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時折最高:011 益田宏美(岩崎宏美) - Life (1993)

岩崎宏美という歌手

岩崎宏美と言えば『火曜サスペンス劇場』(1981年9月放送開始)の主題歌として、1982年に発売された「聖母たちのララバイ」が有名です。または芸人コロッケのモノマネで「シンデレラ・ハネムーン」?

岩崎宏美はTVのオーディション番組「スター誕生」を通じてデビューしました。1974年、15歳の中学生です。最優秀賞に輝き、翌年デビューします。

当時から歌のうまさは抜きん出ていたので、伸びやかな声を生かした曲を中心にアルバムをリリースしていきます。少女から大人へと成長すると共に曲も大人っぽいものに変わっていきます。そして「聖母(マドンナ)たちのララバイ」のヒットとなります。

結婚して益田宏美に

1988年に結婚。芸名も益田宏美とする。
子供2人をもうけるも1995年に離婚。芸名を岩崎宏美に戻し芸能活動継続。

この益田宏美時代、次男を出産した翌年のシングルが「Life」です。
益田名義時代にはシングル4枚、アルバムは3枚をリリースしていますが、アルバムはすべて母となり子をもったことをテーマにしたものでした。

誕生(1989)

家族(1991)

きょうだい (1992)

おそらく「Life」リリースの93年には、夫婦仲は良くなかったのだろうと思われます。結局は「歌うことを止められなかった」ことが理由なのでしょう。

Lifeという曲

岩崎宏美のキャリアの中でも、それほど取り上げられることのない「Life」という曲ですが、試しにちょっと歌ってみようとすればかなり難しい曲だということが分かります。歌詞も味わい深く、絶妙なボイスコントロールの歌声には鳥肌が立ちます。

みんないとしい旅人
同じ時生きているのね

上の歌詞の部分が、個人的にはぐっときますね。

この「Life」と、岩崎宏美に戻ってからの「朝が来るまで」。最も悩み多く苦しんだであろう時期の曲は、現在スポットが当たることがあまりないのですが、出来映えは素晴らしく、埋もれさせるには惜しいのです。

岩崎宏美公式YouTubeは大盤振る舞い


ところで、コロナ期に開設された岩崎宏美 公式YouTubeチャンネルというのがあるのですが、2023.01現在非常に充実しており、アルバム、シングル曲の大半が視聴可能になっています。無いのは一部ライブアルバムとベスト盤だけです。

プレイリスト アルバムとシングル

一昨年芸能生活45周年記念コンサートを開いた彼女ですから、これまで発表してきた作品は沢山あります。試しにこれから聴いてみようかという方には、取りあえず以下をお勧めします。

筒美京平シングルズ&フェイバリッツ(2021 REMASTER)

作曲を筒美京平が担当したものを集めたコンピレーション。シングル曲の代表作と、それ以外のアルバム曲も聴ける。

ダル・セーニョ

アナログ時代に発売されていた2枚組ベスト。このベストだけに収録されているリミックスバージョンが特徴。

岩崎宏美デジタルCOLEZO・TWIN

デビューから益田宏美時代の手前までのシングルA面集。これでキャリアの前半曲はまとめて聴ける。

アイドル歌手に始まって、現在に至るまで、とにかく歌い続けている人です。だから芸能人というより歌手と呼びたいのです。

お勧めライブ映像・音源


1986年にはエジプトでコンサートを開いたこともあります。

この時現地の食事か水にあたり、点滴を打ちながらのステージだったそうですが、とてもそうは見えない見事なステージです。

岩崎宏美 コンサート ライヴ 1996
こちらは1996年のライブで、当時DVD化された「ライブ Full Circle」の映像。私生活のきつさをうかがわせる、かなり痩せ気味な様子です。でも歌は素晴らしいんですよね・・・・。曲はシティポップス路線。

Praha

こちらはチェコに行って、プラハのオーケストラをバックに録音されたアルバムです。彼女の歌声自体を味わうにはこれ以上はない音源。

おまけ:コンサートでの洋楽カバー

当時コンサートを聴きに行った人や、ライブアルバムを聴いた人しか知らないでしょうが、コンサートでは彼女の好きな洋楽ポップスのカバーを披露していました。誰が監修していたのか不明ですが、意外な選曲もあります。日本語詞はやや違和感がありますが・・・。

「ザナドゥ」「トワイライト」と2年連続でELOを取り上げてます(笑)。
好きだったのでしょうか。

一般にはアイドル歌手だった初期が有名だと思いますが、当初からポップス歌手だったと考える方が正しいのかも知れません。彼女のキャリアを改めて見直してみると、そう思えてくるのです。

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