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途中棄権する判断の難しさ

昨日の全日本大学女子駅伝では、見事に名城大学の7連覇が達成されてましたが、それ以上に注目を集めている1区と3区でのアクシデントについての報道が多くされています。

まず1区の城西国際大学の大沼選手、ゴール数百メートルから蛇行し始め歩きながら中継所まで辿り着きました。
と言ってたのも束の間、3区で大阪芸術大学の菅崎選手も同じように転倒しながら襷をなんとか繋ぐという場面がありました。
体調不良と脱水症状ということらしいですが、二人とも無事にゴールでき、その後も回復しているとのことで大事には至らず本当よかったと思います。

両場面では審判員が横を付き添いながら見守る姿が映っていましたが、何故止めなかったかと問題視する報道がされていました。
これに関して大阪芸術大学の監督は、「連絡してほしかった…」とコメントを残しています。基本的に学生駅伝に参加をする際には、当日の緊急連絡先として監督の電話番号を提出してあります。
今回は監督に連絡がなく、緊急連絡先の情報や手段が上手く整備されていなかったことが問題であり、その地点にいた審判員も判断が難しい状況であったかと思います。

最近の駅伝では競技の中止については審判長の判断で決定できるルールになっているかと思いますが、その近くに審判長がいない場合は、一審判の立場で途中棄権させるかどうかの判断は難しく、審判長に即時に連絡を取る連絡手段にも問題があったのかなと思います。

一般的には審判員の方たちは開催地の陸協の方たちが引き受けていただいていることが多く、杜の都駅伝については38キロのロードコースに多くのかなりの人数の審判員が配置されていると思います。

そしてアクシデントに関しては正直どこの地点で起こるかは予想がつかないのが難しい部分だと思います。
審判長車も基本的には最後尾周囲にいると思いますが、あまりに大差になるとレース全体を把握するために、各集団を移動して見ていると思います。
たまたま発生場所に居ればよいですが、レース全体が動いている中でなかなか難しいことではあると思います。

ここ数年では、特に女子駅伝でのアクシデントの場面は多く感じています。
駅伝開催時の気候が温暖化により暑くなっている要素もあると思いますが、コロナ以降、選手のコンディショニングは非常に難しいものがあります。
また、競技の特性上、長い時間をかけてこのレースを目指しトレーニングをして、チームの代表として走る責任感と緊張感が体調不良のサインを鈍らせる部分もありそうです。

これからもアクシデントの場面はありそうな気がしますが、私見としては、箱根駅伝のような監督車を運行すべきだと思います。
女子駅伝の距離であってもアクシデントは多発しているわけですから、その時代に合った運営の仕方をするべきではないかと思います。
やはり、アクシデントが起こった時に、その選手をストップさせること、そのチームの総合結果がなくなることを判断できるのは、そのチームの指導を行ってきた監督が一番正確な判断をできると思います。
また、その判断を監督がしたのであれば選手たちも受け入れることができるのだと思います。

少子化が進み、追い討ちをかけるように新型コロナが発生以降、女子長距離の競技人口は激減しています。
各都道府県の高校駅伝の出場チーム数は10年前と比べて半数以下になっているところが多く、明らかに競技人口が減り、陸上競技界全体で陸上の魅力を発信していかなければならないと思います。
選手の競技寿命が短くなってしまうことはあってはならないし、安全に運営する議論を今後進めていただければと思います。
良い部分の報道は大歓迎ですが、今回のアクシデントに対して運営を批判する報道は選手、監督ともに望んではいないはずです。

ネガティブな報道が注目されがちですが、駅伝の魅力を発信すべく、7連覇という偉業を成し遂げた名城大学を称賛しましょう!

今回、アクシデントがあった2選手が富士山女子駅伝で元気に活躍してくれることを願っております。




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