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喜びを結ぶ【喜結-kimusubi-】です。

はじめまして。喜結というブランドネームで水引アーティストとして活動している舟木香織です。

私が水引を始めた頃は「最近水引を習いはじめたんだ」と友達に言うと、「水引って何?」という人の方が多かった。「ご祝儀袋についてるヒモだよ」と答えると初めて「あー!あれね!」というレベルだった。それが何のきっかけか、近頃では「話題の水引」になった。ありがたいことにメディアで取り上げていただいたり、企業からお仕事の依頼をいただくのも、「話題の水引」だからなのかな?と思う時もある。
いろんな人と話す中で水引に対するイメージを「敷居が高いもの」と捉えるタイプと、「手芸の材料」という比較的手頃で身近なものと捉えるタイプがいるように感じる。
たしかに器用な日本人にとって水引の結びは、少し練習すれば基礎結びはすぐに習得できてアレンジ次第でいくらでもデザインの幅は広がる。最近は動画サイトでも水引の結び方を紹介しているところも多く、誰でも簡単にチャレンジできる。
水引に触れるきっかけは何でもいいと思う。私も「わー、きれい!私もやってみたい!」と思ったのがきっかけだった。でも水引を結ぶ本数のこと、色のこと、歴史、産地、ご祝儀袋の包み紙のこと…。知れば知るほど奥が深かった。今の時代、欲しい情報はネットで調べればすぐに手に入る。でも逆に言えば自分が興味や疑問を持って深く掘り下げなければ欲しい情報しか手に入らない。
水引で言えばネットの動画で結び方は習得できても、どんな材質でできていて、どのように使われてきたのか、そしてそれぞれの結びの意味など、その人が疑問を持たない限りは「手芸の材料」以上のものにはならない。私は水引アイテムをネット販売する時にご祝儀袋からスタートした。
その時必要性を感じて水引のことを学んだ。
水引は紙で出来ている。
紙は今も昔も生活必需品なので、水引を学べば昔の日本人の生活が見えてくる。
日本文化って面白い。
結果的に楽しくて楽しくてどんどんのめり込んだ。
そして日本文化の美しさを誇りに思うようになった。
だから私は内職や手芸ではなく日本を誇る芸術として、日本の文化として水引を海外へ発信していきたいと思った。
そういう思いを少しずついろんな場面で話していくうちに、賛同してくれる人が手を差し伸べてくれたり、協力してくれる人を紹介してくださったりと広がっていった。
水引は折り紙のように世界各国で知られているジャパンカルチャーではない。私たち日本人ですら水引のことはよく知らない。
少なくても私は自分の結婚まで水引についての知識と言えば「ご祝儀袋のひもの名前」「蝶々結びと結び切りがある」という程度だった。しかも「そんなのいちいち面倒くさい」と思っていた。今となってはそれは知識がなかったから避けていたことだと思う。
実際ワークショップで水引の説明をすると、初めて聞く話ばかりでみんな驚く。そしてバックグラウンドを知ったからこそ、その日初めて作った水引の結びを愛おしいと思い、結びに込める思いや祈りを大切しようと思う。水引がプリントされた紙を1枚掛けておけば体裁が整う時代に、わざわざ手間をかけて水引を結ぶ意味を知って感動と喜びを感じて帰る人は少なくない。
結びの形そのものに思いや祈りを込めるという文化は海外ではあまり聞かない。インドで水引についてスピーチをした時拍手が起こった。 あの時は本当に嬉しかった。その時の話はまた別に機会に。

ともあれ私が水引を習うまでは「しきたりがいちいち面倒くさいもの」と思っていたものは人種や宗教も超え、海外の人をも感動させる美しい文化だったのだ。
そして私たちの身近にあるのによく知らない水引に出会えて本当に良かったと思うし、もっと多くの人に知ってもらいたい。
水引の基本である「あわじ結び」は引けば引くほど強く結ばれる結びで、ご縁や絆を結ぶ。 そんな水引に出会った私はこうしてたくさんのご縁に恵まれて、今水引アーティストとして活動している。

そんな訳で飽き性の私がどっぷりハマり、人生をかけるほど夢中になってしまった水引の魅力をたくさんの人に伝えていきたいと思い、noteで水引について綴っていくことにした。

不思議にも私のブランドネーム「喜結」が結んでくれた様々なご縁や体験、機会のおかげで今の私がある。

過去の活動や作品はinstagramfacebookオフィシャルサイトでご覧いただけます。あまり文章を書くのは得意な方ではありませんが、お付き合いいただければ幸いです。



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