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冬の午後あるいはサツマイモの葉の緑

冬の日はあかるいけれどくらく。

冷気に、鼻のあたまがそっとつままれる。両の耳のふちが、かるくひっぱられる。指さきの感覚がすこし、とおくなる。てのひらには冷えた空気のまるいかたまり。せなかからわきばらにかけて、おしりからふとももにかけて、寒さが、手のかかる甘えんぼうのようにしがみついてくる。

冬の日はくらいけれどあかるく。

ハート型のサツマイモの葉が、窓のひかりにつらぬかれて色をはなつ。その緑のかがやき。枯れた葉さえ、あたたかな色のひかりをはなつ。その赤土色のかがやき。

冬の日はあかるく。あかるく。あかるく。

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