたくさんありますが、わざわざそういうのを選ぶより、なるべく近所の薬局で買えることもコモディティアイテムで必要な条件ですよね。なので、僕は頑張らなくても手に入るものを選びます。

その条件に合う中性洗剤は2大巨頭があります。

アクロンとエマール。聞いたことある方が多いと思います。

昔は中性洗剤は高かったのですが、昨今色々「機能性洗剤」が出てきて、相対的に割安になりました。

その中でも、僕はエマールがオススメ!
(エマールの肩持ちますが、なんのスポンサーも受けてません!)

それはエマールは純粋な中性洗剤ほとんど洗浄に関するもの以外成分が入っていないからです。

他の中性洗剤は界面活性剤の含有率が高いものや他の成分が入っているものが多く、排水時の環境へのインパクトを考えるとちょっと躊躇してしまいます。

一方、アクロンは「柔軟剤入り」なので僕は使用していません。

これが二つを大きく分ける特徴なのですが、柔軟剤がどういう成分なのか次で説明します。


柔軟剤という存在についても考える。

洗濯においてもう一つ言及しておかなければいけないのが『柔軟剤』。

一般的には、『柔らかくなる』『におい付け』みたいな機能として販売されているのですが、柔軟剤は、僕の解釈でいうと柔らかくなっているのではなく、「柔らかく感じさせられている」だけなんです。

というのも、柔軟剤の原理はシリコンコーティングなんですよね。

糸というのは繊維を撚って(よって)作られているのですが、拡大してみると髪の毛のキューティクルのように毛羽が出ています。

画像参照元 https://www.cabclothing.com/library/tee_tips/blog03/

この毛羽をポリマーでコーティングすることによって摩擦を少なくし、滑りがよくなります。滑りが良くなるので柔らかく感じる。

要は車のWAX洗車を思い浮かべてください。滑りがよくなるから水を弾く。そんな原理です。(車用と服用では使っている成分は違うと思いますが)

ということは、コーティングされてしまうので、素材を覆い被せてしまう。そのため素材本来の性質や機能を阻害してしまう可能性があるんです。

例えばタオル。吸水性が求められるのに吸水しにくくなってしまう。
(タオルはドラム式で洗うと柔軟剤なしでも柔らかくなります。)
また、機能性の下着(メリノウールやpatagoniaキャプリーンみたいな商品)は素材が持つ機能が売りなのですが、それを阻害してしまう。

僕らの ONE SWING という商品があるのですが、撥水加工しているものにも柔軟剤はよくないです。撥水のコーティングの上に柔軟のコーティングが乗ってしまい、機能を阻害します。

今はノンシリコンの柔軟剤も出ているようですが、そちらは使ったことがない&原理が理解できていないので、ちょっとここでは何か言うのは控えておきます。

柔軟剤を使うかどうかは好みで判断すればいいと思っていて、柔らかい感触が好きなら使うのがいいと思うし、素材そのものの風合いを楽しみたければ使わないほうがいいと思う。ということです。単純にこのにおいが好き!というのもあると思うし。

ただ、個人的にはポリマー系の成分を排水することは、その後の生態系や環境のインパクトを考えるとちょっと気が引けてしまって、使わないという選択をしています。

洗濯は生きている営みの中でどうしてもしなくてはならないこと。その中で出来るだけ環境負荷を抑えたいと思っています。(個人の感想です)


他に見ておきたい成分

蛍光増白剤

一番最後に記載されている『蛍光増白剤』、白い色を白く見せるための薬剤です。

これは人間の目の錯覚を利用した薬剤で、白って、すこ〜しだけ青いほうがより白く見えるんですよね。

スーツの量販店で売っている安いシャツって、ちょっと青く見えませんか?
これ、目の錯覚を利用しているんです。

そう、蛍光増白剤は白を白く見せるために、簡単にいうと少しだけ青い染料で染める薬剤です。

なので色付きの服は変色しやすく(特に蛍光色のものやパステルカラーの染料が弱い色)本来のカラーが損なわれる可能性があります。

これも、用途によって選択する必要がありますが、洗うものによって洗剤を変えるのはちょっとめんどくさいですよね。。。


僕的BEST WAY

僕の洗濯時の条件は

①素材特有の機能や風合いを活かしたい。
②なるべく全ての服を一緒に洗いたい。
③とにかくシンプルに雑に気にしないで洗いたい。
④薬局とかで簡単に手に入るものを使いたい。
④できれば環境へのインパクトも抑えたい。

なので、もうこれしかありません。

エマール使って柔軟剤なし。

これで全ての素材を混ぜて洗えます。

ポリエステルでも、ナイロンでも、コットンでも、ウールだって。

洗うときはウール製品はネットへ。

もうそれだけ。ウール製品は乾かす時は形を整えてから干します。部屋干しで。

これだけで大切な服が長持ちして気持ちよく着られる。
クリーニング出したり、色々お金かければやれることは他にもあるけれど、少ないランニングコストで豊かに生きられるほうが僕はいいと思っているので。
あくまで僕の意見なので、これを参考に自分なりの洗濯の仕方を見つけてもらえると嬉しいです。

ぜひ試してみてください!

ステートメント

ALL YOURSは信じている。
最高の服とは、着ていることすら忘れてしまうものだ。

そこには、カッコいいも悪いも存在しない。
あなたのスタイルがそこにあるだけでいい。

他人にどう見られているかなんて気にしてる場合じゃない。
もっと面白いことが世の中にはある。

誰かの作った流行に惑わされるな。
自分が本当に信じられる事を見つけよう。

自分のやりたいことに集中しよう。
自分の存在は”今”ここにしかないんだから。

自分に素直でいよう。外見にとらわれるな。
本当に美しい姿は、美しい魂に宿る。

自分自身を知り、本質を感じよう。

ALL YOURS

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