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木村石鹸スタッフが、自由気ままに書き綴るブログ

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#マネジメント

うちの社員は、ほんまに凄いんやぞ

「なぁ、うちの社員は凄いんやぞ」 親父がそう自慢してくる度に、僕は心の中で「こんな地方の小さい会社に凄いやつがいるわけないやん」と小馬鹿にしてました。 親父は石鹸会社の社長です。社員数名。典型的な地方の零細メーカー。社長といっても、親父自身が製造もやるし営業もやる。いつも作業着を着て、油でどろどろになるまで働いてました。 (20代の頃の親父) 僕にはその姿はものすごく格好悪く見えたんです。そういう姿に憧れて、父と同じ道を歩みたい、と思う人もいるのかもしれませんが、僕は

リモートワークで監視が必要? サボる社員への対処について。

コロナ禍により、否応なくリモートワークに移行してる企業の次の課題が、「監視」だという話があります。 働きぶりの「見える化」なんて、それっぽい言葉を使ってますが、要は「監視」です。 このシステムが酷いのはこの機能です。 さらに、このシステムでは、社員が「着席」のボタンを押して仕事をしている間の、パソコンの画面がランダムに撮影され、上司に送信される仕組みもあります。いつ画面が撮影されるか社員には分かりません。 これってまさにパノプティコンじゃないのと。フーコーを持ち出すま

7つの習慣:目的を持って始める

「7つの習慣」のまとめの続き。最初はこちらを参考に。 目的を持って始める「7つの習慣」第二の習慣は「目的を持って始める」だ。 人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めることである。そうすれば、自分にとって何が本当に大切なのかをベースに、今日の行動、明日の行動、来週の行動、来月の行動を計画することができる。 「最期の姿」を念頭において、というのも極端な考え方であるが、要は長期的な目的をブレイクダウンして1日という日を送らなければならないということである

上司は部下をヒーローにするべき

いやぁ気をつけねばならない。自分も無意識にやっちゃってることがある。恐い。忘れないうちに自戒の意味もこめて。 部下の手柄を我の手柄のように語る上司ってのは、傍から見たら最低の上司だとは思うけど、ふと気づいたら自分がやっちゃってることもあって情けない。話をわかりやすくするため「部下」「上司」みたいな言葉を使うが、正直、この言葉も嫌いだ。上とか下とか、そういう階層の線引きをしちゃう言葉だし、どうもそこに溝が生まれそうだし。 重要なのは、現場が直接的な利益を生んでるということだ

しつけの問題

岸田秀は「しつけの問題」(『続・ものぐさ精神分析)』というコラムのなかで、次のようなことを言っている。 要するに、親は、自分の感性、人格、器量、徳性などの程度以上のしつけを子どもに与えることはできないのである。 子供は粘土ではないのだから、誰か専門家に「正しいしつけ方」を教わって、その通り実行すれば、「理想的な」子どもができあがるというわけにはいかないのである。 もし親が「正しいしつけ方」とやらを学んで、自分の程度以上のしつけを子供に与えようとすれば、前述の母

エレベーターピッチでは説明しきれないものを

エレベーターピッチなんてことをよく言われる。VCや投資家から投資を受けるためには、エレベーターが目的の階に着くまでのわずかな時間でそのビジネスの魅力や優位性を伝えられなければならない、なんて意味だったかと思う。要は、自社の魅力は簡潔に簡単に伝えられるものでなければならないということだ。 Amazonのビジネスモデルは、レストランの紙ナプキンに描かれた、なんていう逸話もそれっぽい話だ。 ビジネスモデルの魅力や、技術的な優位性といったもので勝負するベンチャー企業や、それこそ最

会社の課題を解決するのは誰?

社員に「この会社どう思う?」と尋ねると、だいたい不満や問題点がだーっと返ってきます。 ほとんど人は不満や課題や気になるところ沢山持ってます。 何の不満、問題点もなく、この会社はここが良いです、あそこが良いですと良いところを返してくれる人は、ごくごく稀だと思います。 でも、その社員に「じゃぁその不満や課題に、あなたは何が出来るの?」と問いかけると、大抵の人は回答に窮します。え?と驚く人も多いです。 殆どの人は、会社の課題を解決するのは、自分ではない、と思ってます。自分以

成長する(させる)ためには高いハードルも必要

昨日、「マジメントの正体」の記事で書いた「多くを期待すれば多くを得られる」という話。それに絡めて、前職時代にこんなエピソードがありました。 大手ECサイトのリニューアル案件へのアサインもう随分昔の話です。ある大手のECサイトのリニューアル案件が動くことになったのですが、そのECサイトをもともと担当してたディレクターが東京に引っ越すことが決まってて、誰かに引き継がないといけないという状況でした。 しかし、その案件の担当を担えそうなディレクターは、同時期に他の大型案件に縛られ

マネジメントの正体

この本も、随分前に読んだ本だけど、素晴らしい本だ。 本書は63の短い章で構成されている。さらに章は大きく10の領域に分類されている。 1.採用 2.モチベーション 3.リーダーシップ 4.コミュニケーション 5.チーム作り 6.衝突の処理 7.職務設計 8.業績評価 9.変化への対応 10.行動 この10の領域を見ても、本書がマネジメントという問題を俯瞰的に、総合的に扱っていることがわかる。これがMECEかどうかはわからないが、少なくともマネジメントについて課題なりえる

図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60

先週も「時間管理」についての記事(「TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究」)をアップしたが、今週も引き続き、時間管理について、今度は別方向から。こちらは完全に仕事における時間管理「術」にあたるものだ。 これはかなり良い本なんだけど、すでに絶版。 明日からすぐに取り入れたり考え方、ツールがてんこ盛り。単なる時間管理、マネジメントの手法を唱えるだけではなく、組織のあり方や、仕事の本質などをきわめてわかりやすく、論理的に説明しているところがいい。 ビジネスマン、特にマネジ

前例のない非常事態にこそ自律型組織の強みは発揮される

木村石鹸は、世間的に言う「自律型組織」の部類に入ると思う。現場が自分で考え行動する、ということを促してきたし、そういう文化を作ってきたつもりだ。 自律型組織を目指すことで、ある時は、ものすごく非効率というか無駄なものがあちこちで発生したりもしてるけど、それでも、僕としては、一人一人が自分で考えて行動できる範囲が増える、各自が状況を見て、自分が貢献できることを考えて決断する、ということに価値を置いて、それを促してきたつもりだ。 こういう前例のない非常事態の時にこそ、自律型組

究極の自律型組織、セムコ社のひみつ

この記事の元は2008年1月に書いてる。なので、最初にセムコ社、リカルド・セムラーの本を読んだのは2007年後半ということだろうか。 僕は常々色んな人に言ってるのだけど、僕にとっての理想の会社、目指す方向はセムコ社の考え方だ。 セムコ社はブラジルのコングロマリット。このセムコ社を率いるのがリカルド・セムラーである。僕は会社や経営者が社員をどう見るか、どう扱うかの究極がセムコ社のマネジメントだと思ってる。(というか、「マネジメント」さえない、というのがセムコ社なのだけど)

あれこれ悩むより、とりあえずやってみることも大事

言いたいことは単純なことだ。 何か新しいことを始める時に、準備やら根回しやら調整やら、そういうことは必要だとは思うけれど、でも、あまりにも色々考えて、やれ体制やフローや計画や事業性や運営方法やらと、何から何まで、その新しいことに必要なものを全て取り揃えて準備万端にしてから始めようとすると、そもそもスタートも切れなくなってしまうことも多いんじゃないかと。 やってみないと分からないことも多いし、とにかく何かやってみる、一歩踏み出してみて、そこから必要な能力やらリソースを確保し

管理をしないほうが社員は自律する

ずっとマネジメントが重要、優秀なマネジャーがいないと組織は発展できないと思い込んでた。優秀なマネジャーが人をうまくモチベートし、そして成果を生み出すと。 それは間違いではないのだけど、ただ、この「マネジメントが重要」って考えの根底には、現場はマネジメントが機能しなければうまく動かない、成果を上げてくれない、という意識があることに気づいた。 要するに、現場を全然信じてなかったわけだ。そういう意識が前提にあるマネジメントってのは、本当の意味でのマネジメントではない。