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木村石鹸スタッフが、自由気ままに書き綴るブログ

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#経営

木村石鹸的予算の立て方

木村石鹸での予算とか計画の立て方について説明してみます。といっても、どこにもない唯一無二の凄いやり方があるわけではないです。比較的オーソドックスなやり方なので、「そんなの知ってるよ!」「とっくの昔からやってるよ」という方もいらっしゃるかもません。 一時期、木村石鹸では売上を目標にするのをやめたというような話をしてて、メディアにもそう書かれたので、人によっては木村石鹸は目標や予算を立ててない会社と思った方もいるかもしれません。 実は、普通に予算はあります。目標数値/計画も掲

どんな仕事も視座を上げると、価値が変わるという話。

去年の今ぐらいの時期かな。新卒を中心とした若手がマナー講習に行くということで、こんなメッセージを書きました。多少、説教臭い話ですが、noteにもやや編集して転載しておこうと思います。 ──*── こういうセミナーや講習を受ける時の向き合い方には、いくつかのレベルがあると思うんですね。 一番最低のレベルは、会社(上司)から指示されたから受けに行く、というものです。 多分、こういう心持で受ける人は、とりあえずその時間が過ぎればいいやという感じで受講するケースが多いんじゃな

親孝行強化月間23年目

毎年4月には、このエントリーを書いてて、これを書くことで、今年は何年目か思い出せるので、僕にとってはほぼ備忘録となっています。 親孝行強化月間を知らない人もたくさんいると思うので、「親孝行強化月間とは何か」、僕が考える「親孝行強化月間の意味」、について、以下のnoteでまとめてますので、よかったら目を通してみてください。 ちなみに、昨年の親孝行強化月間では、こんな文章を書いてました。 昨年のnoteを見返すと「親孝行強化月間の対象となる社員がとうとう50名となった」と書

新卒採用を始めた理由

先日、来年4月入社予定の新卒者3名の懇親会が催されました。この催しを企画して進行してくれたのが、この4年ぐらいで入社した新卒メンバーでした。こういう企画を自分たちで用意して開催してくれたことにほんとに感謝してます。そして、新卒採用続けて良かったなとも感じたんですね。 改めて、なぜ新卒採用を始めたか、それを続けているのかについて説明しようと思います。(ちなみにこの文章は社内にも既に発表してるものです。) 新卒採用については一定期間は継続的に行おうと覚悟を決めてスタートしてる

MVVはないけれど、「社員が一番自慢できる会社」の意味

ふと考えたことを言葉にしておきます。ただ、まだ考えがきちんとまとまってるわけでもなく、きちんと筋が通ってるわけでもないです。 会社経営にとって、ミッション/ビジョン/バリュー(MVV)の重要性を否定する気はまったくありません。きちんとMVVを定め、社員がそれをきちんと解釈して行動し、事業もMVVに忠実であれば、そこには凄い推進力が生まれるでしょうし、一体感も出てくると思います。 ただ、MVVがなければ絶対ダメかというと、そうでもないような気もするのです。明確な将来像や、自

エレベーターピッチでは説明しきれないものを

エレベーターピッチなんて言葉がありますね。 VCや投資家から投資を受けるためには、そういう偉いさんがいる高層階までのエレベーターのわずかな時間でビジネスの魅力や優位性を伝えられなければならない、みたいな意味だったかと思います。要するに、自社の魅力は簡潔に伝えられ、伝わるものでなければならない、ということです。 僕はピッチイベントには出ないと決めています。ピッチイベントとは、数分という決められた短い時間で自社をアピールして優劣を競うような場です。投資を受けることを目的とした

ルールではなく常識に則って判断する

あんまりルールは作りたくないんですね。 ルールをつくるのは簡単なんですが、一度、作ると、ルールってどんどん細則が増えていくなぁと。途中で、そんなはずじゃなかったのになぁと思うこともあったりもするわけですが、細則が増えていく中で、ルールとしての整合性や論理性を担保するために、悩み出したりして、時間が取られたりします。 たとえば、今、木村石鹸には社販制度があります。社員は自社商品を通常販売価格より少し安く買うことができる制度で、特に、それに何かルールがあるわけでもありません。

「デザイン経営」という言葉の危うさ、中小企業はまず「経営」に目を向けよ

昨日の「私のデザイン経営 強くて愛されるブランドをつくる人々」のゲストは、中川政七商店の中川さんでした。 この番組、僕は、なんと第一回に出演させて頂いたんですね。環境大善の窪之内社長が、今後の事業展開について色々考えてた時に、僕のブログを読んだことが、「ブランディング」に取り組む切っ掛けになったということで声をかけて頂いたんですが、実は、そのブログで取り上げていたのは、中川さんの書籍でした。 当時、木村石鹸もブランディングに取り掛かろうとぼんやり考えてたんですが、その時、

リモートワークで監視が必要? サボる社員への対処について。

コロナ禍により、否応なくリモートワークに移行してる企業の次の課題が、「監視」だという話があります。 働きぶりの「見える化」なんて、それっぽい言葉を使ってますが、要は「監視」です。 このシステムが酷いのはこの機能です。 さらに、このシステムでは、社員が「着席」のボタンを押して仕事をしている間の、パソコンの画面がランダムに撮影され、上司に送信される仕組みもあります。いつ画面が撮影されるか社員には分かりません。 これってまさにパノプティコンじゃないのと。フーコーを持ち出すま

45期の始まりにあたって。量的成長から質的成長への試行錯誤とか

木村石鹸は6月20日が期末なので、今週から新しい期の始まりです。株式会社になって45年目、45期の始まりです。(創業からは今年96年) 44期の下期(2019年12/21~2020年6/20)は、新型コロナもあり、会社としても今まで味わったことのない苦しさに直面しました。僕らの場合は、売上の20%を占めてた中国向けの販売がパタリと止まり、1月~4月は実質、中国売上が0になったわけです。1~3月は、その影響が大きく、毎月かなり大きな営業損失を出しました。 3月後半ぐらいから

印象に残ってる投資(≒賭け?)

2012年に書いたブログなので、事例が古いです。 成功してから見たら、当たり前のように見える投資も、投資した瞬間、その当時の背景からみたら、よくその時期にそのタイミングにそんな投資を決断できたなと思うものがたくさんある。 というか、本当にリターンの大きい投資ってのは多分そういうもので、誰もがそれは成功するだろうと思うようなものでは大きいリターンなんて期待できない。ある意味、投資は賭けみたいなものだ。 もちろんギャンプルじゃないから、一か八かの直感では困るわけで、そこには

経営者になることの覚悟

もう随分昔の話だけど、面接ではこんなことがあった。 ある求職者に対して、「将来、起業したいとか、自分でビジネスを興してみたいとかそういう夢はありますか?」という質問をしてみた。 この質問はあえて「はい、いいえ」(あるいは「よくわかりません」)で答えられるような形で質問している。その人の何が知りたいというわけではない。答えが「はい」でも「いいえ」でもかまわなくて、その答えに対して、その人がどういう考え方を持っているのかということを知りたかったのだ。 さて、その人はどう答え

特別感謝・業務報奨金として社員全員に一律10万円支給する話

(※2020年4月のnote記事です) こんなことをnoteに公表するのもどうかとは思うんですが、色々思惑もあり、書いてみようと思います。 木村石鹸では、今回、「特別感謝・業務報奨金」として社員全員に一律10万円を支給することに決めました。 かなり葛藤もあったんですが、支給すべきだと判断しました。 今、社員にはさまざまな面で大きな負担をかけてる状況です。リモート対応できる社員はごく僅かで、殆どの社員は出勤を余儀なくされてます。なんとかこの状況でも献身的に働いてくれてる

究極の自律型組織、セムコ社のひみつ

この記事の元は2008年1月に書いてる。なので、最初にセムコ社、リカルド・セムラーの本を読んだのは2007年後半ということだろうか。 僕は常々色んな人に言ってるのだけど、僕にとっての理想の会社、目指す方向はセムコ社の考え方だ。 セムコ社はブラジルのコングロマリット。このセムコ社を率いるのがリカルド・セムラーである。僕は会社や経営者が社員をどう見るか、どう扱うかの究極がセムコ社のマネジメントだと思ってる。(というか、「マネジメント」さえない、というのがセムコ社なのだけど)