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木村石鹸スタッフが、自由気ままに書き綴るブログ

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2020年5月の記事一覧

織田作之助と坂口安吾の将棋を題材にした随筆

織田作之助はあまり熱心に読んだことはなかったのだけれど、今回、青空文庫でいくつかの作品を読んでみた。 「聴雨」「勝負師」この二編は小説というよりは随筆だろうか。浪速の棋士、坂田三吉の南禅寺での復帰戦を扱ったものだ。(坂田三吉の正式名称は、阪田三吉のようだけれど、ここでは本作の中での表記通り「坂田」としている。) 何年もの沈黙を破り、公の前に帰ってきた坂田は、名人(の弟子)である木村義雄との大一番に、後手でありながら、一手損を覚悟の「9四歩(阪田の端歩突き)」を敢行する。こ

上司は部下をヒーローにするべき

いやぁ気をつけねばならない。自分も無意識にやっちゃってることがある。恐い。忘れないうちに自戒の意味もこめて。 部下の手柄を我の手柄のように語る上司ってのは、傍から見たら最低の上司だとは思うけど、ふと気づいたら自分がやっちゃってることもあって情けない。話をわかりやすくするため「部下」「上司」みたいな言葉を使うが、正直、この言葉も嫌いだ。上とか下とか、そういう階層の線引きをしちゃう言葉だし、どうもそこに溝が生まれそうだし。 重要なのは、現場が直接的な利益を生んでるということだ

しつけの問題

岸田秀は「しつけの問題」(『続・ものぐさ精神分析)』というコラムのなかで、次のようなことを言っている。 要するに、親は、自分の感性、人格、器量、徳性などの程度以上のしつけを子どもに与えることはできないのである。 子供は粘土ではないのだから、誰か専門家に「正しいしつけ方」を教わって、その通り実行すれば、「理想的な」子どもができあがるというわけにはいかないのである。 もし親が「正しいしつけ方」とやらを学んで、自分の程度以上のしつけを子供に与えようとすれば、前述の母

エレベーターピッチでは説明しきれないものを

エレベーターピッチなんてことをよく言われる。VCや投資家から投資を受けるためには、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間でそのビジネスの魅力や優位性を伝えられなければならない、なんて意味だったかと思う。要は、自社の魅力は簡潔に簡単に伝えられるものでなければならないということだ。 Amazonのビジネスモデルは、レストランの紙ナプキンに描かれた、なんていう逸話もそれっぽい話だ。 ビジネスモデルの魅力や、技術的な優位性といったもので勝負するベンチャー企業や、それこそ最

手肌のお守りハンドミルク

手荒れや、手洗いアルコール消毒、洗い物などで、乾燥が気になる方へ 《 手肌のお守りハンドミルク 》 保湿と肌荒れの予防に特化したハンドミルクタイプの美容液。 コロナウィルス感染症対策で手洗いやアルコール消毒が励行される中、消毒により手肌が乾燥し、荒れてしまう方々へ向けて処方を調整し、製造した商品です。 水をたっぷり抱え込んだミルクが肌の上でサラリと伸びて、肌表面にうるおいのヴェールを作り、手洗いやアルコール消毒を繰り返すと失われる水分と油分をバランス良く補い、手肌を守

-第1話-「可愛い新入社員にはバットを振らせよ」社会人1・2年目の女性社員3人だけで商品作ろうとしたらすごい苦労したけどすごい強くなった話

社会人1・2年目の女性社員3人だけで商品を作ることになった ちょっと破天荒な話 こんにちは。 木村石鹸で商品開発と広報を担当しているえむです。 新卒で入社してからはや1年が経ちました。 「入社したら自分のしたいことをしてほしい、何なら商品開発をしてほしいと思っている。」 と社長に言ってもらってから、入社2ヵ月目で本当に商品開発が始まるとは・・・。 色んなことに挑戦したい3人娘(入社1年目、2年目) × 社長の一言木村石鹸には「とにかく、いろんなことに挑戦したいんだ!」

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

この本が上梓されたばかりの頃は、グランズウェルといっても、それは萌芽に過ぎなかった感もあるけど、今はどうだろうか。ここで書かれていたことが、かなり当たり前のことのようになってきてないだろうか。 企業にとって、今までの「消費者→認知→検討→選好→行動→愛用→顧客」へとステップを踏んで成長・育成していくようなマーケティングファネルモデルが崩壊しつつあることは間違いない。 大声をあげて、ファネルの入り口に人を集め、ファネルの中に入ったら、購入段階まで進んでいくような働きかけを実

会社の課題を解決するのは誰?

社員に「この会社どう思う?」と尋ねると、だいたい不満や問題点がだーっと返ってきます。 ほとんど人は不満や課題や気になるところ沢山持ってます。 何の不満、問題点もなく、この会社はここが良いです、あそこが良いですと良いところを返してくれる人は、ごくごく稀だと思います。 でも、その社員に「じゃぁその不満や課題に、あなたは何が出来るの?」と問いかけると、大抵の人は回答に窮します。え?と驚く人も多いです。 殆どの人は、会社の課題を解決するのは、自分ではない、と思ってます。自分以

競合を気にしすぎることの危険

商品を開発したりしてると似たような他社商品は気になるわけです。 で、気づいたら、色んな他社商品を見て、ここはこれが特徴か、あそこはああいう売り方をしてるのか、ここはこんな仕掛けか、と調べてしまって、色んなことが見えてきてしまうんですね。 色んなものが見えてくればくるほど、自社商品のユニークさみたいなものが分からなくなってきて、うーん、性能も価格も知名度も勝てないなぁなんて、疑心暗鬼に駆られたりするわけです。 そういうことを繰り返して、他社商品に勝とう、他社商品より上を行

自意識をめぐる群像劇 – 朝井リョウ「何者」

このブログを書いたは2013年3月で、その時は、facebookはやってたが、twitterはそこまで積極的ではなかった。この1年ぐらい仕事のためにもと、twitterに力を入れ始めたのだけど、久々に、この自分のブログを読み返して、なんかちょっと恥ずかしくなった。うん、マウントの取り合いは気をつけなければいけない.... この著者が一番気になっているのは、多分、自分も含めた人々、特に若者たちの自意識なんだろう。それを単に、自意識過剰な人達、─所謂、昔っからそういう人間は「嫌

今を100%で生きる

今日は自分に言い聞かせるために書いてみる。 「Stay Home」ということもあり、過去に読んだ本を読み返していた。 先週末は、私の気に入っている本の一つ。 落合博満さんの「采配」勝利を引き寄せる66の言葉というサブタイトル。 66全ての言葉に重みがあり、自分の考え方に凄く影響がある。 その中の一つ。 常に全力を尽くすことは、明日に希望を見出すことでもあるのだ。この言葉だけを見れば、当然のことかもしらないけど、 私の日常の中で、何か嫌なことがあった時に、頭の中ですぐに「切

雇用を生み出してるのはベンチャー?

このブログも2012年1月に書いたものです。すでに8年以上も前のことで、今の状況とは大きく変わってるかもしれません。 === 前職でオフィスを構えてたKRP(京都リサーチパーク)で開催されてたKRP-WEEKというイベントの1セッションに、起業家向けセミナーとして「ビジネスプランって何?」というセミナーがあった。その時の話で印象に残ってる話がある。 講師はSARRの松田さん(合同会社SARR-Science & Research for Reconstruction)。

数値化し難いものを数値化する~顧客ロイヤルティは数値化できるか?

「その数学が戦略を決める」は、今日大規模なデータが簡単に集まるようになり、またその大規模なデータを解析できるコンピューター環境が整ってきたおかげで、今まで人でなければ不可能と考えられていた「決断」や「判断」や「評価」の領域にコンピューター(本書では「絶対計算」というような言葉で表現されているが)が侵食してきている様を描き出した非常に面白い本だ。「絶対計算」対「人間」では、ほとんどの場合「人間」が負けてしまうという事例を様々な分野にわたって説明している。 ワインの競売価格の高

人は正直が欲しい - アドボカシー・マーケティングとは?

この本も随分前に読んだもので、中身はすっかり忘れてしまってるのだけど、ここで語られてるスタンスや考え方については、今の僕らのそれとかなり近いというか、そうありたいと目指してるところでもあるので、この機にピックアップしてみた。 ただ、こういう姿勢やポリシーを、「マーケティング」という言葉で括ってしまうのは、個人的にはちょっと違和感はある。本来はそうではないのだろうけど、今、「マーケティング」という言葉は、テクニックとかハウトゥとか、そういいう技術的なニュアンスにまみれてる感じ