朝おきると​

鳥のさえずりに気付く。日差しがまぶしいのに気付く。まだすこし眠いことに気付く。だけどおしっこをしたいことに気付く。おなかがすいたことにも。

枕や目覚まし時計を見て、ここがどこなのかに気付く。ゆうべ寝る前に読んだ本の読みかけのページを思い出して、いまがいつなのかに気付く。

目覚めるということは、いろいろなものごとに気付くということ。気付くまえは、夢をみていたのだったか。夢なんてみなかっただろうか。さて、どうだったっけ。

ぼくにとって、ぼく自身の意識にとって、夢をみてもいない眠りに落ちていたときのぼくは、死んでいたのとどこがちがうと言えるのだろうか。

朝おきるとそのたびに、ぼくの意識はコンピュータの電源を入れなおすみたいに再起動する。もしかしたら夢というのは、意識を再起動している途中での、記憶の検査と修復の副作用なのかもしれない。

形あるものは壊れる。ぼくの意識も、いつかは、再起動できなくなるときがくるだろう。

うん。きっとそうなったときが、ぼくが死ぬってことなんだ。

だから、きょうは、とりあえず。

Hello, World!

スキひとつじゃ足りないっていう気持ちになることがもしあったら、考えてみていただけると、とてもわかりやすくてうれしいです。